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広島医療生活協同組合 広島共立病院

(広島県 広島市安佐南区)

村田 裕彦 院長

最終更新日:2022/08/25

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総合力と医療連携で地域の命を守る

ファミリー層を中心に人口が増加し続けている広島市安佐南区。広島市のベッドタウンとして機能するこの地域に「広島共立病院」が開院したのは1977年のこと。当時、急性期病院が不足する中で、一刻を争う事態に不安を抱える地域住民の受け皿になるべく設立された同院は、早い段階から病診連携に力を注いできた。今や一つの病院だけで医療を完結できる時代ではなく、「地域の開業医をはじめ、医療機関との連携あってこその当院だと思っています」と、2008年より同院でかじを取る村田裕彦院長は話す。地域の人口増に伴い、急性期医療のニーズが今後も増すことが予想される中、同院は安佐南区で総合的な機能を有する医療機関として、地域内の医療連携をけん引し、各機関と情報を共有しながら医療提供が行えるスタイルを構築。そして今、「救急医療」「リハビリテーション」「緩和ケア」「ヘルスプロモーション」に重点を置き、「患者の人権を守り、安全・安心で信頼される医療を実践する」を医療理念にまい進する。総合力で地域の命を守る病院として取り組む同院の歴史、特色、運営方針などについて村田院長に詳しく聞いた。(取材日2022年7月12日)

まずは病院の成り立ちからお聞かせください。

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開設は1977年です。その背景には、広島市の人口が増加し、農業中心だった地域がベッドタウンへと変化していく中、救急医療施設や病床を備えた病院が少なく、地域の方が不安を抱えながら生活している事情がありました。そこで広島医療生活協同組合が県に働きかけ、当院の開設に至りました。もともと医療資源が乏しいエリアに誕生した病院ですので、当初より地域の多くの方が来院されました。2014年には建物の老朽化や地震などの耐震強度を検討した結果、同じエリアの現在地に新築移転。その後も人口は増加し続け、他の医療機関も増えましたが、いまだにここ安佐南区は医療機関の多い地域ではありません。救急医療については開院以来、一貫して取り組んでまいりました。その一方で地域に必要な医療にも目を向けようということで、「救急医療」に「リハビリテーション」「緩和ケア」「ヘルスプロモーション」を加えた4つの柱を掲げました。

その4つが地域で求められている医療だったのですね。

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はい。まず、この地域にないものということで2004年に総合リハビリテーション部門を開設し、回復期リハビリテーション病棟を造りました。救急医療、リハビリテーションに続き、2014年には新築移転の際に緩和ケア病棟を設けました。人口が多くなればなるほど、がんの患者さんも増加します。がんの急性期治療は専門の病院をご紹介するのですが、積極的治療を望まない方や痛みで苦しまれている方もおられますから、こうした緩和ケアを充実させることが3つ目の課題でした。そして4つ目がヘルスプロモーション、つまり健康増進ですね。これも開院当初から取り組んできたことではあったのですが、2009年には院内に健康増進施設である「メディカルフィットネス共立」を新設。また、2014年の新築を機に健診部門を独立させ健診センターを造りました。そういった経緯から4つの重点課題を掲げるに至ったわけです。

地域における病院の位置づけと役割についても教えてください。

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当院は成り立ちの背景から、急性期医療を担ってきたこともあり、地域医療の拠点という位置づけで、開業医の先生からのご紹介もたくさん受けましたし、今もその役割を担っています。ただ、高齢者が急増し、在宅医療が推奨される中、広島県では2016年に地域医療計画が策定され、地域包括ケアシステムの構築が本格的に開始されました。当院では在宅医療を受けておられる方の入院対応を積極的に行うために、2021年2月に地域包括ケア病棟を開設いたしました。現在、入院患者さんのうち半数以上が、他の医療機関からの紹介であり、入院紹介元の医療機関は100を超えています。この中には地域のクリニックの先生だけでなく、他区の基幹病院も含まれています。当院での精密検査や治療を終えた方は、それぞれ地元のクリニックでの通院治療をお願いしております。

診療の特色やチーム医療についてはいかがでしょう。

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内科には、消化器内科、循環器内科、糖尿病内科、呼吸器内科、脳神経内科、緩和ケア内科などがあり、総合性と専門性を発揮しています。消化器内科は多くの内視鏡検査・治療を実施し、吐血や下血などの急変に対応しています。循環器内科では、狭心症、心筋梗塞の方に、心臓カテーテル検査・治療を積極的に実施。糖尿病内科では、血糖コントロール不良の方の教育入院に取り組んでいます。外科は、消化器や乳腺を中心に、腹腔鏡を用いた低侵襲な手術を心がけています。整形外科は、外傷はもちろん、手や足の慢性的な病気の専門的な手術を実施しています。小児科では入院病床を持ち、感染症を中心とした入院医療を行っています。これらの診療を支えているのが、メディカルスタッフです。多職種からなるサポートチームが積極的に患者さん中心の医療を実践しています。そして、患者さんの抱える社会的な問題の解決に医療ソーシャルワーカーが大きく尽力しています。

最後に今後の展望とメッセージをお願いします。

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当院は地域の皆さまの強い想いによりつくられた病院ですので、皆でさまざまなことに取り組み、問題解決にも努めることを基本姿勢としています。人材育成においても各現場で目標を定めてスキルアップをめざしており、職種別のプログラムを作成して評価を行うシステムも構築しました。そういった各取り組みが医療の質を向上させ、地域の健康を守ること、地域への貢献につながると実感しています。施設は整いましたのでしばらくは新しい分野の開拓よりも、今行っている取り組みの質を高めていきたいと考えています。無差別平等の医療をお届けすることが当院の使命です。入院差額室料は徴収しておりませんし、経済的理由で医療を受けられなくなった方のために無料低額診療事業に基づく制度を設けております。お困りのことがありましたら、医療福祉相談室の医療ソーシャルワーカーが相談に応じます。

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村田 裕彦 院長

1983年鳥取大学医学部卒業。その後、山梨勤労者医療協会での勤務、広島共立病院副院長などを経て、2008年より現職。以来、救急医療・リハビリテーション・緩和ケア・ヘルスプロモーションを4つの重点活動とし、幅広い医療の提供に尽力する。増加の一途をたどる高齢者が安心して過ごせるよう、さまざまな相談窓口の開設や連携体制の構築にも注力。地域医療のさらなる発展に向け、精力的に取り組んでいる。

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