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医療法人寿山会 喜馬病院

(大阪府 東大阪市)

熊野 公束 理事長

最終更新日:2025/01/16

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ワンストップで必要な医療を提供する

1953年の開設以来、地域住民の健康を見守り、患者のニーズに合わせて進化し続けてきた「喜馬病院」。急性期を担う医療機関の一つとして、積極的に救急を受け入れるとともに、回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟を有し、ケアミックス型病院として幅広く地域住民の健康を支えてきた。病院機能の分化が進む中で急性期の専門的治療にも注力し、中でも高解像のハイビジョンビデオカメラシステムによる腹腔鏡手術や膝関節手術などに力を入れ、患者にとって負担の少ない治療を追求。また、早くから医療と介護と福祉の複合体の重要性を唱えて入居型介護施設を建設するなど、介護や福祉にも手を差し伸べて、必要な医療をワンストップで行うための体制づくりを進めている。近年では、今後さらに必要性が高まる救急体制の強化やICT導入を進め、住民がもっと安心して暮らせる社会をめざしたいという同院。そんな同院の診療の特徴や取り組みについて、熊野公束理事長に詳しく話を聞いた。(取材日2024年7月25日)

病院の成り立ちについてお聞かせください。

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当院は1953年に開業した地域密着科型のコミュニティー病院です。もともとは今の理事長である喜馬通博先生のお父さまが診療所としてスタートし、住民の方のニーズに合わせて入院施設を整え、労災保険指定病院や救急告示病院などの認定を受け、今の喜馬病院のかたちをつくってまいりました。2006年には以前から病院があった同じ場所に、今の新しい病棟が建ち、昨年には創立70周年を迎えることができました。地域貢献を何よりの目的として掲げる当院では、「何かあったら相談できる所」をめざして、日々前進しております。同じ法人内には病院以外にも、通所リハビリテーション施設や介護老人保健施設といった福祉施設などもあり、ICTを活用して情報共有し、ワンストップで地域住民の皆さまが安心して暮らせる町を支えています。これからも地域の皆さまの健康管理に尽力し、最大限の力をもって役割を果たしていきたいと思っています。

病院の特徴について教えてください。

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まずは二次救急病院として東大阪市の急性期医療を支える役割を担っています。毎月多くの救急搬送を受け入れ、外科や整形外科などで行う手術件数は2022年4月~2023年3月の実績は773件と、数多くの急性期疾患を受け入れています。一般病棟43床、回復期リハビリテーション病棟43床、地域包括ケア病棟37床の合計123病床を有し、治療から集中的リハビリテーションの提供、在宅復帰支援まで行うケアミックス型病院として、患者さんの状態に合わせた治療を行っています。また、退院後の生活支援を行う在宅診療部門があるのも当院の強みです。せっかく退院できても、その後の生活が不安という患者さんは多いものです。スムーズな退院支援を行うばかりでなく、在宅診療部門の医師は当院直属の医師ですから、何かあれば他の診療科や院内スタッフとの橋渡しとなり、密なコミュニケーションを図りながらフォローアップすることも可能です。

こちらの病院では、腹腔鏡手術に力を入れているそうですね。

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2006年に腹腔鏡を用いた手術を専門とする「内視鏡外科部門」を立ち上げました。私が当院に来た2008年以来、外科医師2人体制で胆石症、鼠径ヘルニア、胃や大腸の悪性腫瘍、急性腹症など幅広く対応しています。腹腔鏡の手術の特徴は、何より患者さんの負担が少ないことです。手術痕が小さく、術後も早い回復が期待できます。中でも総胆管結石は、総胆管の結石を取った後に胆嚢を摘出してと、手術を2回に分けて実施されることが一般的ですが、当院では患者さんの負担を考え、1回の手術で完了するように取り組んでいます。しかしこうした手術は、入院日数の短縮を図れる一方で、術者に高い専門性と技術が必要であることは言うまでもありません。当院では技術を認められた医師のみが手術を行い、安全性の高い治療の提供をめざしています。ほかの医療機関からの紹介で来院される患者さんにも多数対応しています。

ほかに注力されている診療は何でしょう?

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整形外科です。診療体制の充実を目的に、2020年4月から関西医科大学の整形外科教室のご協力で、2人の医師に赴任いただきました。中でも外傷と膝などの変性疾患に注力し、実績を伸ばしつつあります。手術に抵抗がある人もいるでしょうが、医師が思う最善の治療を無理に勧めるのではなく、一時的な疼痛の緩和や短期での退院を望まれる軽症の方に対する関節鏡視下手術から、根本的治療をめざしたい方のための人工膝関節置換術まで、患者さんのライフスタイルや希望に沿った提案を心がけています。また、術後のリハビリテーションにも注力しており、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などセラピストを50人近く配置し、365日稼働しています。病院近くのラボではリハビリテーションに関する動作解析や研究・発表を行い、患者さんの早期退院や在宅復帰に役立つような、先進のリハビリテーションを追求しています。

最後に、今後の展望と読者の方へメッセージをお願いします。

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高齢化による救急医療へのニーズの高まりに対応し、当院では2024年4月から医師を3人増員しました。救急現場では当番制を敷いて治療までのタイムラグを減らす取り組みも行っており、その結果、救急患者受け入れ数は年々増加しています。また、患者さんがいつでも医療に関してご相談できる場所をと、外来窓口の横に地域連携室のブースを設けています。治療に通っている方でなくても、医療の相談はもちろん、介護や福祉についても気軽にご相談いただけます。また「何の病気かわからない」といったときも地域連携室に行けば看護師が必要な診療科をご案内いたします。気軽に足を運べる身近な存在であることが当院の良いところでもあります。大きな病院では手術待機も長いと聞きますが、当院ではできる限り速やかな手術をめざしており、他の医療機関からご紹介されて来る患者さんも大勢います。これからも地域に医療で貢献してまいります。

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熊野 公束 理事長

1990年滋賀医科大学卒業。同大学第二外科や赤穂市民病院外科勤務、メルボルン大学留学を経て、2002年滋賀医科大学大学院博士課程を修了。内視鏡外科手術(腹腔鏡手術)において数多くの手術を執刀し、研鑽を積む。2008年喜馬病院に赴任し、2017年より現職。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医。日本内視鏡外科学会評議員、近畿外科学会評議員。

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