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地方独立行政法人 広島市立病院機構 広島市立広島市民病院

(広島県 広島市中区)

秀 道広 病院長

最終更新日:2022/07/28

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743床を有し地域医療を支える中核病院

1952年、まだ原爆の爪痕が残る広島市内に設立された「広島市立広島市民病院」は、743床の病床数を誇る地域の中核病院だ。循環器疾患や脳血管疾患の診療に力を入れ、地域がん診療連携拠点病院としてロボット支援手術による悪性腫瘍の治療にも注力している。また地域医療支援病院として、市内外における内科領域の救急医療も受け入れる。加えて総合周産期母子医療センターでもあることから、未熟児や先天性疾患のある乳児の治療にまで対応。さまざまな領域から地域医療を支えている病院だ。秀道広(ひで・みちひろ)病院長は「患者さんの病気やケガを治療することは市民病院としての使命だが、これからはそれだけにとどまらず、明日の医学、未来の医療を切り拓いていくため研究にも注力していかなければならない。その両輪をもって高度な医療を提供していける病院にしていきたい」と決意を語る。そんな秀病院長に、病院が担うべき役割や特徴、今後の展望などについて詳しく話を聞いた。(取材日2022年6月29日)

県内でも特に規模が大きい病院だと聞きました。

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当院は743床もの病床数があり、先進的かつ高度な医療を担う地域の中核病院です。病院名のとおり市民のための病院として重症の患者さんはもちろん、軽症だけれども急を要する患者さんまで、幅広く受け入れていく役割を担っています。当院は心臓をはじめとした循環器疾患や脳梗塞といった脳血管疾患の診療を強みとしており、歴史的にその領域の医師が多く、患者さんも集まってきたことから、今でも充実している分野となっています。救急を除けば基本的に市中のクリニックからの紹介で患者さんがいらっしゃることがほとんどですので病診連携は力を入れるべきところです。また、病院との連携では、特殊な手術を要する心臓病などでその治療を専門とする医師と設備の整った大学病院にお願いするケースもありますが、当院でほとんどの場合、重症患者であっても診療に対応が可能ですので、主に人材交流や症例の検討会といった側面での連携が色濃く行われています。

基本理念にある患者さんとの“協働”は何を意味するのですか?

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医療はどんどん高度化し、治療の選択肢も増えていますが、患者さん一人ひとりのゴールはさまざまであり、必ずしもすべての患者さんに最先端の治療が必要なわけでもありません。そうした中で私たちがめざすのは、患者さんがその人らしく生きること、その人らしい人生を全うすることのお手伝いです。そして、少し厳しい表現になるかもしれませんが、医療は患者さんやご家族の努力なくしては成り立たない時代になってきています。これまでは病気やケガが治るまで病院に入院するのが当たり前でしたが、わが国の医療はある程度必要な治療や看護が終わった段階でそれぞれの地域に戻り、外来診療を受けながら治療を進めていく仕組みへと変わりました。そのため、当院でも入院前や退院後の支援を行う部署やスタッフを充実させるなど、患者さんが地域へ戻っても継続して治療を続けていけるように、体制を整えています。

中核病院として取り組むがん治療や周産期医療も教えてください。

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がん治療についてはロボット支援手術に注力していますし、今後も機器を導入し地域がん診療連携拠点病院としての役割を強化していきます。また急速に発展している抗がん剤治療に関しては患者さんの数も増加傾向にあります。広島大学病院や、岡山大学病院などのがんゲノム医療中核拠点病院と連携したがん治療も今後は増えてゆくでしょう。当院の特徴である周産期医療に関しては、国際平和都市として命を重んじる広島市の病院として担うべき使命だと感じています。超未熟児の救命と先天性疾患のある新生児への医療には、これからも力を注いでいきます。遺伝的な病気を抱えている場合、長い間病気と戦っていかなければなりませんが、医学の手が及ぶ範囲で積極的にサポートしていきたいと思っています。もちろん困難な側面もあるでしょうが、行政や福祉とも深く連携を取りながらできる限り協力していきたいというのが私の考えです。

救急医療に対しての考えについてお聞かせください。

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当院が担っているのは主に脳血管疾患をはじめとした内科分野の救急ですが、めざすところはどんな患者さんであっても引き受けること。広島市民の皆さんからは「何か困ったことがあったら市民病院に」と期待していただけるよう、これからもその要請には応えていくつもりです。ですが中にはお断りしなければならないケースもあります。一刻を争う心筋梗塞や脳梗塞の救急患者さんのために余力を持たせておかなければならず、軽症の患者さんについてはお断りせざるを得ない場合があります。救急医療は一つの病院だけでは成り立ちません。当院だけですべてに対応するのではなく、まずは一時的に受け入れ処置をした上で関連施設にお送りする体制も整えていきたいと考えています。まだまだ思いどおりというところにまでは達していませんが、より多くの患者さんの受け皿になれるように努力していきます。

最後に、今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

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これからの中核病院は患者さんの病気やケガを治療するだけではなく、明日の医学、未来の医療を切り開いていくために研究分野にも注力していかなければなりません。ですから臨床と研究という2つの側面から高度な医療を提供できる病院をめざしていきます。私は病院長に就任してから3つの目標を掲げました。1つは皆が「生きること」。患者さんの命を生かすのはもちろん、スタッフが生き生きと働ける環境にしたいと思っています。2つ目は皆が「伸びること」。患者さんが元気になって社会で活躍してもらうことはもとより、スタッフが成長して能力を高めることです。そして3つ目は皆が「幸せになること」。誰かが幸せになるために他の誰かが不幸になるというのは間違っていますよね。皆が生き、皆が伸び、皆が豊かで幸せになれるような場所になればと思います。そうして当院を頼っていただいた方々に、来て良かったと思ってもらえる病院になればうれしいですね。

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秀 道広 病院長

広島県出身。1984年に広島大学医学部を卒業。広島大学病院皮膚科に入局し、アメリカやイギリスで皮膚アレルギー、特にじんましんについての研究を行う。以降、広島大学病院皮膚科教授、同大学医学部長や副学長などを歴任し、2021年4月から現職に就く。

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