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医療法人毅峰会 吉田病院

(大阪府 枚方市)

吉田 直正 理事長

最終更新日:2023/03/30

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患者ニーズに応える顔の見える地域密着病院

1970年開設の吉田外科病院を前身とする「吉田病院」は、24時間対応で救急患者を受け入れる急性期病院。地域住民のニーズに細かに応える医療をモットーとして、各診療科の医師の充実に努め、診療の幅を広げてきた歴史を持つ。現在は、外科をはじめ泌尿器科、循環器内科、腎臓内科、血管外科、整形外科などを有し、訪問診療にも対応。58床と小規模ながら、外科手術を強みとし、泌尿器科では接触式レーザー前立腺蒸散術(CVP)や腹腔鏡下手術など先進的な設備や治療法を積極的に導入している。透析医療にも取り組み、現在は法人グループ内のクリニックと連携して患者に負担の少ない透析治療に注力。さらに介護老人保健施設の運営など、時代や社会の変化に対応した地域包括ケアをめざしている。開設者である父の姿を見て育ち、その思いを受け継いだ理事長の吉田直正先生に、病院のこれまでの歩みや現在力を入れている診療、先進的な医療に対する考えについて語ってもらった。(取材日2023年2月7日)

病院の歴史や特徴について教えてください。

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当院は、大阪万博が開催された1970年に父・吉田毅が開設した「吉田外科病院」を母体としています。大学病院の外科で研鑽を積んだ後、大阪府堺市の整形外科クリニックに住み込みで働いていた経験を持つ父は、今でいう「かかりつけ医」のような医療を地域に提供しており、整形外科のことを学びながら、往診など患者さんのさまざまな要望に応えていたそうです。そのような経験を経て開設された吉田外科病院は、その名のとおり外科がメインの個人病院。かつて外科・整形外科の症例に十分に対応できる医療機関が充実していなかった枚方エリアにおいて、開設当初より24時間365日の診療体制を敷いてきました。1994年に改称して「吉田病院」となり、2004年には大学病院の外科から現院長の実弟が、2006年には泌尿器科の私がそれぞれ入職し、力を合わせて現在の体制を築いてきました。2009年には建物の老朽化に伴い新病院を設立しています。

特に力を入れている診療科、治療について教えてください。

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私の専門とする泌尿器科では、脳梗塞や心筋梗塞など既往症がある方でも服薬をやめずに受けられる前立腺肥大症のレーザー治療「光選択的前立腺蒸散術(PVP)」に約7年前から取り組み、現在ではより多くのメリットが期待できる「接触式レーザー前立腺蒸散術(CVP)」を導入しています。これはレーザー照射により前立腺の肥大部分を蒸散させることで尿路の確保をめざす術式で、PVPと比べて出血が少ないとされるCVPは、蒸散効率が良く手術時間の短縮につながるなど、患者さんにとっても医師・看護師にとっても、さまざまな面で負担の少ない手術方法です。このほか、尿管結石では体への負担が少ない体外衝撃波を用いた治療や、内視鏡で確認しながら腎臓まで届くやわらかい管を使ってレーザーで結石を砕く治療も行っています。また弟である吉田和正院長が専門の外科では、腹腔鏡下手術のスペシャリストを迎え、手術件数が急増しています。

人工透析や地域包括ケアは法人を挙げて注力しているそうですね。

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腎不全の患者さんも別病院に移ることなく、通い慣れた当院で治療を受けていただきたいという思いから、当初は5床から透析治療をスタートさせ、今ではシャント手術も含め、当院内で完結できる透析治療を提供しています。また、社会の高齢化が進む中、透析を必要とする患者さんの多くが心臓の病気など循環器疾患を抱えておられるため、当院では循環器内科も設置して緊急時にも素早く対応できるよう体制を整えています。当院が所属する医療法人毅峰会には、同医療圏内に地域包括ケア病棟を有する病院や透析クリニックがあり、病態や通院のしやすさなど患者さんの状況に応じて対応するなど互いに連携しています。地域包括ケアに関しては、在宅医療など地域のニーズにきめ細かに対応することは地域密着型病院の大切な役割です。近年は病院が母体であるメリットを最大限に生かし、介護老人保健施設、24時間対応の特別養護老人ホームの運営にも取り組んでいます。

設備の充実や新しい治療法の導入などにも積極的です。

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かつて前立腺がんは手術できない病気でしたが、開腹手術ができるようになり、腹腔鏡下手術も開発されました。もちろんこうした医療の進歩は泌尿器科に限ったことではなく、すべての分野で同様に見られる進化で、私自身は今後どのように医療が進んでいくのか純粋に興味があります。当院は58床という規模の病院のため、導入できる機器・治療は限られていますが、新しい医療機器や知識・技術が出てくるたびに勉強を重ね、その習得に努めています。高度医療は大学病院など専門の医療機関にお任せすることにはなりますが、患者さんのニーズに加え社会情勢や医療に対する意識の変化に応えながら、当院でできる範囲を今より一つでもレベルアップさせていくことが目標ですね。循環器内科では、動脈硬化が進行した際に見られる冠動脈の石灰化部分を削って取り除くロータブレーター治療も、近いうちにスタートさせたいと考えています。

最後に、地域の方々にメッセージをお願いします。

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決して良い子ではなかった幼少時代から私を知ってくださっている患者さんが、今ご高齢となって病院にご来院くださっています。「立派になったなあ」とお声がけいただいたり、「お父さんには世話になったんだよ」と父の話を聞いたりする機会も多く、本当にありがたく感じるとともに、「地域密着」を肌でしっかりと感じることができています。「地域密着」は言葉にすれば簡単ですが、本当の意味で実現するのはなかなか難しいもの。しかし、当院では距離の近い“face to face”の医療で地域に貢献できていると私は考えています。これまでのスタンスは崩さずに堅実に、一方で手の届く範囲とはなりますが高度医療の導入を常に考えていきたい。そして次の世代になっても、患者さんにうれしい言葉をかけていただけるような病院であり続けるために、これからも兄弟で、そしてスタッフと力を合わせて頑張っていこうと思っています。

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吉田 直正 理事長

大阪府堺市出身。創設者である吉田毅初代院長の長男として生まれ、住居を兼ねた病院で日々患者の治療に取り組む父の姿を見て育つ。1991年高知医科大学(現・高知大学医学部)卒業後、大阪市立大学医学部附属病院などを経て、2006年より現職。専門は泌尿器科、腎臓内科。がん治療にも精通し、さまざまな症例に対応している。日本泌尿器科学会泌尿器科専門医、日本透析医学会透析専門医、日本腎臓学会腎臓専門医。医学博士。

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