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医療法人宝持会 池田病院

(大阪府 東大阪市)

池田 秀一 理事長

最終更新日:2022/07/11

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患者に寄り添う「自己完結型の医療」を重視

「池田病院」は近鉄奈良線・八戸ノ里駅から南へ10分ほど、商業施設や住宅が集まる一画にある。緑豊かなロータリー、ブラウンのタイルで統一された建物など「オンリーワン」の気持ちを大事にしてきた同院らしい外観だ。初代理事長が1983年に地域医療への貢献を掲げて診療をスタートし、内科や外科、整形外科を中心に質の高い一般診療を行うとともに救急搬送も受け入れ、最近では新型コロナウイルス感染症の治療やワクチン接種にも積極的に対応。またリハビリテーションを中核とした回復期医療を充実させ、予防や急性期医療から時には最期まで患者に寄り添う「自己完結型の医療」に取り組んでいる。2代目となる池田秀一理事長は回復・慢性期医療の充実に注力し、また多忙な中でも1人の医師として患者・家族と丁寧に向き合う診療を実践している。長きにわたって同院をけん引する池田理事長に、同院が現在行っている特色ある診療内容や、「自己完結型」医療への思いを詳しく聞いた。(取材日2022年5月19日)

最初に、病院の歩みと現在の診療内容をご紹介ください。

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当院は初代理事長である私の父が1983年に今の場所で開設し、地域に密着した病院として診療を続けてきました。内科や外科、整形外科を中心とした診療体制があり、夜は午後8時まで夜診も行っていますので、近隣の方には困った時に気軽に頼っていただけます。診療時間内は救急搬送も積極的に受け入れています。それから2008年には回復期リハビリテーション病棟を開設し、当院で急性期治療を受けた患者さんや、他の病院を退院したものの日常生活に戻るには不安があるという患者さんを積極的に受け入れています。ご本人が納得できるまでリハビリを行い、在宅復帰や施設への入所へとつなげますし、症状が悪化すれば再び当院で治療を行い、お看取りすることもあります。いわゆる「がん難民」といわれる患者さんや、新型コロナウイルス感染症後に体力が落ちてしまった高齢患者さんなど、行き場を探してお困りの方のサポートにも力を入れています。

リハビリテーションや看取りなども大事にされるのはなぜですか?

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高齢化が進んだ現在では、90代でも治療をすればリハビリテーションで生活復帰をめざすのが一般的ですし、病院でのリハビリと、在宅医療や施設での介護とが相互に連携し合うシステムが不可欠です。また、私自身は患者さんやご家族と丁寧に向き合いたいと考えていて、治療を行った患者さんが入院中に最期を迎えられる場合には、お看取りにも必ず立ち会います。実は、大学卒業後の実習で最初に回ったのが血液内科で、当時は白血病などで若くして亡くなる患者さんが少なくありませんでした。患者さんのご無念やご家族の悲しみに接する中で、最後まで責任を持って説明や治療を行うのが医師のせめてもの務めであり、特に残されるご家族にとって大きな意味を持つことを学んだのです。「ここで治療を受けられて良かった」、「最期はこの病院で看取ってほしい」という思いをしっかりと受け止め、対応したいと考えています。

整形外科や外科では専門的な手術も行っているそうですね。

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整形外科では肩や手首、腿の付け根の骨折の手術症例が多いです。手術はできるだけ早期に行い、早期のリハビリテーションを心がけています。また、人工関節の手術も数多く行っています。当院の強みは手術件数だけではなく、回復期リハビリテーション病棟を利用し退院までリハビリができ、退院後もグループ内の在宅サービスを利用するケアプランを提供できることです。脊椎の手術に関しては、脊椎を専門とする医師が在籍しており、頸椎椎弓形成術や腰椎椎体内固定術など専門性が必要な手術も多数行っています。整形外科は体制が充実しており、コロナ禍でも多くの救急患者さまを受け入れてきました。外科は腹部外科が中心。数年前に近畿大学医学部の関連病院になり、消化器がんを中心に腹腔鏡手術を積極的に行っています。近年、予定手術だけでなく急性腹症に対する緊急手術にも腹腔鏡手術を取り入れ、安心・安全・低浸襲な手術、術後管理をめざしています。

他の部門でも独自の取り組みがあるそうですね。

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放射線科が24時間体制で稼働しており、緊急手術や時間外の救急搬送でもCTやMRIがすぐに撮れることは、大きなメリットになっています。また放射線科の医師は日本医学放射線学会の放射線科専門医であり、画像診断も実施しています。撮影中に気がかりな所見があれば追加の撮影を行って適切な診断につなげますし、当初の検査部位に加え、描出されるほかの部位についても確認を行っており、地域の先生方からも厚い信頼が寄せられています。それから、乳腺疾患に特化した外来を設け、乳腺を専門とする女性医師や放射線技師がマンモグラフィを担当しています。手術が必要であれば市立東大阪医療センターへお願いしますが、術後のサポートは当院でも対応できます。東大阪市の乳がん検診も行っていますので、安心してご利用いただきたいですね。

今後の展望をお聞かせください。

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当院および法人内の関連施設にはおよそ500人の医療職や職員が勤務していますが、昔から部署間の風通しが良く、また各職種が意欲的に動いてくれています。例えば整形外科疾患で入院した高齢患者さんに対して、栄養部門から先に「栄養指導に入りましょうか」と主治医に打診がある、といった具合です。高齢患者さんでは合併症も多く、整形外科疾患であっても服薬や食事にはさまざまな配慮が必要になるのです。今後は在宅医療により力を入れていく必要があると考えていますが、職種や部署間のスムーズな連携や意欲的な姿勢は、大きな力になると期待しています。健康増進から急性期医療、リハビリ、在宅医療や介護施設との連携、そして必要時にはお看取りまで、これからも地域の方が必要とされる医療を誠実に提供していきたいですし、関連施設とともにオリジナリティーある医療を展開し、地域において「オンリーワン」の病院をめざしていきたいと思います。

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池田 秀一 理事長

1994年東海大学医学部卒業。東海大学病院医局へ入局し、国立病院機構箱根病院医長などを経て2005年に池田病院へ入職。回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟の立ち上げに関わる。2018年より理事長を務める。専門は整形外科だが、現在は早朝の救急対応も含め、広く一般診療を行う。同法人内のフィットネスで体を鍛えるのが日課。日本整形外科学会整形外科専門医。

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