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社会医療法人栄公会 佐野記念病院

(大阪府 泉佐野市)

中村 卓 理事長

最終更新日:2025/08/04

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地域を支える整形外科医療の拠点

大阪府泉佐野市で地域医療を支える「佐野記念病院」は、整形外科、脳外科を中心に専門的な医療を提供する地域密着型の病院だ。整形外科は肩、膝、股関節、手の外科、脊椎など多岐にわたる専門分野を有しつつ、幅広い整形疾患に柔軟に対応できる体制が整っている。救急外傷にも力を入れ、「断らない医療」を掲げて地域医療に寄与。高齢者の大腿骨近位部骨折などの急性疾患に対し、経験豊富な医師が手術を担当することで、良質な医療を提供し早期回復をめざしている。また理学療法士・作業療法士と連携し、認知症患者を含む高齢者へのリハビリテーションや認知症ケアにも注力。さらにケアミックス型病院として、術後すぐに回復期リハビリへ移行できるスムーズな流れも特徴だ。人工関節手術の実績も豊富で、ナビゲーションシステムによる低侵襲な手術を行い、患者負担の軽減にも力点を置く。理事長の中村卓(なかむら・すぐる)先生は「ケガ、疾患を起こしても、患者さまのADLを低下させることなくご自宅に帰すことが私たちの目標」と話す。そんな中村理事長に、同病院の特徴や取り組みについて話を聞いた。(取材日2025年6月17日)

病院の成り立ちと地域における役割についてお聞かせください。

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当病院は1973年に大阪府泉佐野市で「佐野整形外科病院」として開設されました。創業の原点は1958年、和歌山市での祖父による開業にさかのぼります。祖父から父へと続き、整形外科を中心とした救急医療で長年地域に貢献してきました。1989年には「佐野記念病院」と改称し、新たに脳神経外科、リハビリテーション科、内科などを加え、診療体制を強化してまいりました。また同じ法人内で介護老人保健施設やデイケア、デイサービス、訪問看護、グループホームといった福祉サービスにも力を入れ、地域の皆さまにスムーズな医療や介護の提供ができるよう取り組んできました。救急医療では二次救急を担い「断らない救急」をスローガンに、2024年4月から2025年3月までの救急搬送受け入れは2000件を超え、年々増加しています。泉州地域の皆さまが健康に安心して暮らしていける一助になればという思いで、スタッフ一同、誠心誠意努めています。

基本理念やその取り組みについてお聞かせください。

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法人全体で掲げているミッションが「地域の健康寿命延伸への貢献」です。特に関節疾患・骨折・脳卒中の予防と治療が健康寿命に大きく関わるため、整形外科・脳神経外科領域に注力しています。総合的支援が重要と内科やリハビリテーション科も含めた体制を整備。24時間365日体制での救急対応や夜診も行い、地域の急性期医療を支えています。また発症後はできる限り早期に手術とリハビリを行うことが、ADLの低下を防ぎ早期の日常復帰につながるとの考えから、急性期では10日、回復期では30日以下での退院を目標に取り組んでいます。さらに血管内治療が可能な血管撮影装置、MRI、CT、無菌空調を備えた手術室など先進機器を導入し、高度かつ安全性に配慮した医療の提供に努めています。これらの取り組みを通じて、生存寿命と健康寿命のギャップを縮め、住み慣れた地域で自立した生活を長く続けられる社会の実現をめざしています。

整形外科では多様な専門性を持つ医師が在籍しているそうですね。

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はい。10人ほどの医師が在籍し、膝・股関節・肩関節・手の外科・脊椎・スポーツ整形など幅広い専門分野をカバーしています。専門性を生かした治療を提供しつつ、幅広い症状に柔軟に対応できる点が当院の強みです。泉州地域では肩関節や手の外科を専門とする医師が常駐する病院が多くはないため、特に専門性が求められる症例において地域のニーズに応えられているのではないでしょうか。また増加傾向にある人工関節手術では、「ナビゲーションシステム」を活用。さらに筋肉へのダメージを抑えた手術を実施し、10日から2週間での早期退院を可能としています。とはいえ、手術に抵抗がある患者さまも多くいらっしゃいます。同じ関節疾患でも症状や生活背景はさまざまですから、まずは手術を前提とせず、リハビリテーションや投薬といった保存療法から提案するなど、患者さま一人ひとりに寄り添った診療を重要視しています。

リハビリテーション部をはじめとした院内連携も教えてください。

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リハビリテーション部には約80人のスタッフが在籍しています。「攻めるリハビリ」をテーマに、肩・脳神経・手の外科・運動器・脊椎など各専門分野に特化したスタッフがチームを組み、良質なリハビリを実施しています。またケアミックス型病院の特性を生かし、急性期から回復期へのスムーズな移行もめざせます。理学療法士はもちろん、作業療法士も経験豊富で、手の外科や脳外科領域では特に専門的なリハビリを展開しています。救急患者さまには認知症を患われている方も多いため、作業療法士が中心となって生活リズムを整える支援を行い、入院中からの認知症ケアにも力を入れています。これによりADLの維持・向上を図り、退院の早期化にもつなげています。また内科は外来診療は限定的ながらも病棟全体の管理を担い、高齢者の併存疾患に対応しています。手術前後の全身管理を可能とする体制で、整形外科治療の安全性と質の向上に寄与している部門です。

今後の展望と、地域の方へメッセージをお願いします。

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今後は、これまでどおり救急対応を継続しながら、整形外科の中でも特に専門性の求められる脊椎と人工関節の分野において、より先進的な医療の提供をめざしたいと考えています。人工関節分野においては、2025年度中にはロボットアシストによる人工関節手術を導入予定です。脊椎手術分野についても昨年より体制を強化し、さらに多様で安全性を追求した手術体制の構築を図ってまいります。病院全体ではDXによる業務効率化を進め、患者さまがより安心でき受診しやすい病院をめざす方針です。当病院は地域の先生方からの紹介はもちろん、どなたでも気軽に受診できる「地域のかかりつけ医」としての役割も担っています。95床という規模だからこそ、職員間の連携がスムーズで、患者さまに対しても温かく丁寧な対応が可能です。24時間365日体制で、困ったときにはいつでも頼れる存在であり続けることで、安心と信頼の医療を提供し続けてまいります。

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中村 卓 理事長

2009年滋賀医科大学卒業後、大阪労災病院にて初期研修。大阪市立総合医療センター、阪堺病院などで研鑽を積み、2015年より大阪市立大学(現・大阪公立大学)大学院に進学し、膝軟骨の研究に取り組む。再び大阪労災病院での勤務を経て、2022年より佐野記念病院に着任。2024年より現職。専門は関節疾患と骨折手術で、現在も現場に立ち、整形外科医療の向上に努めている。日本整形外科学会整形外科専門医。医学博士。

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