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学校法人 関西医科大学附属病院

(大阪府 枚方市)

松田 公志 院長

最終更新日:2024/01/10

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患者に寄り添いながら高度な医療を提供

枚方市駅から歩いて3分、淀川河川公園の水と緑に隣接した「関西医科大学附属病院」。2006年の開院当初から今日まで、地域内の特定機能病院として、住民の健康維持や救命救急における「最後の砦」として稼働し続けてきた。患者を尊重した温かみのある診療が同院の伝統と特徴であり、2021年4月から院長を務める松田公志先生も「大学病院という敷居を設けず、当院での治療を希望される場合には可能な限り診させていただきたい」と穏やかにほほ笑む。また、隣接する関西医科大学とともにがんの光免疫療法など新たな医療技術の開発・導入や普及、さらに医療人の育成にも力を入れ、医療の質を高めることで地域に還元する役割も担う。患者・家族専用の宿泊施設の開業や別館の建設計画など、より快適な診療環境の整備を進める同院の現在とこれからについて、松田先生に詳しく聞いた。
(取材日2021年11月18日/情報更新日2023年12月23日)

最初に、病院の歴史と地域での役割をご紹介ください。

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かつて守口市の滝井に関西医科大学と附属病院がありましたが、どちらも少し前に枚方市へ移転しました。それまでこの地域には特定機能病院や三次救急告示医療機関がありませんでしたが、当院の移転によって地域内で高水準の診療にも対応可能になったのです。患者さんや地域の医療機関、救急隊から受診や搬送の希望があった際、できる限り当院で受け入れられる体制を整えてあります。また、通常診療と救急医療の機能を高く維持するために、北河内メディカルネットワークを構築し他の医療機関や地域の先生方とも積極的に連携を実施。総合周産期母子医療部門では、胎児の手術も含め周産期のあらゆる問題に対応しています。高度救命救急部門では同部門の医師だけでなく、必要に応じて各科の当直の医師が応援に駆けつけるなどしてより確実な診療の提供を図っています。さまざまな取り組みを通して、地域内の医療における「最後の砦」として役割を果たせたら幸いです。

院長が重視される診療の在り方をお聞かせください。

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大学建学の精神に基づき、「慈仁(めぐみ)を心の鏡とした、安全であたたかい医療」を病院の理念に掲げていますが、私自身はさらに各患者さんに最も適切な医療を行うことも大切にしています。Aという治療法が最適であるのに当院ではBしかできない、といった事態が起こらないよう、当院では先進的で高度な医療技術・機器を積極的に取り入れ、患者さんにベストマッチな治療を提供できるように尽力しています。例えば手術支援ロボットを2台導入し、腎泌尿器外科を中心に消化管外科など多様な科の手術で用いています。また、脊椎手術の支援ロボットも取り入れ、脊椎由来の痛みの改善を図る脊椎固定術で使用。提供できる治療の幅が広がるのに加えて、より安全性が高く、より負担が少ない手術につなげるためにも、今後も院内設備の更新に努めてまいります。

特にがん診療では、ベストマッチに力を入れているそうですね。

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がんは患者数が非常に多く、患者さんやご家族は大きな不安を抱えています。また今日では飛躍的な進歩により、治療法が多岐にわたっているのもがんの特徴です。当院でも、内視鏡やロボット支援システムによる手術、がんセンターでの化学療法やがんゲノム医療、また放射線治療にも新たな手法を取り入れていますし、小児のがん診療にも注力しています。さらに、近年開発された光免疫療法については専門の診療部門を立ち上げて治療を始め、大学に発足した光免疫医学研究所と協力して適応拡大や効果の検証にも取り組んでいます。このように治療選択肢を広げるとともに、関連科の医師が参加するカンファレンスや、がん看護を専門とする看護師によるがんの相談、さらにAYA世代の支援などを通じて、各患者さんでのベストマッチを見出していきたいですね。なお、セカンドオピニオンはオンラインでも受けつけ、遠方の患者さんにもご利用いただいています。

大学病院として医療人の育成にはどのように取り組んでいますか。

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初期臨床研修や後期臨床研修では多くの研修医や専攻医を受け入れ、日々の臨床に加え、精密な医療機器の手技をトレーニングできるシミュレーションセンターなども活用して研鑽を積んでもらっています。救急の現場では、場合によっては初期研修医にもファーストタッチを携わらせ、初見・初期対応などを指導医とすり合わせて経験を積んでもらっているのです。ある程度キャリアを積んだ医師向けの「高度医療人育成制度」では、留学中の医師に給与支給の支援を行っています。また「オール女性医師キャリアセンター」では子育て中の女性医師の就業・復職の支援や、女性医師の管理職を増やすプロジェクトが進行中です。大学病院は研究や教育も重要な使命ですが、本学では診療を大事にする伝統があります。そのため多くの卒業生が本学で診療に従事するほか、当院と密に連携したり、後進の研修を積極的に受け入れてくれたりしてとても助かっていますね。

別館の建設やIT化も進んでいると伺いました。

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遠方からの受診患者さんや長時間の外来受診患者さん、さらに救急搬送の患者さんのご家族などが快適に過ごせるよう、関医タワー内に患者さんとそのご家族専用のホテルを設置し、多くの方に利用していただいています。近年患者数や手術件数が増加傾向にあることを受け、枚方キャンパスの附属病院本館に隣接する形で別館の新築を予定しています。手術室、内視鏡室、感染症対応病棟などのスペース増加に加えて、画像診断装置など先進機器も導入し、診療機能の拡大をめざしています。利用開始は2027年夏の予定です。また同時に、診療の効率化や医療サービスの質向上のためにITを駆使するスマートホスピタル化にも注力しています。すでに導入済みのAI問診の他にも、スマホアプリによる受診案内やスマホでのカルテ閲覧・共有、運搬用ロボットなども採用を検討中です。地域の方に「ここへ来て良かった」と思ってもらえるよう、今後も職員一同努力していきます。

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松田 公志 院長

1978年京都大学医学部を卒業後、同大学医学部附属病院などで研鑽を積み、1991年関西医科大学泌尿器科学講座助教授を経て1995年から教授。泌尿器の腹腔鏡手術を専門とし、ロボット支援手術の導入・普及にも尽力。2012年から関西医科大学副学長、2021年4月から現職。患者に寄り添う同院の伝統を保ちつつ、高度で先進的な医療を提供すべく診療体制の拡充や環境整備に尽力する。

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