八尾はぁとふる病院
(大阪府 八尾市)
阪根 寛 院長
最終更新日:2023/08/08
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その人がその人らしい人生を全うするために
近鉄大阪線久宝寺口駅から15分、中央環状線沿いに開院する「八尾はぁとふる病院」。医療法人はぁとふるの一翼を担う病院として、リハビリを実践的に行うことを目的に1996年に前院から継承した。今の場所へ新築移転したのは、2002年。移転を機にさらなるリハビリ機能の充実をめざし適時病床機能の再編を行ってきた。近隣の急性期病院や地域の介護施設、ケアマネジャーとも連携し、多くの患者を受け入れている。注力しているのはリハビリ。運動器疾患はもちろん、脳血管疾患の人へのリハビリも、経験豊富なリハビリスタッフが医師の指示のもとで行う。「私たちは、その人がその人らしく自分の人生を全うすることをWarm Heart・Cool Head・Beautiful Handsで支援します」を理念に掲げ、病院スタッフ全員が職種の垣根を越え、力を合わせて心温かな医療を届けている。ここで2015年から院長を務める阪根寛先生に、病院のめざす方向、注力している心臓リハビリについてなど、さまざまな角度から聞いた。(取材日2023年4月27日)
病院の成り立ちと地域における役割から伺います。
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当院は、理事長の島田永和が運営する「はぁとふるグループ」のリハビリ専門病院です。かねてより「整形外科の急性期だけでなく、リハビリをする施設を作りたい」との強い思いを持っていまして、その実践のために1996年に開設されました。その後、2002年にこちらへ新築移転し現在は2階を地域包括ケア病棟、3階を回復期リハビリ病棟とし、通所リハビリ・訪問リハビリ、外来リハビリ、訪問診療、通所介護、居宅サービスなどの在宅機能も充実させながら運営しています。利用される方は近隣の総合病院で急性期治療を終え転院されてくる方、また近くにお住まいで一時的に入院が必要となった方の受け皿としての役割も担っています。グループ理念のもと、病院スタッフが一丸となり“地域の元気”をサポートさせていただいております。
病院として最も注力されていることは、何ですか?
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リハビリの充実です。病気であってもケガであっても、手術をして「はい終わり」では良い結果は得られません。患者さんは治療が終われば社会へと復帰され、ご自身が思い描く生活の実現をめざして歩まれます。その復帰への流れをスムーズにするためにも、その方に合った、質の高いリハビリは不可欠だと私たちは考えます。そのため当院には看護師よりも多い人数の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が在籍し、医師と一緒に練り上げたオーダーメイドなリハビリを提供しています。訪問リハビリにおいても退院後、訪問リハビリ開始までの日数が平均2日という短さで実施。また、急性期病院や近隣クリニックからご紹介の患者さんを紹介元にお返しする際には、回復状態がひと目でわかるオリジナルの経過報告書をお渡しするなど、すべての患者さんがその人らしい人生を全うしていただくお手伝いを、真摯に続けております。
心臓リハビリも始められたそうですね。
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心臓リハビリは心臓に持病のある方や、心臓の手術をされた方に向けたリハビリです。心不全などの心臓の病気を経験した方は、不安もあり安静に生活される方が多く、運動なんてもってのほかと思われがちですが、そうではありません。治療後の体力を回復したり、前向きな気持ちを取り戻したり、再発予防の方法を学び、実践するためにも実は運動療法が有用なのです。心肺運動負荷試験が行える機器も導入しており、その方に合ったプログラム作成が可能です。約1時間のリハビリ中は循環器内科専門の医師、理学療法士とともに、準備体操、有酸素運動、筋力トレーニングをゆっくりと行っていきます。患者さんの身体状況に合った機器を選択しますので、歩行が不安定な方も参加可能です。心臓に不安を抱えていらっしゃる方はぜひご参加いただきたいですね。当院の2023年度に注力する重要事業活動の一つに位置づけております。
入職の経緯や病院への思いも伺います。
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入職するまでの20年間は、病院長を拝命した泉佐野で24時間オンコール、1日数件の整形外科手術を行う、という多忙な日々を送っていました。島田理事長とは専門が同じで、私がまだ右も左もわからない頃から、手術のいろはを教えていただいたこともあり、ご縁を感じています。若い時分は私も、手術で患者さんを救いたいと考えていました。多くが外傷患者さんだったので自分で手術をして、経過を見届け、おうちに帰すのが普通でした。当院は脳血管や脊髄・脳神経系の病気で障がいが残る患者さんも多くいらっしゃり、今までとの違いに最初はショックを受けました。ですが、リハビリを通して、障がいを抱えていても自宅に戻れる状態をめざすことが可能とわかり、「社会復帰までサポートする場所」という当院の役割が腑に落ちました。今では、患者さんのレベルを上げられるようなサポートを、スタッフと一緒に行えることに喜びを感じています。
地域へのメッセージと病院の将来の展望をお願いします。
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2020年からの3年間はCovid-19の影響が大きく、リハビリが主体なのはもちろんですが常に感染対策や予防が隣り合わせとなり、少し後ろ向きな状況であったかもしれません。しかしこの難しい状況をスタッフとともに乗り越えた経験を生かし、今まで以上に地域の方々に貢献していくことをお約束いたします。当院は急性期の病院からはもちろん、介護施設やケアマネジャーさんからのご依頼による患者さんの受け入れも積極的に行っております。骨折や急な体調不良で一時的に在宅生活が困難になられた方の受け入れ体制を、常に整えておりますので気軽に相談いただきたいですね。またこの超高齢化社会に対応していくため、今後は訪問診療にもさらに力を入れてまいります。これからも、その人らしさを大切にし、一番住み慣れた、最も望む場所で過ごしていただけるように、精一杯お手伝いさせていただきます。
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阪根 寛 院長
川崎医科大学卒業。1985年大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部附属病院整形外科へ入局。さまざまな関連病院で技術を磨き、研鑽を積む。その後、社会医療法人栄公会佐野記念病院の院長となり、多忙な日々を送る。2015年、八尾はぁとふる病院へ入職し院長となる。