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地方独立行政法人 広島市立病院機構 広島市立広島市民病院

(広島県 広島市中区)

松川 啓義 病院長

最終更新日:2026/03/25

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救急と高度医療の中核拠点

1952年、まだ原爆の爪痕が残る広島市内に設立された「広島市立広島市民病院」は、743床を有する地域の中核病院だ。循環器疾患や脳血管疾患の診療に力を入れるほか、地域がん診療連携拠点病院として低侵襲手術やロボット支援手術を積極的に導入し、がん治療体制の充実を図っている。また地域医療支援病院として、救急医療では一次救急から三次救急まで幅広く受け入れ、広島の救急医療を支える存在となっている。さらに総合周産期母子医療センターでもあることから、ハイリスク妊娠や低出生体重児、先天性疾患のある新生児の治療にも対応するなど、多領域で地域医療を支えている。2025年4月に病院長に就任した松川啓義病院長は「終戦後の医療体制が崩壊寸前となった広島が、先人たちの努力でここまで復興してきた歴史を思うと、当院が担う役割の重みを強く感じます。原爆投下から80年という節目の今、救急医療と高度専門医療を軸に地域の医療機関と連携しながら、広島の医療を未来へとつないでいきたい」と語る。今回は同病院が担うべき役割や特徴、今後の展望などについて松川病院長に詳しい話を聞いた。(取材日2026年2月16日)

御院の地域における役割や特徴についてお聞かせください。

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広島市立広島市民病院は、1952年8月の開設以来、広島の医療を支えてきた基幹病院です。現在は数多くの診療科と743床を有し、地域の中核病院として救急医療と高度で専門的な医療の提供を大きな柱に据えています。重症の患者さんはもちろん、軽症でも緊急性の高い患者さんを受け入れる体制を整え、地域医療の最後の砦となれるよう力を尽くしています。特にがんに対する診療、心疾患などの循環器疾患や脳梗塞をはじめとする脳血管疾患に対する診療は、長年にわたる症例経験や技術の蓄積と専門の医師の集積があり、現在も当院の強みとなっています。救急を除けば多くの患者さんが地域のクリニックからの紹介であり、日頃から病診連携を重視しています。今後も地域医療機関との連携をさらに深め、救急と高度で専門的な医療を軸に、広島の医療を支える中心的な役割を果たしていきたいと考えています。

特に力を入れているという救急医療についてお聞かせください。

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当院では、1977年に指定された救命救急センターと、2006年に開設した救急科による北米型ERの外来を軸に、一次救急から二次・三次救急まで幅広く対応しています。ERでは救急車を使わずに救急科外来を受診されるウォークインの患者さんから、救急搬送される患者さんまで年間を通じて数多く受け入れています。こうした体制の中で特に多いのが循環器系と脳神経系の救急で、循環器内科や心臓血管外科、脳神経内科・外科が中心となり対応しています。循環器領域では心筋梗塞や不整脈に対するカテーテル治療、ハイブリッド手術室を用いた低侵襲治療を実施し、脳血管領域でも脳梗塞に対する血栓回収術など迅速な治療体制を整えています。救急受診後に緊急入院となる患者さんも昨年度2024年4月~2025年3月は5500人を超え、地域の高度急性期医療を担う役割を果たしています。

がん診療にも力を入れているそうですね。

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当院が提供する高度医療の一つが、がん診療です。地域がん診療連携拠点病院として、低侵襲治療と集学的治療に力を入れています。早期の食道がん・胃がん・大腸がんでは内科による内視鏡的切除術を行い、外科では胸腔鏡・腹腔鏡など体への負担が少ない低侵襲手術を積極的に導入しています。中でもロボット支援手術に注力しており、2025年4月の時点で手術支援ロボットを2台体制で運用し、昨年度2024年4月~2025年3月は全領域で513例の手術を実施しました。消化器がんや泌尿器がん、肺がん、子宮がんなど幅広い領域に対応しています。加えて、内視鏡手術やロボット支援手術のスペシャリストが多数在籍し、中四国でも多くの症例に携わっています。また、外来での薬物治療にも力を注ぎ、高精度の放射線治療装置も2台備え、これらを組み合わせた集学的ながん治療を推進。今後は緩和ケアの充実にも力を入れていく考えです。

周産期医療、地域連携にも取り組んでいらっしゃいます。

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周産期医療も当院の大きな柱の一つです。県立広島病院とともに広島県の総合周産期母子医療センターの一翼を担っており、広島の周産期医療の中核施設として機能しています。新生児科では低出生体重児の救命に力を注ぎ、多くの診療科と連携して先天性疾患を含め幅広い小児医療に対応しています。小児循環器疾患ではカテーテル治療においても専門性を発揮。産科ではハイリスク妊娠・分娩に対応し、超緊急帝王切開にも迅速に対応できる体制を整えています。地域連携に関しては、今後はより医療の役割分担が重要になるといわれています。当院だけで医療を完結させるのではなく、日頃から地域の医療機関やかかりつけ医と緊密に連携し、地域完結型の医療が進むよう医療体制の構築にも尽力していかなければなりません。患者さんには安心してかかりつけ医に相談し、必要に応じて当院にご紹介いただければと思います。

今後の展望と地域の方へのメッセージをお願いいたします。

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当院は原爆投下から7年後の1952年8月、広島が医療崩壊に近い状況から復興していく中で開設されました。被爆で多くの医療従事者が犠牲となり、街の医療体制が失われた歴史を思うと、その後70余年にわたり当院が広島の医療の復興と発展とともに歩んできた意味は非常に大きいと感じます。その思いや歴史を次世代へつなぐことはわれわれの使命です。主な取り組みとして救急医療の体制を一層充実させ、がん診療においては低侵襲な治療を推進し、抗がん剤・放射線治療・緩和医療などを組み合わせて全人的な治療を進めていきます。高度急性期医療を強化し、特に循環器や脳神経疾患の診療体制をより高める方針です。再来年度には脳卒中の急性期治療を行うSCU(脳卒中集中治療室)の整備を予定しており、より迅速で専門性の高い治療を行うための準備を進めています。戦後の広島の復興とともに歩んできた歴史と責任を胸に、今後も地域のため貢献していきます。

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松川 啓義 病院長

1990年岡山大学医学部卒業。岡山大学関連病院を中心に消化器がんや腹部救急疾患などの外科治療や集学的治療の経験を重ねる。1996年京都大学医学部附属病院で生体肝移植を学び、その後岡山大学病院などで肝胆膵領域がんや肝移植診療など高度医療に関わる。2008年より広島市立広島市民病院外科勤務、2025年より現職。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医、日本消化器病学会消化器病専門医。

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