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医療法人藤井会 石切生喜病院

(大阪府 東大阪市)

平田 一人 病院長

最終更新日:2025/10/31

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東大阪エリアの急性期医療を担う中核病院

1982年、東大阪市枚岡地区で開院した「石切生喜病院」。地域の期待と支援を背景に病棟や診療科を順次拡充し、中規模急性期病院へと発展した。急性期医療の中核として中河内医療圏の二次救急を担い、地域住民の安心を支える同院は、「困ったときの石切さん」の愛称で親しまれている。平田一人病院長は、内科、呼吸器科を専門に、大阪市立大学医学部附属病院の病院長を経て、2022年同院に着任。ロボット支援手術や低侵襲な内視鏡による「手術」、外科、薬物、放射線治療による「包括的がん診療」の充実、心臓ホットライン、脳卒中ホットラインなども活用した「救急医療」の3つを柱に、病院をけん引している。さらに、リハビリテーション、婦人科、透析の分野にも強みを持ち、着実に実績を積み上げている。「地域の安心と信頼の砦」として、先進医療機器の導入や診療体制の充実に取り組む同院。掲げる理念は「生きる喜びを共感し合える医療機関」。その背景にある思いや地域における病院の役割について平田病院長に話を聞いた。(取材日2025年9月17日)

病院の成り立ちと理念、地域での役割について伺います。

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当院は、1982年7月に開院。1990年代から2000年代にかけて病棟や診療科を順次増設し、中河内地区の二次救急医療を担う急性期医療の中核病院として発展してきました。基本理念は「生きる喜びを共感し合える医療機関」をめざすこと。その実現に向けて、必要な時にいつでも高度医療を受けられる体制づくりを使命と考え、日々努力を続けています。当院の立地は、大阪市に隣接し人口が多いエリアにあるため、急性期医療へのニーズは非常に高く、さらに高齢化の進展により、より柔軟で高度な医療が求められています。そのため、ハードとソフトの両面で医療体制を拡充し、幅広い診療科で急性期医療に対応しています。中でも柱としているのは「救急」「手術」「がん診療」の3分野です。各診療科には各分野に精通した医師をそろえ、安心して受診いただける体制を整えるとともに、地域のキーワードである「高齢者」にも優しい医療を推進しています。

注力する診療について教えてください。

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当院の3つの柱の一つである「救急」では、心臓ホットライン・脳卒中ホットラインを設置し、24時間365日体制で救急患者さんを受け入れています。「手術」については、開院当初から心臓血管外科を設けるなど、外科系に強みを持つ病院です。心臓血管外科と循環器内科が連携し、透析患者さんの手術も実績を重ねてきました。また、先進のロボット支援手術を導入し、体への負担を抑えつつ精密で早期回復を図る手術を実施し、特に前立腺、婦人科、消化器の手術において豊富な実績があります。消化器疾患は患者数が非常に多いため、専門の医師をそろえた消化器内視鏡部門を設置しています。加えて、整形外科領域では、患者数の増加に対応し、低侵襲な顕微鏡下手術や脊椎手術を行える体制を整えています。「がん診療」においては、薬物療法や手術に加え、リニアックと呼ばれる放射線治療装置を用いた治療にも対応。包括的ながん診療を提供しています。

さまざまな部門も設置されていますね。

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循環器内科と心臓外科において大学病院から専門家を招き、薬物治療や手術、カテーテル治療に積極的に取り組んできました。高齢者が手術後、少しでも早く元気になっていただくためにはリハビリテーションが必要と考え、2024年に心臓リハビリテーション部門を立ち上げました。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などのスタッフが多く在籍し、これまで整形外科や脳疾患後のリハビリに注力してきました。その経験を心臓リハビリにも生かしています。この地域には透析施設が多く、当院においても人工透析部門を設けています。臨床工学技士の負担を減らすために、電子媒体を導入しました。さらに、腎臓内科が中心となって、腎臓機能低下を早期に発見し、人工透析にまで至らない段階で行う「教育入院」にも力を入れています。他にも呼吸器部門、PET部門、放射線部門などを設置し、多様な医療ニーズに応えています。

地域連携にはどのように取り組まれていらっしゃるのですか?

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病診連携においては、顔の見える関係づくりとスムーズな連携をめざして、地域のクリニックの先生方をお招きし、「石切地域病院連携の会」を年に3回ほど定期的に開催しています。症例数発表や講演、意見交換会を通じた情報共有が行われ、地域の医療機関連携の活性化に一役買っています。クリニックの先生方と直接お会いして、相手の表情を見ながら、ご意見を伺うことで、病診連携を進めていくスタンスです。また、地域医療連携、入退院支援を行う患者支援部門を設け、病状に応じた適切な医療機関または介護施設への紹介、転院相談や訪問看護事業者への紹介、地域医療機関からの検査予約など、地域の診療所や多職種との間で、柔軟かつ円滑な情報共有、連携の窓口として機能しています。病病連携については、前職の大学病院をはじめ、さまざまなつながりを通じて十分な医師派遣を受け、充実した診療体制を整えることができています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお聞かせください。

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今後は、救急や手術の応需率をさらに高めたいと考えています。手術に関しては、現在1台で稼働している手術支援ロボットを2台体制へと拡充したいですね。また、病気の早期発見・早期治療に欠かせない検診の充実を図るため、東大阪市周辺の自治体にも協力をお願いしているところです。乳がん検診では痛みの少ないマンモグラフィを導入し、胃の検査については内視鏡による診断も活用し、精密で患者さんの負担を軽減した検診を実践しています。各診療科には専門の医師がそろい、検診で何らかの問題が見つかった場合も、スピード感をもって治療に対応できます。本当の意味での早期発見、早期治療が実践できる検診の提供に努めていきたいですね。当院は「人は宝」と考え、ワンチームで患者さんを支えています。高齢者にも優しい治療を進め、安心して「困ったときの石切さん」として頼っていただける病院であり続けたいと思います。

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平田 一人 病院長

1978年大阪市立大学医学部卒業。1983年大阪市立大学大学院医学研究科内科学第一修了後、カナダ・シャーブルック大学医学部薬理教室博士研究員として活躍。2006年より大阪市立大学医学研究科呼吸器内科学教授。大阪市立大学医学部附属病院副院長、同病院病院長、大阪市立大学理事、同大学名誉教授を歴任し、2022年より現職。医学博士、日本呼吸器学会呼吸器専門医。

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