医療法人社団ふけ会 富家千葉病院
(千葉県 千葉市稲毛区)
須賀 晴彦 院長
最終更新日:2025/04/15


患者のされたい医療をともに考える場所へ
千葉市稲毛区にある「富家千葉病院」は、地域に根差した病院として、重度の慢性期医療が必要な患者を幅広く受け入れている。療養病棟、回復期リハビリ病棟、地域包括ケア病棟、障害者病棟を備え、患者が心地良く過ごせる環境づくりに努めている。理念である「されたい医療、されたい看護、されたい介護」のもと、患者が自分らしく生きることを支援し、寄り添う医療を大切にしている。入院中も自宅のような安心感を感じられるよう、スタッフが一丸となってサポート。急性期治療を経てさらなる回復が難しいとされる人や、医療依存度の高い人に対しても積極的に受け入れる体制を整えている。同院を率いる須賀晴彦院長は、やわらかな人柄と温厚な語り口で周囲を和ませてくれるドクター。そんな須賀院長に同院の特徴、取り組みについて話を聞いた。(取材日2024年9月6日)
富家千葉病院とはどのような病院でしょうか?

地域医療に幅広く積極的に取り組んでいる病院で、重度の慢性期医療が必要な患者さまを積極的に受け入れています。決して諦めることなく透析やリハビリテーションなどを行いつつ、医療法人社団ふけ会の理念である「されたい医療、されたい看護、されたい介護」のもと、より良い状態でお過ごしいただけるよう、高い志を持って全スタッフが尽力しております。患者さまもご家族も納得できる医療の在り方を見極め、患者さまそれぞれが、より自分らしく過ごせるよう、お一人お一人の個性や希望に沿った医療やケアをご提供しています。また、5年10年と長期療養されておられる患者さまも多く、病院が第二の自宅、スタッフとは半ば家族のような温かな関係を築いており、患者さまからもご家族からも居心地が良いと評価していただいています。
人工透析の患者さんが多いそうですね。

当院の透析室では、血液透析だけでなく腹膜透析にも対応し、幅広い患者さまのニーズに応えています。大きな特徴は、シャントやカテーテルの手術を含めた、透析に関わるすべての手術や処置を院内で完結することができることです。そのため、治療のスピードや質を保ちながら、患者さまにとって適切な治療を提供することができています。さらに身体拘束抑制ゼロを徹底しており、透析中であっても安心して過ごしてもらえる環境を整え、患者さまの食事や生活面での制限を減らすよう努めています。また、人工呼吸器が必要な患者さまや、認知症を伴う透析患者さまにも積極的に対応しており、患者さまとご家族が安心して治療に臨める寄り添う医療を徹底しています。一人ひとりの患者さまに寄り添いながら、専門的かつ充実した透析医療を提供することに全力を尽くしています。
リハビリにも注力されていると聞きました。

当院は整形外科疾患だけでなく、心臓や呼吸器などの内部障害を併発している患者さまにも対応しています。透析中の患者さまや脳神経疾患、循環器疾患を抱える方にも寄り添い、できる限り身体機能を維持しながら生活の質を守るために全力を尽くしています。基本的に患者さまには1人のスタッフが全領域のリハビリを担当するため個々に適したリハビリプランを構築することが可能です。入院中の療養病棟の患者さまから、将来自宅に戻る患者さま、施設に行く方、趣味を楽しむための動作を回復したい方まで、多様なリハビリメニューを提供し、「あきらめないリハビリ」を貫いています。当院のグループ内にはデイサービス施設や訪問リハビリ施設もあり、退院後も継続してリハビリを行える連携体制が整っています。退院後の生活に向けた橋渡しをすることで、入院中と退院後のリハビリギャップが埋まり、スムーズな在宅復帰を可能にしています。
人工呼吸器か必要な患者さんへの対応について伺います。

人工呼吸器を使用している患者さまも毎週入浴できる機会を設けるなど、「されたい」を追求し、心身のリフレッシュを図っています。看護師、看護補助者、医師、リハビリスタッフが協力し、定期的にカンファレンスを開催することで、患者の「ナラティブ(物語)」に寄り添っています。通常の生活に戻ることは困難な場合も、当院では少しでも可動域を広げるための「あきらめないリハビリ」や、褥瘡などのトラブルを防ぐフットケアに注力しています。医療チームが一丸となり、専門的な知識と経験を生かしながら、患者さまが快適に過ごせるようこまやかな配慮を行っています。病棟は患者さまとご家族にとって信頼できる安全な場所でありたいと考えています。心地良くお過ごしいただけるよう、温かく丁寧なケアを提供し、回復や自立への道をともに歩んでまいります。ご家族の大切な方をお預けいただく際にも安心して任せていただけるよう、全力でサポートいたします。
最後にメッセージをお願いします。

当院では、患者さま、ご家族が自由に書き込む「ナラティブノート」や、患者さまの写真を飾る「物語の階段」などの記録を通して思いを共有しています。入院生活も人生という物語の1ページで、入院で患者さまの物語は止まらないという思いを込めた取り組みです。ぜひご家族で楽しんでいただけたらと思います。急性期の治療後、人工呼吸器が必要な方、リハビリをしたいけれどなかなか対応してくれるところが見つからない方などで、新たな入院・療養先をお探しのときはぜひ気軽にお声がけください。当院では同じグループ内のサービス付き高齢者向け住宅や特別養護老人ホームとも連携しながら、退院後の生活までトータルにサポートしたいと考えていますので、いつでもご相談ください。

須賀 晴彦 院長
1989年帝京大学医学部卒業。2004年に院長就任。スタッフには「仕事は楽しく、いつも笑顔を忘れずに」と呼びかけている。在宅から入院まで多岐にわたり診療。決して断らず「されたい医療・看護・介護」を貫く。信頼が厚く頼れる存在だ。