医療法人 徳洲会 八尾徳洲会総合病院
(大阪府 八尾市)
原田 博雅 病院長
最終更新日:2026/02/17


地域に根差して「断らない医療」を実現
1978年に開院して以来、地域の救急、急性期医療を担ってきた「八尾徳洲会総合病院」。2009年には同市若松町に新築移転し、さらに2026年にかけて本館の改装と新館の建設が進められている。長い歴史を通して「断らない医療」をモットーに掲げ、24時間・365日体制の救急医療を展開。長年救急医療の最後の砦となるべく数多くの救急搬送を受け入れ地域を支えてきた。また、豊富な診療科で幅広い領域をカバーし、より多くの疾患に高度な専門性の高い医療で応えている。2014年より病院長を務める原田博雅先生に、同院が力を入れている救急医療や各診療科の特色や強み、新病院の特徴、今後の展望などについて話を聞いた。(取材日2025年11月7日)
病院の歴史と地域で果たしている役割について伺います。

当院は1978年7月1日八尾市久宝寺に開院し、2009年に現在ある若草町に移転しました。「たらい回し」という言葉がありますが、開院当時の1970年代や1980年代は、救急患者の受け入れ拒否が非常に多い時代でした。どこも診ることができない救急患者を受け入れることが、われわれ徳洲会の原点であり存在理由でもあります。「生命だけは平等だ」との徳洲会理念のもと、開院以来45年以上にわたり救急医療を柱に地域に根差してやってきました。そして、できる限り幅広い分野に対応できるよう豊富な診療科を持ち、多くの症例実績を持つことも当院の強みとなっています。さらにもう一つの隠れた柱が、開院した直後から連綿と若い医師たちを集めて教育を行ってきたこと。当院は大学病院ではできない、地域医療を担わないといけないという考えから、地域に根差した次世代の医療を担う人を育てることに注力していることも私たちの特徴です。
注力している救急、集中治療科について教えてください。

われわれの柱である救急医療は、年間数多くの救急搬送を受け入れています。八尾市を中心とする中河内地域、大阪市、奈良県北西部など広範囲をフォローして、患者さんの命をお預かりしています。しかしキャパシティーの問題で要請がありながらもお断りせざるを得ない場面や、特に新型コロナウイルスの流行期には非常に難しい局面が多々あり苦労した経験がありました。われわれは「断らない医療」をめざしているわけですから、さらなる救急の充実が必要と考えました。そこで現在進めている増改築に際しては、救急医療の拡充を柱に実施。ICUは8床から20床へと、HCUも20床から30床へと増床し、これらはすでに運用を開始しています。さらには手術室を8室から10室に増設予定です。ほかにも、感染症対応病棟の新設も予定しており、重症患者への対応能力向上を図っていきます。
循環器内科、外科、内科についてはいかがでしょうか?

循環器内科についてはスタッフを増員し、より充実した体制を整備しました。専門性を要する症例も含め、カテーテル治療を中心に診療を展開しています。さらに今年より不整脈治療としてアブレーション治療も開始し、治療の幅も広がっています。数はさほど多くありませんが、今後増やしていく予定で、それに伴いカテーテル室を増設し、3つのカテーテル室で運用していきます。外科に関しては、がんの治療にも力を入れており、食道・胃・大腸などのがん治療を多数行っています。腹腔鏡手術やロボット支援手術による低侵襲手術に取り組み、2種類の手術支援ロボットを活用して、患者さんの負担軽減に努めています。一方、内科に関しては、病院の入院患者の半分が内科系の疾患を抱えているものの、そこを十分にカバーしきれていないところが課題です。今後解決に積極的に取り組んでいくことが必要だと考えています。
離島やへき地への医療サポートも行っていると伺いました。

当院では、日常的に離島・へき地医療への応援を行っています。離島・へき地では、医療ニーズはあるものの総じて医療資源に乏しいのが実情です。現在、当院では鹿児島県の徳之島や奄美大島を中心に、離島の人たちの治療・手術をするなど応援診療に取り組み、今後も継続していく考えです。もともと当院には、自分から率先して物事に取り組む積極性に優れた医師がそろっていますが、こうした活動を経てさらに主体性が高まり、いい循環になっているのではないかと思っています。また周りの医師やスタッフたちにも良い刺激を与えて、チーム全体に影響を与えているようにも感じています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

われわれの大きな柱は地域に根差した医療を展開していくこと。ですから今後の病院全体の展望としては、今まで取り組んできた地域医療をさらに発展させていくことだと考えます。まずは当院の原点でもあり存在理由でもある「断らない医療」を展開していきたいですね。読者の皆さんへのメッセージとしては、「困ったときは徳洲会」と捉えていただき、何かあって困った時には当院を選んでいただけるような病院づくりを進めていきたいと思っています。ちなみに、病院の増改築にあたっては外来ブースも改装し、よりスムーズな検査・診療が可能となりました。また、医療従事者に関しても、さまざまな専門性を持ったスタッフたちが、やりがいを持って楽しく働ける環境づくりにも力を入れていきたいと考えています。

原田 博雅 病院長
1982年に徳島大学医学部を卒業し、八尾徳洲会総合病院に入職。その後、大阪府立羽曳野病院呼吸器内科勤務を経て、1987年にはスタンフォード大学メディカルセンターでリサーチフェローを務める。帰国後は八尾徳洲会総合病院で内科医として従事し、2014年に病院長に就任。現在に至る。モットーは病気ではなく患者全体を見ること。





