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一般社団法人巨樹の会 蒲田リハビリテーション病院

(東京都 大田区)

前原 正明 院長

最終更新日:2020/11/25

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明るく笑顔で、在宅復帰を強力にサポート

大田区大森の住宅街を抜けると、陽光を受けて明るくきらめく「蒲田リハビリテーション病院」の建物が見える。全面ガラス張りの外観、抜けるように高い天井や広々としたロビーなど、良い意味で病院らしくない開放感に満ちた造りだ。院内に足を踏み入れて驚くのは、スタッフと患者の笑顔があちこちで見られること。まるで家族のようにゆったりとスタッフと会話を交わしながら、積極的かつ楽しそうにリハビリに取り組んでいる患者さんが多い。「在宅復帰をめざすリハビリの場に求められるのは、明るさと笑顔です」と話す前原正明院長の思いが、スタッフ全員に浸透していることがよくわかる光景だ。約90%の在宅復帰率を実現している同院の理念や取り組み、地域における役割や連携など、幅広くお話を伺った。(取材日2015年9月29日)

2011年開院とのことですが、その経緯をお聞かせください。

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もともとは1974年に山口県で下関カマチ病院を開設したカマチグループの蒲池真澄理事長が、リハビリテーションを専門とする病院が少ない関東で施設を展開し始めたことが始まりです。千葉県からスタートし、当院はグループにおける東京都内初の病院として2011年5月に開院しました。東京都は特に回復期リハビリ病床が少なく、10万人当たり50床あるべきところが30床程度しかありません。現在では、グループで東京都内だけで6つのリハビリテーション病院を開設しています。着任前に当院を訪れたとき、天井が高く、いい意味で病院らしくない雰囲気が気に入りました。院内はどこも採光性が高くて明るく、特に屋上テラスは見晴らしが良く、開放感は抜群です。庭園にはあえて砂砂利や段差、手すり付きスロープが設けられ、退院後の日常生活を見据えたリハビリを自然に行えるようになっています。僕は長く心臓血管外科で働いてきましたが、2015年から当院院長を務めています。

どんなリハビリが特徴ですか?

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セラピストが1日に行えるリハビリには時間の制限がありますから、通常の身体訓練に加え、日常生活動作を取り入れたリハビリを実践しています。足湯や映画鑑賞を楽しんだり、カラオケなどのレクリエーションに誘導したりして、生活のリズムを整えながら早期離床を促しています。患者さんやご家族は不安や悩みを抱えていらっしゃいますから、在宅復帰をめざすリハビリ施設に求められるのは明るさと笑顔ではないでしょうか。アットホームに自分の肉親に接するようにという考えのもと、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、薬剤師、栄養士らがチームとして協働し、患者さんごとに適切なリハビリを実施しています。在宅復帰率は約90%です。そのうちご自宅に戻られる方が約80%、残りは特別養護老人ホームや高齢者住宅などに入所されます。施設や車いすの生活であっても自立した生活を送ることができれば、患者さんやご家族の幸福につながると思います。

基本理念と、病院運営で重視していることを教えてください。

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グループ全体で「手には技術、頭には知識、患者様には愛を」という基本理念を掲げています。2014年に当グループに入職して初めてこの理念を見て、シンプルでありながら医療全般に通じる思いを的確に表していると共感しました、一人ひとりの患者さんに適した医療を提供するためには豊富な知識や技術が必要です。同時にどの過程においても、肉親に接するように愛情を持って行うことが患者さんの回復につながると、自分自身の経験に照らして実感しています。病院運営ではスタッフが生きがいを持って働ける場を作ることに腐心しています。スタッフが前向きであれば、患者さんのリハビリの意欲につながります。また「院長への手紙」というアンケートを患者さんにお願いし、全部に目を通していますが、うれしいことにクレームはほとんどなく、ほとんどの患者さんは「ありがとう」と書いてくださっています。私たちの思いが伝わっていることを実感する瞬間ですね。

地域における役割について、お考えを聞かせてください。

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当院の近くには東邦大学医療センターをはじめ、いくつか大きな病院があります。脳卒中などの方はそうした病院で治療を受け、急性期を脱した段階で私たちの病院へ来られます。それぞれの病院の役割に応じた受け入れ態勢の構築と、うまく連携しあえるシステムづくりが重要ですね。また、これからは回復期を担う病院として、在宅復帰以降のサポート体制を構築していかなければならないと思います。地域の福祉施設などとも連携をとっていますが、なるべく私たちが訪問して診てあげることができれば、入院時の状況と照らし合わせたより適切なサポートができると考えます。そこで2016年3月から訪問リハビリをスタートしました。また、高齢化が進んで、認知症を患っている患者さんが増えています。認知症の方と相互理解を得るのは難しいのですが、こうした方にどのようにリハビリを行っていくかという点は、これから取り組んでいかなければならない課題のひとつです。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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当院は、難しい症例の方も断らずに、ともに在宅復帰をめざす病院でありたいと思っています。お困りのことがあれば、ぜひ、ご一報ください。また、認知症の方が増えているという話をしましたが、認知症の進行を食い止めるには、リハビリが一番効くというデータもあります。当院には神経内科を専門とする医師もいますので、スタッフも含めてみんなで知識を深めながら、より多くの認知症の方を受け入れていきたいですね。それによって、徘徊などでお悩みのご家族を救うことにもつながればと思っています。今後も変わらず、地域との連携を深め、リハビリのレベルをさらに向上させ、質の高い医療を提供してお役に立てるよう努力してまいります。

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前原 正明 院長

1974年横浜市立大学医学部卒業。慶応義塾大学病院などの心臓血管外科で勤務。米国アラバマ大学、英国ロンドン小児病院留学を経て、2000年から防衛医科大学校外科学第二講座教授。2014年一般社団法人巨樹の会副理事長・みどり野リハビリテーション病院院長代理、2015年8月から現職。日本心臓血管外科学会専門医。スタッフが協力して家族のように患者を支える病院づくりをめざしている。

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