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医療法人エム・エム会 マッターホルンリハビリテーション病院

(広島県 呉市)

白川 泰山 理事長

最終更新日:2025/06/23

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リハビリ専門病院として、呉の医療に貢献

リハビリに特化し、近隣病院から多数のリハビリ患者の受け入れを行う「医療法人エム・エム会 マッターホルンリハビリテーション病院」。早期からロボット機器を使用した先進的なリハビリを取り入れ、治療スタッフとリハビリスタッフが連携し質にこだわった医療・サポートを提供している。院内には急性期の治療を終えた患者がリハビリを集中的に行う「回復期リハビリ病棟」と、継続的な治療や看護ケアを行う「医療療養病棟」や「介護医療院」を備える。病院の母体である医療法人エム・エム会が運営する居宅介護支援事業、グループホーム事業などと密に連携することで、病院から在宅療養までのシームレスな医療体制も実現。また2026年には新病院の開設を予定している。専門性の向上はもちろんDX化を促進し機能面・設備面も強化し、患者がより快適に過ごせる医療環境を整えていく考えだ。「患者さまが一人で歩いて退院していく姿を見た時に、何よりやりがいを感じる」と話す白川泰山理事長。今回は同院の特徴や、力を入れているというロボットリハビリについて話を聞いた。(取材日2025年1月23日)

こちらの病院の概要や地域での役割について教えてください。

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当病院は1969年に「マッターホルン整形外科」の名称で、私の父が開設したことに端を発します。当初は周辺に病院が少なかったこともあって、救急中心の急性期医療病院としての役割を担っておりました。しかし、その後の時代やニーズの変化もあって、リハビリを専門とした病院として生まれ変わりました。現在は呉医療センター、呉共済病院、中国労災病院より多数の回復期リハビリ患者さまの転院受け入れを行っています。院内には回復期リハビリ病棟37床と医療療養病棟・介護医療院57床を有し、医師や看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士など専門職がチーム一丸となって、脳卒中・交通事故後のリハビリはもちろん、がん患者さまの緩和ケアや看取りも行っています。また同じ法人内の居宅介護支援事業や健康診断事業などと連携し、幅広く地域の健康を支えている点も当院の特徴です。

こちらの病院ではロボットリハビリに注力されているそうですね。

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当院では、早期からロボット支援を導入してまいりました。脳卒中による下肢麻痺の患者さまには、歩行中の股関節および膝関節の動きをアシストするロボットスーツや歩行アシストロボット、脳卒中後の片麻痺の方に対して歩行中のつま先の引っかかりや蹴りだしを改善するための歩行支援装置、脊髄損傷など下半身に障害のある方に対して歩行訓練を支援する装置、さらに脳卒中による麻痺側上肢の関節癒着・拘縮の予防、および関節可動域の改善などを図るための上肢機能訓練ロボットなど、全身を支える大がかりな装置から軽量でコンパクトなものまで、多種多様なロボット機器をそろえています。ほかに、ロボットとは異なりますが、脳卒中後の新たなリハビリテーション手法として、手足などの運動指令を一部機械にやってもらうことで失った運動機能を回復させることを目的としたブレイン・マシン・インターフェースにも取り組んでいます。

患者さんにとってロボットリハビリのメリットは何でしょうか?

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例えば、脳卒中による下半身麻痺の患者さまの訓練では、リハビリスタッフ1人では対応が難しく、2人以上の介助が必要となってきます。運動機能を再獲得するには人を介した動作練習だけでなく、繰り返しの訓練を行う反復練習が不可欠ですから、スタッフ1人分をロボットが補ってくれることで介助量の負担軽減につながり、多くの患者さまにリハビリを行う機会を提供することができます。またロボットによるアシストで正しい動作を反復練習できるため、効率的に正しい動きを獲得しやすくなるといわれています。熟練のリハビリスタッフのようなサポートを行えるため、正しい動作が身につきやすく、日常生活に戻った後も体が疲れにくく、活動範囲を拡大させることにもつながるとされています。またそれぞれの装置はパソコンやタブレットと連動しており、スタッフが個々の患者に応じてこまやかにパーソナルなリハビリ計画を立案できるのもメリットといえます。

スポーツリハビリにも力を注いでおられます。

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当院ではスポーツによるケガからの復帰をめざすリハビリにも力を入れてきました。アスリートへのサポートでは、スポーツ傷害の予防、傷害が起きた後の早期競技復帰、パフォーマンス向上の3つを支えていくことが大切です。そこで当院からトレーナーをスポーツ現場に派遣し、ケガをした人の応急処置やコンディショニング調整、ケガ予防のトレーニング方法やウォーミングアップ方法、クールダウン指導など多岐にわたるサポートを実施しています。野球やアメフト、空手やマラソンなど、さまざまなスポーツ大会へ帯同したり、近隣の学校の部活動に対するサポート・指導を行ったりと、地域のスポーツ事業の拡充にも取り組んできました。院内でも疼痛の軽減に役立つ低侵襲な体外衝撃波治療など、良いと思う治療は常に積極的に導入してきました。スポーツリハビリに限らず、すべての患者さまの退院時の医療成果が最高のものとなるように努めています。

最後に、今後の展望とメッセージをお願いします。

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当院はロボットリハビリだけでなく、飲み込み練習、こまめな口腔内ケアによる誤嚥性肺炎の予防、栄養サポートチーム(NST)による栄養管理の徹底など、さまざまな医療やサポートを総合的に提供し、患者さまが安心して日常復帰できるように努めています。その一方で、専門性の高い医療提供に関しても重要視しており、今後はパフォーマンスを向上させるための動作解析や高地トレーニングなども取り入れた、先進のスポーツリハビリの導入も検討中です。2026年8月には新病院の完成も控えています。リハビリスタッフなどの増員やDX化による受診環境の整備、先進的なマシンの導入、障害のある患者さまの受け入れなども増やし、誰もが安心してリハビリに取り組める環境を整えていきたいです。呉は私が生まれ育った大切な町です。専門性と先進性を兼ね備えた医療サービスをめざし、地域に根差した医療で貢献していければと思います。

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白川 泰山 理事長

1992年広島大学医学部卒業後、同大学病院整形外科に入局。市立八幡浜総合病院、中国労災病院、信原病院、広島県立安芸津病院勤務を経て、2000年マッターホルンリハビリテーション病院を継承。2003年医療法人エム・エム会理事長に就任。時代やニーズに合った質の高い医療をめざし、リハビリ専門の病院に生まれ変わらせ、呉の地域医療に貢献。スポーツ傷害治療やパフォーマンス向上にも注力し、日々の診療に励んでいる。

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