独立行政法人地域医療機能推進機構 埼玉メディカルセンター
(埼玉県 さいたま市浦和区)
児玉 隆夫 病院長
最終更新日:2026/04/01


「ここですべてを解決できる」そんな存在に
開院から70年以上にわたって地域密着の医療の提供に努めているのが、「埼玉メディカルセンター」だ。現在は、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)のグループ院として、急性期医療を中心に診療を行っている同院。二次救急に対応しているほか、消化器や前立腺のがんに対する低侵襲手術、人工関節、脊椎・脊髄疾患、手外科、尿路結石などには高度な医療の提供をめざし専門の診療部門を設置している。高齢者の入院から在宅療養まで、切れ目のない医療と介護のサービスを提供することにも努めており、地域包括ケア病棟に加え、介護老人保健施設や訪問看護ステーションを併設。さらには、健診や人間ドックを提供する健康管理センターも用意するなど、地域の中核病院として人々の健康に寄り添うことをめざしている。「地域医療支援病院として、地域のかかりつけ医療機関とも連携しながら、地域の皆さまの健康を支えていきたいですね」と話す児玉隆夫病院長に、同院の取り組みについて話を聞いた。(取材日2026年1月6日)
まずは、こちらの病院の概要を教えてください。

当院は、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)の病院です。急性期医療を中心に二次救急を担うほか、内科系と外科系をはじめとする幅広い診療科を備えています。その中で、整形外科の人工関節や手外科、脊椎・脊髄疾患、骨粗しょう症、外科の低侵襲手術、泌尿器科の尿路結石などには専門の診療部門を設置するなど、専門性の高い医療も提供しています。また、地域包括ケア病棟を運用していることに加え、訪問看護ステーションを併設し、近隣には付属介護老人保健施設も運営し、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所も備えています。さらに、健康管理センターでの健康診断や人間ドックを通じた予防医療にも取り組むなど、未病の段階から病気の治療、在宅療養のサポートまで、地域で医療を完結できるよう体制を整えています。地域医療支援病院として、近隣のかかりつけ医療機関とも連携しながら、地域の皆さまの健康を支えていきたいと考えています。
整形外科の診療が充実していると伺いました。

人工関節センターでは、膝と股の関節の人工関節置換術に取り組んでいます。手術のほとんどは、傷が小さく、痛みが少なく、早く回復することがめざせる最小侵襲手術(MIS)で行っています。また、人工関節手術は麻酔が覚めた後の痛みが患者さんの負担になっていました。そこで、疼痛を軽減するための独自のプロトコルを作成し、術後の痛みを0〜10のレベルで毎日数回評価してもらうなどして、その軽減に努めています。ほかに、手外科センターや脊椎・脊髄病センターがあり、やはり低侵襲手術に力を入れています。もう一つが、「骨粗鬆症診断と治療支援部門」です。高齢化に伴い骨粗しょう症も増えていますが、かかりつけの医療機関では、骨密度検査ができなかったり、薬の選択に迷ったりすることもあるようです。当センターでは、骨密度などの検査を行った上で、治療の提案をすることで、かかりつけ医療機関をサポートすることをめざしています。
ほかに力を入れていることについても教えてください。

低侵襲治療部門を開設し、現在は前立腺がんと大腸がんを対象に手術支援ロボットを用いた低侵襲手術に取り組んでいます。胃や肝臓、膵臓などの消化器がんには、おなかの数ヵ所に小さな穴を開けて行う腹腔鏡下手術を、肺がんには胸腔鏡下手術を積極的に実施しています。今後は、ほかの臓器のがんに対するロボット支援下手術の適応拡大もめざしています。泌尿器科の結石センターでは、体内にファイバースコープを入れ、レーザーで結石を砕く治療を行っています。従来の体外から衝撃波で結石を砕く方法よりも精度の高い治療が期待できます。また、放射線治療科では、放射線治療装置を先進のものに更新しました。より高線量の放射線をがんの部分にピンポイントで照射することで、従来と比較して正常組織への被ばくを最小限に抑えることが可能で、回数も少なく高い治療効果が期待できるほか、治療中の患者さんへの身体的な負担も少なくすることが望めます。
病院長として日頃から職員に伝えていることはありますか?

私自身のモットーは、「楽しく安全に仕事をする」です。安全に、という大原則のもとで、とにかく楽しんで仕事をしようというもので、これは私が整形外科の部長に就任した時から言っていることでもあります。私たち職員が楽しく働いていれば、患者さんの治療へのモチベーションも自然と上がると思っています。実際、当院は職場の雰囲気がとても良い病院なんです。看護師の離職率が低く、近隣の看護学校や高校の看護科、大学の看護学部を卒業して入職し、長く働いてくれています。中には、実習から継続して入職してくれるスタッフもいます。理由の一つには、職員間の人間関係がとても良いことがあります。さらに育成プログラムがしっかりしていて、自分の望むキャリアを重ねていきやすいというのもあると思います。今後は、各分野の看護について、より高い専門性を身につけられるよう積極的に支援していきたいと考えています。
最後に読者へメッセージをお願いします。

当院は、病気を見つけて治療へとつなげるところから、急性期医療、地域包括ケア病棟、リハビリテーション、在宅療養の支援まで、「何かあったらここでなんでも解決できる」という存在でありたいと思っています。さいたま市の現在の人口は約135万人ですが、予想では今後10年、20年たっても大きな変動はないそうです。現在のさいたま市は、東京のベッドタウンとして働き盛りや子どもが比較的多いですが、今後は高齢者が増加し、現状ではそれらの方々の健康を支える医療機関が足りなくなります。そんな時代に、当院のように付属の介護老人保健施設や訪問看護ステーションまで持つ存在は、必要とされると思います。今後は、地域のかかりつけの先生方や在宅医療を担う先生方との連携も一層強めていきたいと考えています。また、地域の皆さまとの関係も深めることをめざし月に1回程度、市民公開講座を開催しています。お気軽にご参加いただきたいと思います。

児玉 隆夫 病院長
1985年慶應義塾大学卒業後、同大学医学部整形外科学教室に入局。同大学病院、浦和市立病院(現・さいたま市立病院)、大田原赤十字病院(現・那須赤十字病院)、国立病院機構東埼玉病院、さいたま市立病院などでの勤務を経て、2005年より埼玉社会保険病院(現・JCHO埼玉メディカルセンター)整形外科部長。副院長を経て2024年より現職。日本整形外科学会整形外科専門医。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/4万7300円~





