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一般社団法人巨樹の会 松戸リハビリテーション病院

(千葉県 松戸市)

岡田 仁 院長

最終更新日:2020/11/25

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笑顔と明るさが支える在宅復帰支援の場

松戸駅から車で5分ほど走ると見えてくる、「松戸リハビリテーション病院」。院内には明るい光が差し込み、解放感のある雰囲気の病院だ。対応する障害は脳血管障害、骨折、神経疾患や廃用症候群などによる運動、言語、嚥下障害、高次脳機能の障害など幅広い。患者が退院する際に在宅復帰をめざす「巨樹の会」グループの一員として、そのグループの経験を生かした早期回復をめざすリハビリテーションを特徴としている。実践的なリハビリに励む患者の心と体を支えているのは、にこやかな笑顔が印象的なスタッフたち。そんな彼らの背中を押すのが、「笑って仕事をしよう」という岡田仁院長の言葉だ。第一線で患者と関わりながらも、院長は裏方であるべきとして自らを「縁の下の妖怪」と称する姿は、まるで同院を包み込む明るさそのものだった。
(取材日2015年11月30日、情報更新日2019年11月7日)

最近、病床数を120床から180床へと拡充されたそうですね。

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千葉県保健医療計画に基づく病床配分によって、2019年4月に60床の増床が認められました。松戸市は千葉西総合病院、松戸市立総合医療センター、新東京病院、新松戸中央総合病院をはじめ、急性期医療を担う総合病院が比較的多い市であります。その半面、千葉県内でも回復期の医療機関が不足している地域の一つであり、周辺地域には少しずつリハビリテーション病院が増えていますが、松戸だけぽっかり空いている状況でした。この地に当院を開いたのも、そうした状況を鑑みてのことでしたが、この度の病床数拡充を機に、脳血管障害や整形外科疾患にとどまらず、神経疾患や循環器疾患による運動、言語、嚥下障害、高次脳機能の障害がある患者さんに対し、より幅広く集中的なリハビリテーションを提供していきたいと思います。

建物全体が余裕のある造りで、設備が充実している印象です。

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1階のリハビリスペースは、かなり広めに作りました。ガラス張りで明るく、木々の緑が見え開放感があると患者さんから好評です。5階のシミュレーションルームも充実していますね。玄関、廊下、リビング、トイレなどが備えつけられており、自宅に戻ってからの生活を想定したリハビリを行っていきます。この部屋は、ご家族に介助の体験をしていただいたり、より良い介助方法を指導したりする際にも利用しています。リハビリというと歩行や食事を思い浮かべるかもしれませんが、実際に行うのはそうした日常生活に伴うものだけではありません。患者さんの日常生活で必要な動きを考慮して、細かな作業をしていただくこともありますし、生活に車が欠かせない場合には運転に関するリハビリをしていただくこともあります。当院は1階にドライブシミュレーターがあるので、退院後の運転に不安があるという方にはいい練習になると思います。

リハビリにおける特徴についてはいかがですか?

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私が脳外科、副院長が神経内科を担当し、日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医、整形外科の専門家とともに総合的なサポートを実現しています。さらに理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、看護師、薬剤師、管理栄養士、ソーシャルワーカーたちを含め、約300人が常に情報を共有し、「365日最大限のリハビリテーション」「日常の活動の向上」を提供すべくチームワークを発揮しています。近年は、全国の急性期病院で在院日数の短縮が進められており、急性期が終わって間もない患者さんの転院が増えました。その中で、患者さんの在宅復帰をめざしていくのは簡単なことではありません。特に独居高齢者、老々介護のご家庭、後遺症のある方は、自宅復帰が困難なケースが多いのが現実です。そうした場合は、ソーシャルワーカーとじっくりお話しいただいて、介護付き高齢者住宅をお勧めすることもあります。

どのような点を課題とお考えですか?

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当院には治療設備がありませんので、そういった意味での難しさはあります。私が医師になった昭和50年代は、CTもなければMRIもなく、診察や採血の結果に基づいて状況を判断していましたが、今もその頃とほとんど同じことをしています。患者さんの様子をこまめに観察し、「呼吸がおかしい」「尿の状態がおかしい」といった症状に応じた処置をする。重篤化が推測される場合には送っていただいた病院で再度診ていただき、大丈夫であれば帰ってきてもらうという流れです。当初は、患者さんをお返しする先の病院から「そちらで診られないのですか」と言われたこともありましたが、「診ることはできますが、治療設備がないので危険な状態のときはお願いしたい」ということを当院の看護師が丁寧に説明し、理解していただきました。さまざまな経験を経て、現在ではどの病院とも良好な関係を築けていると思います。

今後の目標や、読者へのメッセージをお願いします。

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ご自宅に戻られた患者さんのフォロー体制を、より厚いものにしていきたいと考えています。当院を出られた患者さんは、訪問診療や訪問看護、通院といった形態で他の医療機関の診察を受けるわけですから、当院と在宅医療を行う医院や医師との間に、密接なつながりが必要です。急性期から在宅医療へと続く治療の通過点として、各医療機関と患者をつなぐ役割を果たせるようになりたいですね。患者さんの在宅復帰をサポートし、退院後は地域の医院にお送りする役割を考えると、今後は各医療機関と当院をつなぐソーシャルワーカーの存在もより重要度を増していくでしょう。当院は、スタッフ全員、仲良く楽しく仕事に取り組んでいる病院です。患者さんとご家族の意思にしっかり耳を傾けていますので、リハビリのことだけでなく退院後の生活に関することなど、気軽にご相談ください。「この病院に来て良かった」と思っていただけるよう、誠心誠意努めてまいります。

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岡田 仁 院長

1975年東北大学医学部卒業。2014年より同職。脳外科の医師として患者のリハビリをサポートする傍ら、スタッフが明るく働ける環境づくりにも注力。「くだらないことを言い合えて、知識のない人が知識のある人に気軽に質問できるような病院」を理想とし、患者の前向きな気持ちに寄り添い、笑顔で支えるスタッフの育成を心がけている。

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