全国の頼れる病院・総合病院・大学病院を検索
病院・総合病院・大学病院7,983件の情報を掲載(2024年4月20日現在)

  1. TOP
  2. 千葉県
  3. 習志野市
  4. 谷津駅
  5. 医療法人社団保健会 東京湾岸リハビリテーション病院 
  6. 近藤 国嗣 病院長

医療法人社団保健会 東京湾岸リハビリテーション病院 

(千葉県 習志野市)

近藤 国嗣 病院長

最終更新日:2020/11/25

MainMain

常に高いゴールをめざし挑戦することが大切

エントランスを入るとまず驚かされるのが5階まで吹き抜けとなった広々としたロビー。その中心には涼やかな水のモニュメントが配され、ホテルのような雰囲気を醸し出しているのが「医療法人社団保健会 東京湾岸リハビリテーション病院」だ。同病院は同一法人が運営する急性期病院「谷津保健病院」を母体として2007年に開設。以来、院長として大勢のスタッフを率いているのが近藤国嗣先生だ。近藤院長は、慶應義塾大学医学部リハビリテーション科に入局以来、長きにわたってリハビリ医療に取り組み、同病院の立ち上げに尽力。近藤院長は、「リハビリテーションはある種スポーツのようなもの。その時の体の状況に即した適切な難しい課題を繰り返し練習することで常に高いゴールに挑戦することが重要です」と話す。そんな近藤院長にリハビリテーション医療への思いや同病院の特徴などについて聞いた。(取材日2017年6月14日)

病院の成り立ちについて教えてください。

1

当病院は、谷津駅前にある「谷津保健病院」の改築の際、それまであったリハビリ病床160床を移すということで、新たにリハビリ専門病院として2007年に設立されました。建物や内観のデザインは、同一法人が有する各施設のデザインを担当しているアメリカ人建築家の手によるものです。滞在型リゾートのような雰囲気で、室内の調度品などもホテル並みのものがそろえられています。当病院ではご家族の面会時間が長く、患者さんだけでなくご家族の方々にも快適に過ごしていただけるのではないかと思います。リハビリ科の医師は、慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室で研修を受けた者が多く、私がその責任者という形で院長に就任した経緯があります。ですので、質の高い医療の提供や地域との連携は当然ながら、教育や研究などにも力を入れています。

こちらのリハビリ医療の特徴について教えてください。

2

スタンダードなリハビリテーションをきちんと提供することです。リハビリは麻痺などの治療と捉えがちで、もちろんその点も重要ですが、主体はそこではないと考えています。リハビリの目標は障害があっても可能な限り高いレベルの生活動作や身体機能を獲得して退院後の生活を保障することです。そのためには障害の度合いに応じた難しい課題を繰り返し練習することが必要です。リハビリはある意味スポーツのようなものだと思います。スポーツはある目標に向かって毎日練習すればその目標に到達できるでしょう。リハビリも同様です。当病院のリハビリはゴール至上主義といってもよいでしょう。患者さんのご希望をお聞きした上で高いゴールを決定し、治療プランを立てそのゴールに向けて挑戦していきます。プランの実行にあたってはリハビリ科の医師がプロデューサーで、療法士たちが計画を確実にこなすために指導、訓練するディレクターといった役割です。

入院時には必ず検査を行っているそうですね。

3

入院時には心電図、血液検査、エックス線検査、CT検査、頸動脈・心臓・腹部エコー検査などに加えて、睡眠時無呼吸症候群、骨密度、体組成、栄養状態などについてもスクリーニングを行っています。もしも心電図に異変があれば24時間ホルタ―検査を行ったり、睡眠時無呼吸症候群であれば治療機器の装着を促したり、あるいは骨粗しょう症の治療を行うなど、リハビリ領域以外でも質の高い医療の提供をめざしています。また、従来より、たんぱく質の多い食事を提供したり、低栄養や嚥下障害のある方には栄養サポート介入を行うなどしています。こうした患者さんの体調や自立度、治療経緯や介入データなどの情報はすべて詳細に記録をつけて、スタッフ全員が共有できるシステムとなっています。当病院では、独自の情報共有システムを構築しており、それによってどのスタッフでも適切な対処ができるようにしています。

地域での位置づけ、地域連携について教えてください。

4

「谷津保健病院」では、当病院のスタッフが急性期リハビリテーションを行っています。併設している「谷津居宅サービスセンター」内のデイケアでは、理学・作業療法士、言語聴覚士が合わせて13人おり、生活期でも総合リハビリを提供しています。デイケアでは皆さんとても楽しそうに、そして熱心に訓練していますね。こうした施設と協働して急性期から在宅までシームレスで地域完結型のリハビリ医療を提供しています。また、患者さんの受け入れ範囲は、東京東部から、市川市、千葉市などまで広い範囲に及んでいます。また、地域の医療機関などとも密な連携をとっており、何か問題が起きた場合は速やかに対応する体制を整えています。

研究や教育などはどのように行われているのですか。

5

リハビリ医療においても科学的根拠が重要と考えており、科学的根拠に基づいた医療を実践するためにも研究体制は重要です。当病院のリハビリ研究室には動作解析装置など大学病院レベルの研究・検査機器がそろっています。ここで研究したいという熱意あるスタッフもそろっており、大学院に在籍している理学療法士も多いですね。病院内での勉強会も盛んに行われています。研究成果とともに科学的根拠を積み重ねて、スタンダードなリハビリと先端科学を駆使したリハビリなど質の高い医療を提供しながら、さらにその先のリハビリ医療について今後はさらに探っていきたいですね。そして将来的には当病院を巣立った医療者が他の医療機関のリーダーとして発信し、日本全体のリハビリテーション医療を底上げできればと考えています。

Main

近藤 国嗣 病院長

1988年慶應義塾大学医学部リハビリテーション科入局後、一貫してリハビリ医療に取り組む。慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター、東京専売病院(現・国際医療福祉大学三田病院)、川崎市立川崎病院などを経て2007年の開業とともに院長就任。医学博士。日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医。慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室非常勤講師。

access.png