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変形性膝関節症のつらい痛み
人工膝関節置換術で早期回復をめざす

医療法人サカもみの木会 サカ緑井病院

(広島県 広島市安佐南区)

最終更新日:2026/05/01

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加齢などにより膝関節の軟骨がすり減り、痛みや炎症を生じる「変形性膝関節症」。進行すると階段の上り下りやしゃがむ動作が難しくなり、日常生活に大きな支障を来すようになる。「サカ緑井病院」の曽田是則院長は、これまで多くの人工関節手術を手がけてきた専門家であり、特に変形性膝関節症に対する人工膝関節置換術に注力している。「痛みを我慢し続けるのではなく、早期に適切な治療を選択することが生活の質の維持につながる」と語る。将来にわたり、立つ・歩く・座るといった基本動作を無理なく行える生活を守るための選択肢として、同院で行う人工膝関節置換術について解説する。(取材日2026年3月25日)

人工膝関節置換術は、膝の痛みを我慢しすぎて生活の質が低下する前に検討を

Q人工関節置換術とはどのような手術ですか?

A

人工関節について説明する曽田是則院長

人工関節置換術とは、変形性関節症や関節リウマチ、外傷などで変形した関節表面を取り除き、人工関節に置き換えることで痛みの軽減や機能改善をめざす手術です。対象は高齢の患者が多く、肩・肘・手指・股・膝・足など幅広い関節に行われます。当院では特に変形性膝関節症に対する人工膝関節置換術の症例が多く、整形外科と人工関節センターが連携して治療にあたっています。また、基礎疾患を有する場合、とりわけ糖尿病は感染症リスクを高めるため、かかりつけ医と連携して十分にコントロールした上で手術を行うなど、慎重な管理のもとで治療を進めています。

Qどんな疾患や症状のある方が対象となるのでしょう。

A

変形性膝関節症は、加齢に伴い膝の軟骨がすり減り、関節が変形することで痛みを生じる疾患です。進行すると、階段の上り下りや正座、しゃがむ、立ち座り、歩行といった日常動作が困難になります。主に加齢が要因とされますが、スポーツや事故によるけがの影響で、年齢を重ねてから発症するケースもあり、高齢者に限った病気ではありません。なお、痛みがあるからといってすぐに人工関節置換術が適応となるわけではなく、年齢や進行度に応じて保存療法など複数の選択肢があります。まずは専門の医師がいる医療機関を受診し、適切な診断と治療方針の検討を受けることが重要です。

Qこちらで実施されている手術について詳しく教えてください。

A

人工関節を専門とする部門が設置され、高度な医療を提供している

人それぞれ顔が異なるように、脚の形も一人ひとり違います。そのため、すべての患者に同じ形を当てはめるのではなく、本来の脚の形、すなわち変形前の状態に近づけることが重要です。当院では「キネマティックアライメント法」という術式を採用し、一人ひとりに適した手術を行っています。これにより関節の自然な動きが再現され、術後の回復が早くなることが期待されます。手術に対して「最後の手段」という印象を持つ方も少なくありませんが、筋力低下や活動性の低下が進むと、将来的に寝たきりとなるリスクも。痛みを我慢し続けるのではなく、生活の質が大きく低下する前に適切なタイミングで手術を選択することも重要な治療の一つです。

Q手術後のリハビリテーションについても教えていただけますか?

A

術後は一人ひとりの状態に合わせたリハビリテーションを実施

当院では理学療法士・作業療法士が多数在籍し、充実したリハビリ体制を整えています。手術翌日から歩行練習を開始し、松葉づえは使用せず、歩行器による訓練を1~2週間実施。その後は原則として補助器具を使わない歩行訓練へ移行します。必要に応じてつえを用いる場合もありますが、これまでの症例を踏まえ、一人ひとりに適したプログラムを組んで進めます。一般的に約3週間とされる入院期間に対し、当院では12日程度を目安としており、早ければ1週間ほどで退院が可能です。自宅復帰までの期間が短い点も当院の特徴です。

Q人工関節はどのくらい持つか、耐久年数も気になります。

A

人工関節の寿命は「10~15年」と耳にすることがありますが、実際にはそれだけで一概に判断できるものではありません。私が21年間勤務していた前病院では、事故や強い衝撃といった外的要因がない限り、在籍中に再手術となったケースはほとんどありませんでした。再手術と聞くと人工関節自体の破損をイメージされがちですが、多くは人工関節を支える骨が弱くなり、緩みが生じることが原因です。つまり重要なのは、骨の状態をいかに保てるかという点です。その観点からも、痛みを我慢し続けるのではなく、筋力が保たれている50代や60代のうちに手術を検討し、生活の質を維持するという考え方も有効な選択肢の一つといえるでしょう。

患者さんへのメッセージ

曽田 是則 院長

1990年広島大学医学部卒業後、同大学整形外科に入局。JR広島病院や広島市立広島市民病院などを経て、2023年にサカ緑井病院に入職。統括院長兼人工関節センター長を経て、2026年4月より現職となる。専門は膝関節外科とスポーツ整形外科分野。先進技術を活用した安全性と質の高い医療をめざし、患者の負担軽減かつ最短での生活復帰に向けたサポートに力を注ぐ。これからの医療を担う後進の育成にも尽力。

当院には人工膝関節置換術の技術を学ぶため、国内外から多くの医師が見学に訪れています。現時点では限られた医療機関で実施されている手法ですが、今後さらに普及していくことを見据え、後進の育成にも力を入れています。活動量を維持したい方や、より快適に歩行したい方に向けて有用な手術法もご提案しています。技術の進歩や素材の改良で、人工膝関節置換術はより身近な選択肢となりつつあります。当院ではリハビリを含めた入院期間を約2週間とし、短期間での回復をめざします。術後は適切なリハビリを行うことで関節機能の維持・向上を図り、旅行やゴルフなどを楽しめる生活の実現を支援し、生活の質の向上につなげていきます。

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