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一般財団法人大阪府結核予防会 大阪複十字病院

(大阪府 寝屋川市)

小牟田 清 総長

最終更新日:2022/01/13

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呼吸器疾患に特化した、地域密着型病院

学研都市線の寝屋川公園駅からメイン通りを歩いて約5分、シックで真新しい建物の「一般財団法人大阪府結核予防会 大阪複十字病院」が見える。1976年の開設以来、結核をはじめとした呼吸器疾患全般に対応してきた同院は、2021年に移転。名称も新しくリニューアルを行った。院内は広く、白と青を基調として明るく清潔感にあふれる。陰圧のコントロール、病室のゾーニングなど、感染症を専門とする病院だからこその特徴を生かした設備のほか、今回のリニューアルでは、人間ドックや検診設備を建物2階に集約した健診分野を開設し、病気の予防と早期発見にも努めている。「医は仁術。心の通った治療をすることが重要」と話すのは、総長を務める小牟田清先生。整形外科疾患、リウマチ、リハビリテーションなど地域ニーズの高い治療に力を注ぐことはもちろん、近隣の医療機関との連携を深めて、住民のトータルな健康管理に貢献する地域包括ケアにも尽力する。今回は同病院の特徴的な診療や今後の展望について話を聞いた。(取材日2021年11月16日)

移転し、名称も新しく「大阪複十字病院」とされたそうですね。

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当病院は、1940年に結核予防会大阪支部が創設され、1954年に結核予防会付属療養所として開設されたところから始まります。1976年に付属療養所を廃止し大阪病院となり、2013年には病院名を「一般財団法人大阪府結核予防会大阪病院」に変更しました。病院となって45年目の節目に、さらなる医療の質とサービスの向上を図るため、2021年7月1日から学研都市線の寝屋川公園駅からほど近い場所に移転し、名称も「大阪複十字病院」と改めました。当病院の柱は広域対応の結核感染症医療でありますが、これから新たな歴史を街の発展とともに刻んでいくため、結核や呼吸器疾患だけでなく、150病床と9つの診療科を生かしながら、幅広く医療レベルを向上させて、地域住民の皆さまに必要とされる病院として推進していきたいと思います。

具体的には、どのようなことに取り組んでいこうとお考えですか?

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今回の移転は、寝屋川市の街づくり計画の一環として誘致された経緯があります。高齢化に対応するため、当病院には総合病院でありながら、地域住民全体の健康を支えていく「かかりつけ医」としての役割が求められており、今後はこの地域内で完結できる医療の提供をめざしていきます。呼吸器疾患、免疫アレルギー疾患、整形外科疾患を中心に専門性を高めることはもちろん、リウマチや包括的呼吸リハビリテーション、人工膝関節手術といった分野では、さまざまな職種がチームを組んで医療支援する仕組みの充実を図っていきます。さらに、大阪大学や関西医科大学、地域の訪問看護ステーションや介護施設との連携を深め、先端ICTの活用やデジタル化を加速させることで、他院の専門性の高い医師による手術やオンライン診療を可能にしたり、在宅でも常に患者さんの状態を把握できるようにするなど、より質の良い医療の実現をめざしていきたいと考えています。

特に力を入れている診療分野はありますか?

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やはり、結核を軸とした呼吸器疾患です。昔に比べ結核患者数は大きく減少したことから、他院では病棟を閉鎖していくところも多いですが、それでも大阪の罹患率は高く、残念なことに世界的にみても多い地域の上位になっています。また、結核は感染症ですので、治療における対策に知識と経験、設備が必要になります。骨結核など難治症例に発展することもあり、それらに対応できる高いレベルの人材や医療設備の確保は、結核予防会に端を発する当病院の使命であると思っています。また、もう1つ注力しているのは、予防です。新病院建設の際には、同じ法人内に依田矢橋の大阪府結核予防会大阪総合健診センターのノウハウを生かして検診施設を建てました。すべて2階で完結して外来患者と交差しない造りになっているほか、寝屋川市・交野市・四条畷市・枚方市と多くの方を受け入れてもスムーズに短時間で精度の良い検査をめざせるような施設に整えられています。

ほかに、病院設備ではどういったところにこだわりましたか?

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一般外来と感染症の外来の患者さんが交わることがないよう別の動線を確保しています。感染症の外来では、陰圧の外来を設けており、発熱時の外来にも対応できるようにしています。病棟では、結核病床とは別に感染症に対応する陰圧個室6床を設置。手術室は2室あり、1室は人工関節置換手術などに対応するクラス1000のバイオクリーンルーム、もう1室は感染症を合併した患者さんに対応するための陰圧を切り替えられる手術室になっています。気圧のコントロールや病室のゾーニング、職員教育など、あらゆる方法で入念な感染症対策を行って安全性への配慮をしています。また、検査機器に関して、被ばく量の少ないCT、1.5テスラMRI、骨密度測定器など先進の機器を導入しているほか、外国人の患者さんの受け入れも積極的に行っており、英語・中国語バージョンの喀痰採取方法の検査レクチャー動画や新型コロナウイルスの予防接種にも対応しています。

今後の展望と読者の方へメッセージをお願いします。

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コロナ禍が時代を大きく加速させて、デジタル化が進みました。誰もが当たり前にスマホを使い、病院でもリモート診療、AIを駆使した診断技術向上、XRの医療への応用など急速に進展しています。当病院も時代に遅れることなく、呼吸器疾患では、関西のみならず西日本の中心となる病院となり、今まで以上に後進の育成にも努めていきたいと思っています。また、大阪大学や関西医科大学など大型総合病院との一層の連携、地域のクリニックや介護施設などとの横のつながりを強化し、地域のリーディングホスピタルとして、患者さんがいつまでも安心して過ごしていくことができる街づくりを実行していきたいと思います。そのためにも、まずは職員に信頼してもらえる病院に育て、地域の皆さんにも「ここで治療を受けたい」「自分の家族を診てもらいたい」と愛される病院にすることが大事だと思っています。何かあれば、いつでもご相談にお越しください。

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小牟田 清 総長

1981年関西医科大学卒業後、大阪大学呼吸器グループに所属し、大阪逓信病院第二内科医長となる。1998年大阪警察病院へ転勤、呼吸器内科を創設し、副院長・呼吸器内科部長として勤務。2019年第二大阪警察病院院長となり、2021年4月から現職。呼吸器疾患、特に肺がん化学治療を専門として長年研究している。医学博士。日本呼吸器学会呼吸器専門医。日本肺癌学会特別会員。日本クリニカルパス学会評議員。

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