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パナソニック健康保険組合 松下記念病院

(大阪府 守口市)

村田 博昭 病院長

最終更新日:2024/03/28

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救急医療とがん診療を軸に地域医療を支える

「パナソニック健康保険組合 松下記念病院」は、2020年に開院80周年を迎え、地域住民にとってなくてはならない急性期病院の一つとなっている。同院は「最高の医療と、患者さまに満足していただける安全な医療を提供する」ため、「ホスピタリティ、チームワーク、コミュニケーション」をスローガンに掲げ、地域の医療ニーズに応え続けることを使命として病院変革に取り組んでいる。地域の医療機関と連携しながら、救急医療を提供する「地域医療支援病院」の機能と、がんの集学的治療を行う機能を備えている。心臓疾患、腎疾患、消化器系疾患、生活習慣病などの内科診療や、高い専門性を持った外科診療など幅広く診療対応できる体制を整えている。さらに手術支援ロボット、PET-CTなどの先進的な専門性の高い医療機器の導入にも積極的に取り組んでいる。また、縦割りではない多職種での「チーム医療」を積極的に取り入れ、患者に合わせた治療計画を立てることで、一人ひとりに寄り添った診療を心がけているのだそう。今回は同院の歩みや診療内容、その特長などを村田博昭病院長に詳しく聞いた。(取材日2020年12月24日/情報更新日2024年3月15日)

病院の成り立ちと歴史について、お話しください。

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当院は、1940年に事業主の創業者、松下幸之助氏の発意によって従業員とご家族の疾病対策を目的に設立されました。その後、1953年に健康保険組合に運営が移管されてからは、創業者の「地域社会へのお役立ちがたいへん重要である」という思いから地域住民の皆さまにも広く開かれた病院となりました。今では患者さまのほとんどが、守口市をはじめとする北河内医療圏の方となっています。創業者ご自身があまり丈夫ではなかったことや、ご家族を病気で亡くされた経験もあり、「地域には医療を通して社会貢献したい」という強い思いがあったと聞いています。その後、1986年に現在の地に移転した際に「松下記念病院」に改称しました。事業主が2008年に社名を変更してからも、「松下記念病院」の名前を残すことで創業者の思いを継承し、地域へのお役立ちを第一義の理念としています。

地域医療支援病院の役割も担っているのですね。

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守口市には自治体病院がないこともあり、当院は「地域医療支援病院」として市民病院的な役割を担っています。特に救急医療への取り組みに関しては、地域住民の命や健康を守るために積極的に対応しており、中でも中高齢者の急変や外傷は多く、心臓疾患・腎疾患・消化器系疾患・生活習慣病などの内科診療や関節・脊椎などの整形外科領域の診療に対しても幅広く対応しています。また、地域の開業医の先生からの紹介も多く、患者さまの病状などをお互いに把握するため、紹介元の先生方との「顔の見える関係」を大切にしています。当院の医師による開業医の先生への訪問や、講演会・勉強会などの開催を通じて連携を深めています。さらに当院の特長として、さまざまな専門職がチームを組んで各専門分野の技術、経験、知識を各々の患者さまに提供することで、よりこまやかで幅広い治療が可能となっています。

がん診療にも注力していると聞きました。

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当院は健診によるがんの予防・早期発見から、各診療科での診断・治療、さらには緩和ケアまで一貫した「がんのトータルマネジメント」体制をとっていることが大きな特長です。2022年には手術支援ロボットを導入しました。ロボット支援手術は従来の開腹手術や腹腔鏡手術に比べて、出血が少なく傷が小さいので体への負担がより少ないといったメリットがあります。ほかにも通常の腹腔鏡操作では器具が届かないような所でも容易に手術ができるようになり、ワンランク上の手術が実現できると考えています。大腸、胃、泌尿器科領域と対象となる疾患も広げています。また、緩和ケア病棟では患者さまやご家族に安心して過ごしていただける環境を整えています。

がん診療センターについても教えてください。

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がんを治療するには診療科の垣根を越えて、さまざまな診療科が協力した治療が必要となります。2021年に設置した「がん診療センター」では、これまで独立していた組織・機能を集約しました。さらに薬剤師、看護師、医療ソーシャルワーカー、リハビリテーションスタッフ、管理栄養士ががん診療に関する多岐にわたる知識を学び、各スペシャリストが患者さま一人ひとりの生活環境などの社会的背景にも目を向け個別の対応をしています。同センターにはがん相談支援室も設置しており、がん専門のスタッフが窓口となって、患者さまのさまざまな悩みを解決するお手伝いをしています。がん告知の方法をはじめ、人生の最終段階における医療・ケアの方法を話し合うACP(アドバンス・ケア・プランニング)の導入など患者さまやご家族の思いを常に尊重し、心のこもった医療のあり方を日々追求しています。

最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

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地域医療の中核病院を担う病院として、地域の方が健康に興味を持ち自身の身体と向き合うきっかけをつくることも当院の役目だと思っています。健康や病気について正しく理解する場として、市民公開講座を開催。がんや認知症、生活習慣病などさまざまなテーマを取り上げ、毎回100人近い方に参加いただいています。テレビなどで耳にはするが、よくわからない病気などを専門家がわかりやすく説明しています。市民公開講座に加え、お孫さんからおじいちゃん、おばあちゃんまで親子3世代で楽しめる「来て!見て!体験!松下記念病院わくわくフェスタ」も毎年開催する予定です。日頃見ることのできない医療の現場を見学、体験することで「将来のなりたい夢」を見つけるきっかけになればと考えています。これからも地域の方と積極的に接点をつくり、「暮らしに寄り添う病院」としても認知してもらえるよう取り組んでいきたいと思います。

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村田 博昭 病院長

1991年京都府立医科大学卒業、同大学整形外科入局。骨軟部腫瘍、関節外科、骨粗しょう症などを専門として大学、関連病院で臨床や研究に打ち込む。2005年には骨軟部腫瘍症例を多く経験するためイギリスに留学。その後大学勤務を経て、2011年から松下記念病院勤務、2020年から病院長に就任。病院長職をこなしながら、「現場を知ることが重要」と考え、整形外科医、腫瘍の専門医師としても手術や外来を担当している。

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