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医療法人偕行会 偕行会リハビリテーション病院

(愛知県 弥富市)

田丸 司 病院長

最終更新日:2022/08/26

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透析も可能な回復期リハビリテーション病院

弥富市神戸の広々とした田園風景の中に建つ「偕行会リハビリテーション病院」。回復期リハビリテーションに特化した120床の病院だ。入院受け入れだけでなく、通院リハビリ、訪問リハビリにも対応し、訪問看護も行う。病院長の田丸司先生は、「リハビリだけでなく、地域の高齢者が住み慣れた場所で生活を継続できるような取り組みをしていくことも大切」と話す。地域で不足する、人工透析に特化した部門設置もその取り組みの一つ。透析が必要で、かつリハビリテーションが必要な在宅医療を受けている患者については、同院の送迎車が対応して通院リハビリを実施。外来診療はしていないため、患者はほぼ医療機関からの紹介患者。6人の常勤医師は全員、日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医の資格を持つ。そこで、同院でのリハビリテーションの体制や病院運営について田丸病院長に詳しく聞いた。
(取材日2022年6月14日)

地域における病院の役割を教えてください。

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当院は、同じ系列の急性期病院である名古屋共立病院の回復期リハビリテーションを担うことを主な目的として、2002年に開業しました。しかし、いざ開業してみると、同じ弥富市の海南病院や中川区にある名古屋掖済会病院からの患者さんのご紹介も多く、この20年余りで当院は地域における回復期リハビリテーションの中心的な役割を担うようになったと思います。そして、この地域で人工透析の病床が不足している状況を受け、12年前には44床の透析センターも開設しました。脳血管疾患や大腿骨頸部骨折などの術後回復期には、できるだけ早期からリハビリテーションを始める必要があります。慢性腎疾患の患者さんにも透析治療を行いながら、入院リハビリ、通所リハビリ、訪問リハビリに加えて、最近では訪問看護も開始しました。リハビリテーションや訪問看護等を通じて、患者さんがご自宅に戻った後も安心して地域で暮らせるようにお手伝いをしています。

どんな意識でリハビリテーションを行っていますか?

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医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、栄養士など多職種が連携して、患者さんに関わっています。365日休みなくリハビリテーションを提供しています。「生活全般を活性化するためのリハビリテーション」というのが、スタッフ全員の共通認識。入院生活のすべてがリハビリテーションと捉え、着替えや食事もできるだけ患者さんご自身でできるようにサポートしていきます。リハビリテーションに直接関わらない看護師であっても、患者さんが自ら動けるよう働きかけもしています。リハビリの時間以外を寝て過ごすのではなく、文字を書いたり手仕事をしたりなどですね。当院では、リハビリ以外の時間をどうやって起きて過ごせるかということを常に意識しながらスタッフそれぞれが動いています。

スタッフの教育や職場環境にも力を入れているそうですね。

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兵庫医科大学の道免和久教授にご指導いただいて、新しい情報を得ながらリハビリの質を高められるよう研鑽を重ねています。看護とリハビリ部門にそれぞれ教育的責任者を置き、教育の相談や院外の勉強会等での活動など外部に発信するための内容精査を行っています。また、国内外の医療看護・介護部門の実習生も受け入れています。すでに当院を巣立って、日本各地の病院で活躍されている方もたくさんいますよ。当院でも外国籍の医療人が複数人活躍し、ダイバーシティーな職場環境になっています。スタッフの働きやすさを重視して、院内に0歳児からの保育所を併設し病児保育にも対応しています。

リハビリテーションを活性化するための工夫はありますか?

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大きな病院になると、リハビリ室と病室のフロアを別にすることが多いのですが、当院ではリハビリ室を病室が囲むように設計され、階を移動しなくて済むようになっています。病室は2階と3階にあり、どちらの階にも同じようにフロアの中心にリハビリ室があります。このフロアごとに完結していく構造にしていたことは、感染症対策の上でも大きなメリットになりました。1つのフロアで感染症の患者が出ても、そのフロアを閉鎖するだけでリハビリテーションは継続することができます。リハビリ室には、電気刺激治療器やトレーニングマシンなどのさまざまな機器をはじめ、入浴や調理のリハビリをするためのバスルームや調理室などもあります。新しい機器として紹介したいのは、上肢用ロボット型運動訓練装置。ロボットを利用して、肩関節や肘関節のリーチ動作訓練を行う装置です。患者さんの上肢機能に合わせて細かく難易度が設定できるのが大きなメリットですね。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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VRを使ったリハビリテーションに注目しています。仮想空間上の狙った位置に手を伸ばす動作を繰り返すことで、姿勢バランスや認知処理機能を鍛えていくように設定されていて、ゲーム感覚でリハビリができると考えています。こういった先進の機器を積極的に導入し、患者さんには楽しみながらリハビリに励んでいただきたいですね。変わったところでは、園芸など、いろんな角度からのアプローチも考えています。そして、入院患者さんはもとより、在宅や通院の方にも利用しやすいような病院をめざしていきたいと思っています。この地域でも高齢化が進んでいて、介護も必要、透析も必要という方が増えています。透析センターを開設した当初から比べると、車いす利用の患者さんはかなり増えています。当院の送迎車も、車いすがたくさん積める車両を増やすなどしながら対応しています。今後もリハビリを通じて地域の課題に貢献していきたいと思います。

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田丸 司 病院長

1989年奈良県立医科大学卒業後、天理よろづ相談所病院にて研修の後、奈良県立医科大学附属病院神経内科でリハビリテーション医長を務める。2004年偕行会リハビリテーション病院副院長を務め、2012年より現職。日本神経学会神経内科専門医。日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医。病棟を明るくするため、幼少期より親しんでいるクラシックギターの演奏をして、患者を和ませている。

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