在宅復帰を目標に個別の状態に寄り添う
回復期リハビリテーション
医療法人社団慈誠会 練馬駅リハビリテーション病院
(東京都 練馬区)
最終更新日:2026/04/27


- 保険診療
けがや病気の急性期治療を終えた時期に、元の日常生活に戻るために行う回復期リハビリテーション。期限のある回復期リハビリの現場では、患者が退院後、安心して地域で生活できるように、身体機能の回復と活動範囲の拡大をめざし、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、薬剤師、医療ソーシャルワーカーといった多職種によるチーム医療が展開されている。練馬駅直結の「練馬駅リハビリテーション病院」では、「一歩ずつ、一緒に歩む、まごころのリハビリテーション」を理念に、日曜祝日を含む365日、一人ひとりの状態に合わせたきめ細かいリハビリを提供。そこで、同院の回復期リハビリの取り組みについて、西川亮院長、リハビリテーション部の近藤晴彦部長、連携室の伴野有香室長に聞いた。(取材日2026年3月19日)
目次
在宅復帰をめざし、さまざまな状態に寄り添い、限られた時間の中で身体機能の回復と活動範囲の拡大を図る
- Q回復期リハビリとはどのようなものでしょうか?
- A

西川亮院長
【西川院長】回復期とは、けがや手術などの急性期治療が一段落した次の段階のことで、この時期に行われるリハビリが「回復期リハビリ」です。また、時期だけではなく、急性期の治療を終えた患者さんが元の日常生活に戻れるようにするためのリハビリの意味もあります。元の日常生活とは、理想的には、退院して自宅に戻ることですが、自宅に準じた施設である有料老人ホームやグループホーム、ケアハウスといった居住系介護施設も含まれます。回復期リハビリは入院期限が決まっており、例えば脳卒中であれば原則150日の入院と規定され、その間は、日曜祝日も含めた365日毎日2〜3時間のリハビリを行います。
- Q在宅復帰を目標に、どのように患者さんに関わっていきますか?
- A

リハビリテーション部部長の近藤晴彦さん
【近藤部長】入院初日からリハビリを開始し、理学療法士、作業療法士が身体機能、トイレや車いすへの移乗など日常生活動作の安全性を評価。その内容を看護師や介護士と共有し、どこまでできて、どこに支援が必要かを明確にします。リハビリの進行に伴い身体機能の回復や活動範囲も拡大をめざし、段階的に自立できるよう支援しています。
【伴野さん】病院とご家族・ご本人をつなぐ役割を担う医療ソーシャルワーカーは、それぞれの希望や思い、回復状況を見ながら退院に向けたサポートを行います。退院後、必要な社会資源を活用し、不安なく生活できるようにしています。また、在宅復帰が難しい場合は、本人や家族に適した選択を検討します。
- Q退院期限を迎えたとき、どんな選択肢があるのでしょうか?
- A

医療ソーシャルワーカーの伴野有香さん
【伴野さん】自宅退院を希望される場合は、ご自宅で生活できるかを評価し、必要に応じて地域のサポートにつなげます。事前に理学療法士や作業療法士がご自宅に伺い、安全に生活できるように家屋の改修案をご提案することも。ご家族の介護が必要なときは話し合いを重ね、ご本人とご家族の希望と退院期限に合わせて調整していきます。施設に入所される際には、介護保険の適用の有無や、介護度、希望のエリアや予算などをもとに、生きた情報を提供しながら選定していきます。相談員は、入院時からご本人、ご家族の思いを伺いつつ、退院期限の1〜2ヵ月前から具体的に退院後の生活に向けて介入し、情報を提供しつつ次の生活の場を探していきます。
- Qどのような患者さんを積極的に受け入れていますか?
- A

患者の状態に合わせて専属のセラピストが担当につく
【近藤部長】回復期リハビリのための入院は、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血といった脳血管疾患、骨折など運動器疾患、肺炎などによる廃用症候群の3つが対象になります。現在、当院の患者さんは脳血管疾患が約半数で、今後もやはり脳血管疾患の患者さんを積極的に受け入れていきたいと考えています。脳血管障害はリハビリによって、日常生活動作の大幅な改善が見込めることがあり、当院もそこに注力しています。病院の役割が明確になり医療連携がより重要になる中、これからも回復期リハビリ病院として、地域の中で役割が果たせるように機能していきたいです。
- Q病院として大切にしていることはありますか?
- A

チーム医療をより強化し、きめ細かなサポートを実現している
【西川院長】近藤部長の話にもあったように、回復期リハビリ病院の役割がより厳密に考えられるようになりつつある中、回復期リハビリ病院と療養施設とのすみ分けがさらに重要になります。そしてこれは「連携の強化」でもあります。急性期病院との関係も同じで、けがや手術後の早い時期に回復期病院に移り、早期からの集中的なリハビリで機能を向上させることが、これまで以上に求められるようになるでしょう。しかし、患者さんの状態や病状、また家庭や社会的な状況もさまざまです。当院としましては、それぞれの患者さんにとって最も良い方法と方針を選ぶことを心がけていきたいです。
- Q貴院ならではの取り組みがあればご紹介ください。
- A

地域に根差したリハビリをめざし、日々取り組んでいる
【西川院長】3年ほど前から音楽を取り入れたアプローチにも取り組んでいます。集団では、毎回20人程度の参加者が皆で歌ったり簡単な楽器を演奏。個別では1対1で、失語症の方には言語聴覚士が、まひのある方には作業療法士が同席しています。参加者は皆さん楽しそうで、表情が明るくとても良い時間になっています。
【近藤部長】地域活動として区民に向けた公開講座を年に1回開催しています。昨年は、認知症や栄養などのテーマでお話ししました。また、リハビリ室を開放し、体操の指導なども行っています。予防の段階からリハビリ病院として関われるよう、地域との接点を大切にしています。

西川 亮 院長
1980年東京大学卒業。関東労災病院、東京都立荏原病院、東京都立豊島病院、東京都立府中病院、国立がんセンター、東京大学医学部附属病院に勤務、米国サンディエゴ、Ludwigがん研究所留学、埼玉医科大学脳神経外科講師、同助教授、同教授、同大学国際医療センター脳脊髄腫瘍科診療部長を経て2022年より現職。日本脳神経外科学会脳神経外科専門医。埼玉医科大学名誉教授・客員教授。医学博士。





