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一般社団法人巨樹の会 明生リハビリテーション病院

(埼玉県 所沢市)

柳田 茂樹 院長

最終更新日:2020/11/25

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回復期のリハビリテーション医療を提供

西武池袋線・狭山ヶ丘駅から徒歩10分。閑静な住宅地の一角にある「明生リハビリテーション病院」は、急性期治療後の回復期にある患者のリハビリテーションを行う病院だ。111床を擁する回復期リハビリテーション病棟では、90人の理学療法士をはじめとするリハビリテーションスタッフ、60人の看護師が、脳血管疾患や大腿骨頚部骨折等の患者に対し、寝たきりの防止と在宅復帰を目標としたリハビリテーションを集中的に行っている。日常生活における活動動作能力向上を目的に、365日体制で毎日リハビリを行う同院を牽引するのは、2018年1月に就任した柳田茂樹院長。循環器内科を専門とし、長く自衛隊病院で急性期医療に携わってきた柳田院長は、これまでに2つの病院で院長を務めてきた。ユーモアあふれる言葉と屈託のない笑顔で、「回復期リハビリテーション病院の主役は、医者ではなくチーム医療に関わるスタッフ全員」と語る柳田院長。患者にとっても、スタッフにとっても、より良い病院であることをめざす同院の特色や取り組み、今後の展望などを聞いた。(取材日2018年5月10日)

病院の特色を教えてください。

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当院は、全国に11のリハビリテーション病院を展開する医療グループのひとつで、単科型の回復期リハビリテーション専門病院です。2008年に療養型の病院として開設され、その後この地域の回復期サポートを担う病院として現在の体制になりました。111床を擁し、90名のリハビリテーションスタッフと60名の看護師が、回復期の患者さんのリハビリテーションをサポートしています。無事に自宅復帰される患者さんも多く、また、チューブやカテーテルなどを使い、胃や腸に必要な栄養を直接注入する経管栄養の状態で入院された患者さんが、退院時には管を抜いた状態で帰って行かれることもあります。入院は長い方でも5~6ヵ月ですが、入院患者さんの中にはリピーターの方や親族や知り合いから勧められたという方も多いですね。

とても多くのスタッフが働いていらっしゃいますね。

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当院の良いところのひとつに、スタッフの評価が高いということがあげられます。70歳、80歳の方が入院して、孫のような年齢の理学療法士から1日3時間の治療を受ければ、気持ち的にも元気になれますよね。急性期病院から患者さんを受け継ぎ、悪い状態のときから関与してしっかりリハビリテーションすることで、元気を取り戻していただき自宅に返すというシステムも非常に良いと思います。急性期の病院は医師が先頭に立ち、手術をしたり、治療をしたりしますが、回復期のリハビリの先頭は、PT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士) であり、看護師、ケースワーカーや管理栄養士によるチームです。当院には常勤の医師が4名いますが、その役割は急変した患者さんを急性期の病院へつないだり、具合が悪くなったり発熱した人の対処などです。ここでは、誰一人としてサブではなくスタッフ全員がメインのチーム医療を展開しています。

訪問リハビリテーションもされているそうですね。

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グループの中でも当院の訪問リハビリテーションの歴史は古く、現在も100名ほどの患者さんを専門のチームで診ています。歩行や食事、入浴など、生活動作の練習とご家族への指導、また入退院前には、実際にご自宅を拝見して環境を評価し、必要なリハビリテーションやトレーニングプランを策定します。また、退院後に患者さんが安全に過ごせるように、手すりをつけるなど主に家の改修面でのアドバイスを行ったり、院内には日常動作の補助をどのようにするかのシミュレーションができる部屋もあります。回復期リハビリテーション病院に来られる患者さんは、急性期病院やクリニックからの紹介ですから、病院やクリニックとの連携も重要です。当院では連携室を設け、入院前は急性期病院やクリニックと、退院後は、自宅へ戻られる場合はケアマネジャーさん、施設へ行かれる場合は施設の方とそれぞれ綿密な調整を行っています。

院長としてのやりがいを教えてください。

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当院の4名の医師の中では、私がいちばん年齢が若いのですが、年長の先生方がおっしゃるのは、「回復期の病院では歩けなかった人がリハビリテーションに取り組んで、退院するときには歩いて帰ることもできる」ということが、一般的にあまり知られていないということです。先生方自身も知らなかったとおっしゃいます。当院でもさらに多くのスタッフや医師に来ていただきたいと思っていますが、リハビリテーション病院を希望する医師が少ないのが現状です。私自身もここに来るまでは、回復期病院で患者さんがこんなにも良くなられるとは思ってもみませんでした。月に一度、患者さんの面談をするのですが、5ヵ月入院されていた患者さんが、いつもは車いすで病棟に来ていたのに、5回目の面談では歩いてこられた。その患者さんが、「歩けるようになったことを見せることができました」と言って、泣いておられました。これには感動しましたね。

最後に今後の展望をお願いします。

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私は30年間、自衛隊という組織に在籍し、前院長に声をかけていただき当院に着任しました。ですから、私に期待されているのは、チームビルディングであるとか、組織を健全に保つことに力を尽くすということではないかという思いで院長を務めています。風通しの良い職場環境を作ることと、今ある人材で組織のパワーを上げていくこと。2~3年かけて、この2つを実現していきたいと思っています。また、職員全員に言っているのは、患者さんの満足度を上げることをめざしましょうということです。顧客満足度を上げるためには、従業員満足度が大事です。回復期リハビリテーション病院の活気が好きだと言って、当院に勤務してくれているPTや、新入院があると必ず患者さんの部屋へ行って話をするという看護部長。そういうひとり一人の意識と、患者さんを自宅へ帰すという目標が当院の団結を生んでいるのではないかと思います。

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柳田 茂樹 院長

1984年防衛医科大学校卒業。海上自衛隊入隊。横須賀病院、横須賀衛生隊を経て米国アラバマ大学へ留学。佐世保病院、防衛医科大学校病院などで研鑽を積む。2006年横須賀病院副院長、2008年舞鶴病院病院長、2011年海上幕僚監部首席衛生官、2014年横須賀病院病院長、2015年自衛隊中央病院副院長と要職を歴任し、2018年1月に現職。海将。組織のパワーを上げることで、患者の満足度を高めることをめざす。

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