医療法人 愛風会 さく病院
(福岡県 福岡市博多区)
遠近 裕宣 理事長
最終更新日:2026/02/05


幅広いニーズに対応し、地域医療の架け橋に
1930年の開院以来、「さく病院」は結核患者の受け入れをはじめ、地域のニーズに応え続けてきた。現在は、高齢者の骨折や脳血管疾患などの回復期を担う後方支援病院として、患者の在宅生活への復帰を後押ししている。さらに、在宅介護を担う家族の一時休養のためのレスパイト入院を受け入れているほか、神経難病などの患者の長期療養に対応する障害者施設等一般病棟も備えている。外来診療では地域の「かかりつけ病院」として、内科・外科はもちろん、リハビリテーションや糖尿病など生活習慣病をはじめとした慢性疾患の治療まで、幅広く対応。特にリハビリには注力しており、スタッフや機器を充実させて体制強化を図っている。遠近裕宣理事長は「当院には、後方支援病院として患者さんを地域での生活にお戻しする役割と、さまざまな入院ニーズに応える地域の病院としての役割という2つの使命がある。病気や医療のことだけでなく、介護に関する相談にも真摯に向き合っていきたい」と語る。今回は遠近理事長に、病院が地域で果たすべき使命や診療の特徴について詳しく話を聞いた。(取材日2026年1月13日)
開院から90年以上。地域における病院の役割を教えてください。

当院の周辺には多くの急性期病院があり、その回復期を担う後方支援病院としての立ち位置と考えています。 現在は回復期リハビリテーション病棟88床を備え、急性期病院での治療を終えた患者さんを受け入れ、リハビリなどを通じて在宅復帰を支援することが大きな使命の一つです。また、一般病棟や障害者施設等一般病棟では、地域のクリニックの先生方から紹介された状態の悪化した患者さんや神経難病の方を受け入れているほか、介護者の一時休養のためのレスパイト入院にも積極的に対応するなど、さまざまな医療ニーズに応えています。当院には内科・外科・整形外科・泌尿器科・皮膚科など主要な診療科がそろっており、広く外来診療にも取り組むことで、地域の「かかりつけ医」としての機能も果たしています。これからも地域医療の架け橋として、地域の皆さんに気軽にご利用いただける存在でありたいと考えています。
地域医療の架け橋としては病病連携や病診連携も重要ですね。

当院では急性期病院からのご紹介、クリニックからのご紹介を問わず、可能な限り「断らない受け入れ」をモットーとしています。そのため3人の看護師を専任で配置し、紹介元医療機関との調整や受け入れ可否の判断を迅速に行っています。単に受け入れて終わりではなく、患者さんの病状の経過や治療内容をまとめて各医療機関へフィードバックすることで、継続した医療を支えています。退院後のケアについても、介護施設への入所支援や在宅復帰支援などに、6人のソーシャルワーカーで対応しています。一方でクリニックとの連携も強化しており、博多南部エリアの医療を支援しながら「顔の見える医療体制」の構築を進めています。その一環として医療機器の共同利用にも取り組み、近隣の整形外科クリニックとMRIを共同利用しています。検査データはインターネットを介してすぐに確認でき、紹介元の医師が診断や治療方針の決定に役立てられる体制を整えています。
診療の特徴についてお聞かせください。

回復期医療を担う病院として、リハビリには特に注力しています。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士など約70人を配置し、高齢者に多い整形外科疾患だけでなく、脳血管疾患に対するリハビリにも幅広く対応しています。背景には、認知症を有する高齢者の転倒による骨折や、高齢者の脳血管障害が増加しているという現状があります。また、先進的な医療機器として、微弱な筋電図に合わせて体の動きをサポートするロボットリハビリ機器を導入していることも特徴です。自力では手足を動かすことが難しい患者さんでも、この機器を用いて繰り返し手足を動かすことで、動作の再獲得をめざすことができます。2025年度から稼働しており、急性期直後から慢性期まで、さまざまな段階の患者さんのケアに活用しています。新しい医療機器の活用に加え、従来の理学療法・作業療法などを組み合わせた総合的なリハビリで皆さんの在宅復帰を支えていきたいと考えています。
健診をはじめ予防医療にも力を入れていると伺いました。

当院の近隣には大型商業施設が開業し、新たにオフィスを構える企業も増えるなど、周辺人口は増加傾向にあります。その流れの中で企業健診や各種検診などのニーズの高まりもあり、2021年に健診施設をリニューアルしました。現在は企業健診や特定健診、人間ドック、各種がん検診に対応し、近隣企業や地域住民の皆さんの健康づくりに貢献しています。近年は脳血管疾患の原因にもなり得る糖尿病の患者さんが増えており、糖尿病の教育入院にも対応しています。当院の病院綱領では「健康とは、『よく生き、よく死ぬこと』であり、医学とは、健康を考える学問であり、医療とは、健康を守り、増進する活動である。さく病院は、地域とともに、健康を考え、守り、増進することを目的とする。」と定めています。私自身、この言葉を大切にしており、「当院は地域の皆さんのために、しっかりと取り組み続ける病院でありたい」という思いで日々の診療にあたっています。
最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

当院は後方支援病院として、リハビリなどを通じてお預かりした患者さんを地域での生活にお戻しする役割と、地域の方々にいつでも気軽に受診していただき、必要に応じて入院にも対応する「地域のかかりつけ医」としての役割の、両方を担っています。院内には地域医療連携室を設置し、急性期病院やクリニック、介護・福祉施設など各所との連携を深めています。また、相談室を設け、「介護申請をしたい」「介護施設を探したい」といったご相談も含め、病気や医療だけでなく介護に関するさまざまなお悩みにお応えしています。医療面だけでなく、災害時の避難場所として登録するなど、地域のためにできることには積極的に取り組んでいます。これからも地域の皆さんの健康を末永く守っていけるよう努めてまいりますので、医療や介護のことでお困りの際は、どうぞ気兼ねなくご相談・ご利用ください。

遠近 裕宣 理事長
1985年長崎大学医学部卒業。同大学病院第一外科に入職し、呼吸器疾患を専門に関連病院などで研鑽を積む。1998年からさく病院に勤務し、一般外科を担当。2018年に病院長に就任。2026年1月より理事長を兼任する。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/3万9700円~





