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医療法人清仁会 水無瀬病院

(大阪府 三島郡島本町)

丸茂 岳 院長

最終更新日:2025/10/24

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地域社会の幸福に貢献する「優しい病院」へ

「水無瀬病院」は1979年の開院以来、島本町の人たちの健康を支えてきた。さまざまなことを気軽に相談できる地域のかかりつけ病院として患者や家族の生活背景などにも思いをはせ、気持ちに寄り添う「優しい病院」であることを大切にしている。多彩な診療科や専門に特化した外来を備え、高齢者に多い骨折や脱水、肺炎、脳梗塞、心不全などのほか腹腔鏡外科手術、関節鏡外科手術、脊椎外科手術なども実施。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が約45人が在籍し、ほぼすべての入院患者にリハビリテーションを提供していることも特色だ。急性期病棟、回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟を備え、安心して生活に戻るまで寄り添う医療を実践している。退院後も入院中の担当医師が継続して外来診療でサポートするほか訪問診療にも対応。グループ内で介護老人保健施設をはじめとする退院後の手厚いサポート体制も整っている。「地域社会の幸福度アップに貢献したい」と語る丸茂岳院長に同院の特徴、2026年5月に開院予定の新病院や「MINASEみらいプロジェクト」と名づけられた新しい取り組みにかける思いについて話を聞いた。(取材日2025年9月2日)

地域における病院の位置づけや役割について教えてください。

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当院は、人口約3万人の島本町において地域医療の中心的役割を担ってきました。始まりは、島本町に地域の医療を支える病院をつくりたいと、46年前に私の父が開設した丸茂外科整形外科病院です。父は時代の変化を見て、介護老人保健施設を早くから開設し、病院内でリハビリテーションのための環境を整えるなど、世の中で必要とされるものを積極的に整備していく姿勢で病院を運営しておりました。その結果、医療法人の中に病院、介護老人保健施設、訪問看護ステーション、訪問リハビリテーション、デイサービスなどがそろっており、当院はそれらと連携しながら医療と介護の両面で社会のニーズに対応しています。私が運営を引き継いでからも、地域医療のあるべき姿を常に考え、医療と介護を一体的に提供して地域の方々の生活を支えることをめざしてきました。

「優しい病院」を目標に掲げておられます。

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患者さんの疾患をちゃんと治す、効率良く治すという、いわば「正しさ」が医療の根本にあると思います。医学という学問に基づいて、エビデンスのある正しい学問的知識を診療に応用していくのが医療の基本です。しかし、それだけでは立ち行かない場合もあります。医学的に正しいことが、必ずしも患者さんやご家族の幸せや満足につながらないということですね。「正しさ」を大事にしながら、患者さんやご家族に対する優しさ、相手の気持ちを思いやる「優しさ」を基本理念に据えることで、新しい病院の姿や在り方を具体化できるのではないかと考えています。患者さん、ご家族と接点を持つすべてのスタッフには、「優しい病院」をめざす姿勢をきちんと理解してもらうとともに、「優しさ」を後押しできるような人事評価制度を導入することも決まっています。助け合いの精神を存分に発揮して、おせっかいなぐらいの「優しい病院」をめざしてほしいです。

診療科の特徴について教えてください。

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身近なかかりつけ病院としては、各診療科の得意分野を大事にしながらも、全人的な医療の提供が大切だと考えています。診療の中心になるのは内科、外科、整形外科です。内科には幅広い疾患に対応できる働き盛りの医師3人が在籍し、かかりつけ機能を充実させているのが特徴です。外科、整形外科についても、専門的な医療を提供する一方で、患者さんの訴えにきちんと耳を傾ける姿勢が大切だと考えています。200床以下の病院なので紹介状なしで受診でき、選定療養費も不要です。急性期で入院された場合は、早期からリハビリテーションに取り組むことができ、また地域包括ケア病棟と回復期リハビリテーション病棟も用意しているため、転院せずに必要な期間退院に向けた訓練や準備を行えます。退院後も執刀医や主治医が外来での診療を担当しており、ずっと寄り添うのが基本姿勢です。さらに、通院が困難な状態の方のために訪問診療を積極的に提供しています。

地域との連携にも力を入れておられます。

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困っている方と、その方に寄り添っている方々に、当院をもっとご利用いただけるよう、これまで病院や診療所といった医療機関が中心となっていた連携のための取り組みを、介護施設やケアマネジャー、訪問看護の事業所などにも広げました。「何かあったらお待ちしています」という姿勢ではなく、病院から手を差し出すアウトリーチ的な取り組みを実践しているのが特徴です。看護副部長が地域ポートセンターのセンター長を務め、ダイレクトコールの携帯電話番号を記載した名刺を介護関係者などに配って、気軽に相談しやすい体制を整えています。ほかにも、ソーシャルワーカーやケアマネジャーの資格を持つスタッフが在籍して、さまざまなサポートを提供しています。より主体的な行動として、地域の集会場や公民館などで、医師と看護師とリハビリテーションスタッフ、管理栄養士が出張して行う、在宅療養支援講座も計画しているところです。

2026年5月には新病院に移転されるそうですね。

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来年の新築移転に伴い、「MINASE みらいプロジェクト」と題した取り組みの中で病院の理念もアップデートしました。地域の方々がもっと人生を楽しみ、心身ともに健やかに暮らしていただける、幸福度の高いライフコミュニティーを実現することを法人の理念に据え、より積極的、主体的に地域の方々をどうやって幸せにできるかを考えていきたいと思っています。現在、島本町では小学校の教室が不足する心配が出るほど子育て世代が地域から流入しており、新病院では小児科の外来診療を開始します。また、地域にメンタルクリニックが不足している状況を踏まえ、精神神経科の外来診療も開始しました。これからの地域医療で頼りになるのは、どんな相談にも乗れる身近なかかりつけ病院だと自負しています。本当に困っている人、健康でいたいと考える人を支えるために、急性期医療から予防や健康相談まで幅広く対応できる病院をめざしていきます。

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丸茂 岳 院長

2003年旭川医科大学卒業。大学時代にはスキーに熱中し、スキー検定1級を持つ腕前。京都大学医学部附属病院、静岡県立総合病院、市立舞鶴市民病院、福井赤十字病院、彦根市立病院などで急性期医療を中心に脳外科医としての研鑽を積み、2013年より水無瀬病院で診療を開始。2016年より現職。医師としてのモットーは「For the Patient(患者のために)」。週末は小学生から高校生まで3人の子どもと遊ぶ。

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