医療法人啓明会 相原病院
(大阪府 箕面市)
相原 智彦 理事長
最終更新日:2025/01/21
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人工関節と乳がんを専門に先進的治療を実践
「相原病院」は、整形外科・リハビリテーション科を軸とした人工関節センターと、乳腺外科が主体となるブレストセンターの2専門領域に特化した専門病院。1974年の開設以来、地域のニーズに合わせて発展してきた同院は、2つの専門領域に加えて、糖尿病内科、循環器内科など超高齢社会に必須の内科的疾患の診療も行っている。日本乳癌学会の理事(外科)である相原智彦理事長と、先進の手術により全国から見学者を集める相原雅治院長をはじめとした、豊富な経験を積んだ各分野を専門とする医師が、小回りの利く病院規模を生かし、医療スタッフならびに事務部門と協働して、患者一人ひとりに丁寧に寄り添い、最善の治療の選択・提供を心がけている同院。相原智彦理事長に、人工関節センター・ブレストセンターをはじめ、同院の特色や今後の展望などを聞いた。(取材日2024年11月20日)
病院の成り立ちや現在の地域での役割を教えてください。
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私の父であり、現会長である相原正雄が実弟とともに1974年に開設しました。当時このエリアには病院がなく、地域の方々のお役に立ちたいとの思いから、外科と整形外科の専門病院としてスタートしたのが始まりです。増床や新築移転などを経て、現在は乳腺外科が主体となるブレストセンター、整形外科・リハビリテーション科による人工関節センターという2つの領域を特徴とする専門病院として高度かつ先進的な医療の提供に努めています。加えて、超高齢社会では複数の疾患を持つことも少なくないことから多くの方に対応できる糖尿病内科や内分泌・代謝内科、循環器内科などの診療も行っています。さらに当院で乳がんと診断・治療を受けられた方のために腫瘍精神科も開設し、精神的なサポートも行っています。
乳腺外科、ブレストセンターの特徴はどんなところにありますか?
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常勤・非常勤合わせて3人の日本乳癌学会乳腺専門医が、専門病院だからこそできるこまやかな配慮のもと、患者さん一人ひとりに丁寧に、その方にとって最善の治療に努めているのが特徴です。対応する疾患は主に乳がんです。当院のある箕面市に加え池田市、豊能町の検診から、精密検査・診断、手術、化学療法まで一貫して提供しています。乳房再建手術にも早期から取り組み、高度な技術を持つ日本形成外科学会形成外科専門医による先進の乳房再建を行っています。近年は患者さんにとって心身の負担が少ない温存手術である「オンコプラスティックサージャリー」にも対応し、がんを取り除きつつも乳房の変形や凹みを抑えることをめざして治療を行っているのが特色です。また非常勤医師が在宅医療に関わっていることから、病気が進行しご自宅での療養を希望される方に対してのサポートや、緩和医療までシームレスに対応しています。
どのような患者支援の取り組みを行っているのでしょうか。
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患者さんにとって乳がんの診断・手術は、多くの心理的負担を伴います。そこで当院では2023年からベテランの日本精神神経学会精神科専門医を擁する腫瘍精神科を立ち上げ、通院・入院している患者さんを対象に診療を行っています。精神科や心療内科は予約が取りづらく、初診に至るまで数ヵ月かかることも珍しくありません。しかし心が苦しいのは「今」であり、患者さんはタイムリーなフォローを必要としているのです。当院では精神的なサポートが必要なすべての方がすぐに診察を受けられるよう体制を整えています。また当院には2人の日本看護協会がん看護専門看護師をはじめ、乳腺外科に特化して経験を積んだ看護師が数多く在籍し、手厚いケアを行っているのも当院の強みといえます。またがん看護専門看護師による定期的な治療やケアに関する院内勉強会を開くなど、スタッフ教育にも力を注いでいます。
人工関節センターについても教えてください。
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2人の日本整形外科学会整形外科専門医が中心となって運営している人工関節センターは、股関節・膝関節手術を中心にこの規模の病院ではかなり多いと言える数の手術に対応してきており、2023年1月~12月の間では225件を行いました。人工関節手術では筋肉や軟部組織への侵襲を最小限に抑えたMISと呼ばれる手法を使い、術後の早期の回復をめざします。特に相原雅治院長が手がける股関節のMIS手術は全国から見学者が訪れるほどで、他の医師に技術指導を行うスキルを持つ医師が執刀していることが強みです。またスポーツ整形外科にも力を入れており、膝の内視鏡手術なども積極的に取り組むほか、大阪大学医学部附属病院のスポーツ整形外科チームと連携して手術を実施しているのも特徴の一つです。またリハビリテーションも患者一人ひとりに合ったプログラムを組み術後早期から始め、退院後も外来で引き続き提供しています。
今後の展望と地域住民の方へのメッセージをお願いします。
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現在、当院で行っている治療の質をより高くしていくという目標とともに、日本乳癌学会理事という立場から診療ガイドラインの整備や、地域はもちろん全国の乳がん診療のレベル向上をめざして積極的に取り組んでいきます。東京や大阪など乳がんを専門とする医師が充実している大都市と同様の医療を国内どこでも受けられるよう、医療の均てん化を進め、より質の高い乳がん治療を全国に広めていきたいですね。また人工関節部門は、指導的立場にある医師による低侵襲手術を多く手がけています。糖尿病内科、内分泌・代謝内科、循環器内科については、乳腺外科や整形外科で通院中の方もそうでない方も、すべての方に受診いただけます。各分野を専門とする医師が、高度な医療を提供すべく、患者さんお一人お一人に丁寧に対応していますので、ぜひ安心して受診してください。
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相原 智彦 理事長
1991年大阪大学医学部卒業。大阪府立成人病センター(現・大阪国際がんセンター)外科で乳がん・消化器がん・肺がん診療に携わる。大阪大学医学部大学院で博士号取得後、関西労災病院外科を経て2009年に入職し、現在は医療法人啓明会理事長。実弟の相原雅治院長とともに高度専門医療で地域貢献をめざす。日本乳癌学会理事、日本乳癌学会乳腺専門医、日本外科学会外科専門医、箕面市医師会理事。