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医療法人慈公会 公平病院

(埼玉県 戸田市)

公平 誠 院長

最終更新日:2024/03/22

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「コミュニティーホスピタル」で地域に貢献

JR埼京線戸田公園・戸田駅が最寄り駅で、中央通りから少し入ったところに位置する「公平病院」。1951年に設立以来、3代、半世紀以上にわたり地域の人々の健康を支えてきた歴史ある病院だ。新型コロナウイルス感染症が流行するさなかには新型コロナウイルス感染症専門病院として入院病床も確保し、同感染症のさまざまな症状に悩む患者に寄り添う医療を提供してきた。「新型コロナウイルスの世界的パンデミックに病院として可能な限り積極的に対応してきましたが、これらを通し、人々のウェルビーイングが失われたことにも気づきました」と、公平誠(こうだいら・まこと)院長。それを取り戻すため、患者一人ひとりの暮らし、思い、価値観に寄り添った地域医療を通して地域住民が必要とする医療提供をめざすべく、「コミュニティーホスピタル」を掲げ、診療に取り組んでいる。「コミュニティーホスピタル」とは何か。地域の病院としての役割とは。「患者、従業員、地域のウェルビーイングをめざす」と熱く語る院長に、これらの思いについて詳しく聞いた。(取材日2023年12月12日)

近年、新型コロナウイルス感染症専門病院として尽力されたとか。

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当院では、2020年4月に新型コロナウイルス感染症の患者さんが発生して以来約4年間、一貫して新型コロナウイルス感染症の診療に注力し、皆で一丸となって対応してまいりました。2021年から2022年にかけ、これまでの44床に加えて駐車場にも新たに22床の病床を配置して、66床すべてを新型コロナウイルス専用の病床とし、地域の中核的な役割を果たしてきました。世界的パンデミックが収まりつつある今、規模が小さい病院なりに、皆で力を合わせて困難に立ち向かうことができるチーム医療ができたこと、それに資する診療のキャパシティーを得られたことについてはとても良かったと思っています。一方で、患者さんの立場に立つと、行動制限などで家族のつながりや社会的な関係性を失ったりなど、「ウェルビーイング」が失われたことに気づかされました。今後、これをどのように取り戻していくのかが当院の一つのテーマだと思っています。

今後のテーマに「コミュニティーホスピタル」を掲げています。

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「コミュニティーホスピタル」とは、シンプルな言葉で表現すると「地域のための病院」ということです。当院は、地域の方々からの具体的なニーズに合わせ、まずはプライマリケアを中心的な業務としながらも、一次救急・二次救急といった救急医療も担っています。また、在宅医療やリハビリテーションも行い、トータルな視点で地域の方々のための病院であろうとする姿そのものが、「コミュニティーホスピタル」の本質だと思っています。「この診療が得意だから」「この手術が得意だから」など専門性に特化するのではなく、「地域の方々をそばで支えるかかりつけ医」というスタンスで向き合うことを大切にしています。当院を利用される患者さんを分析したところ、高齢の方はもちろんのこと、20代から60代くらいの世代の方々も意外と多いことがわかりました。地域のさまざまなニーズにいつでもお応えできるような病院でありたいと思っています。

診療で力を入れていることを教えてください。

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「工場が多い」「スポーツが盛ん」などの地域柄もあり、仕事中や運動の最中にけがをされる方も多いため、救急医療を含めた外科、整形外科、形成外科に加え、糖尿病内科、私の専門である腫瘍内科を柱にプライマリケア全般に力を入れています。また、チーム医療は現在の医療において当たり前になりつつありますが、入院中の患者さんのみならず、外来の患者さんに対してもチーム医療を取り入れています。外来の場合、患者さんの滞在時間は入院患者さんに比べると短いですが、患者さん一人ひとりの情報を立場の異なるスタッフがICT(情報通信技術)を使って把握し共有することで、患者さんの状況に即した治療が実現します。高血圧、糖尿病、脂質異常症など生活習慣が関連する疾患の方には、必要に応じてオンラインによる栄養指導を行うなど、限られた時間とマンパワーの中で患者さんのニーズにできる限り応えていきたいですね。

ご高齢の患者さんに向けて大切にしていることは?

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外来にいらっしゃるご高齢の患者さんに対しては、社会的サポートを心がけています。だんだん体が弱ってきて、そろそろ介護認定が必要になるようなタイミングの前に患者さんにお声がけし、スムーズに介護サービスを受けていただけるようなサポートです。当院には4人のソーシャルワーカーがおり、入院患者さんだけでなく、外来の患者さんにもこのようなこまやかな対応を行うことで、必要に応じてご家族に連絡したり、各機関につなげたりしています。また、戸田市、医師会とも連携し、フレイルが心配な患者さんをスクリーニングし、その方々を市内で高齢者向けの体操やお茶会の開催などの活動を行う団体につなげる活動も始めました。患者さんの社会的孤立を防ぎ、一人でも多くの方が地域で元気に生き生きと暮らしていくお手伝いをしていきたいですね。

最後に、今度の展望について教えてください。

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「コミュニティーホスピタル」をコンセプトに、患者さん、従業員、そして地域全体のウェルビーイングをめざし、自治体との連携、地域活動への積極的参加などを通して地域に開かれた病院にしていきたいと思います。従業員のウェルビーイングについては、今後どんなパンデミックや自然災害が起こっても、地域の方々のためにそのときに必要な医療を提供できるような病院でもありたいですね。当院は、2026年に規模拡大に伴うリニューアル移転を計画しています。患者さんからより信頼していただけるよう、PX(ペイシェントエクスペリエンス)、つまり患者中心の医療を実現するための部署を設け、さまざまな講習を通し、ホスピタリティーを持って患者さんにどう接していくのかをスタッフ全員で学んでいくような取り組みも始めています。これからも、地域のかかりつけ病院として、皆さんとともに真摯に歩んでまいりたいと思います。

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公平 誠 院長

戸田市出身。2004年千葉大学医学部卒業。公益財団法人がん研究会有明病院、国立がん研究センター中央病院に長年勤務し2016年より 現職。地域の患者の多様な医療ニーズに応えるべく、スタッフ育成や自治体との連携などにも力を入れる。専門は内科・腫瘍内科。休日はジムに通い体力づくりにいそしむ。

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