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社会医療法人仙養会 北摂総合病院

(大阪府 高槻市)

木野 昌也 理事長

最終更新日:2024/01/31

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急性期治療に力を入れ、地域連携を実現

大阪・北摂地域の二次救急医療機関として地域に貢献する「北摂総合病院」。217の病床を備え、24時間365日体制で患者の急性期の症状の治療にあたる。循環器内科をはじめ、消化器内科、呼吸器内科、整形外科、泌尿器科、小児科、婦人科、血液内科など診療科目は多岐にわたる。地域医療の窓口として、大学病院や地域の医療機関との連携体制の構築にも力を入れる。アメリカで医療に従事した経験のある木野昌也理事長は、治療のプロセスを重視し、若い医師たちのための教育研修にも積極的だ。日本の医療問題にも目を向ける中で、地域医療連携体制づくりにも尽力する木野理事長に話を聞いた。(情報更新日2022年12月9日)

病院の成り立ちについてお聞かせください。

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私の叔父であり、小児科医師だった芳川仙作が「より良い医療を提供したい」という思いで1965年に開院しました。当時は戦後の高度経済成長期で、この地域には大阪や京都で仕事をしようという若い人たちがたくさん集まってきました。小児科や産婦人科は大忙しだったそうです。周辺には次々に団地が増え、地域の皆さんのニーズに応えるかたちで病院もどんどん大きくなっていきました。私が病院長を継承したのは、1986年。アメリカ留学から戻り、大学病院の循環器内科で専門的に臨床と研究に携わっていましたが、これからは幼少期から慣れ親しみ愛着あるこの北摂の地域に、貢献していこうと決意しました。建物の老朽化もあり幾度かの修繕工事を経て、2006年に今の場所に新築・移転。現在はベッドが217床、28の診療科目を擁する総合病院として、「地域医療支援病院」「大阪府がん診療拠点病院」の役目も担っています。

病院の特徴について教えてください。

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当院は高槻市にある急性期病院です。24時間365日体制で急性期の症状のある患者さんを受け入れています。特に力をいれているのは、循環器内科、消化器内科、一般・消化器外科、整形外科、がん・救急診療です。これらは多くの方々にとって一番身近で、関係の深い領域ともいえるでしょう。民間病院としてこれらの分野にしっかり対応したいと考えています。心筋梗塞や心不全などを扱う循環器内科や胃がんなどを扱う消化器内科の患者数は特に多く、優秀な医師の存在が必要不可欠になります。われわれの病院では、大阪医科大学附属病院や国立循環器病研究センターなどで経験を積んだ専門性の高い医師が一緒に働いてくれています。回復期や慢性期のことを考えて、リハビリテーション施設や介護施設などを併設し、事業を拡大する考えもあるかもしれませんが、われわれは急性期医療に特化することで、質の高い医療の提供をめざしています。

地域の医療機関との連携を積極的に進められていますね。

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この地域は、医療機関がとても充実しています。大阪医科大学附属病院、大阪大学附属病院、関西医科大学附属病院、国立循環器病研究センター、その他地域中核病院など大規模病院が集中しているのです。その中にわれわれの病院があり、おのずと役割分担が必要となります。われわれは急性期医療に注力することで、大学病院などと強力なバックアップ体制をとってもらうことができています。また、1997年には開放型病院制度も導入しました。この制度は、地域の診療所の先生方に登録医となってもらい、病院の施設などを自由に使っていただくことを目的としたものです。現在、登録医の数は470件以上になり、診療所の患者さんが当病院での検査や入院などに速やかに入れるよう役立てていただいています。入院した場合、診療所の先生は自由に回診していただけます。地域全体で患者さんを診ていくため、地域医療連携はなくてはならないものだと考えています。

今後の高齢化に対してはどのような対応が必要でしょうか。

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個人的な話になりますが、私は101歳の父を在宅で看取りました。母は、残念ながら退院する予定の前日に病院で亡くなってしまいました。このような体験もあり、環境さえ整えば、長年住み慣れた場所で最期を迎えるのが一番良いのではと感じています。在宅医療の実現の鍵は、急性期病院にあります。容体が悪くなればすぐ入院でき、快方に向かえば1週間後には自宅に戻る。このように病院と自宅をいつでも行き来できる環境を提供するのです。高齢者を24時間365日体制で支援できる急性期病院の存在が、在宅医療を可能にしていくことでしょう。これこそがわれわれのような地域の病院が果たす役目です。これからは、「地域でヘルスケア」の時代。地域全体で高齢者の健康に関わっていく時代になると思っています。

理事長の医療に対する考えや今後の展望をお聞かせください。

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アメリカの病院で勤務していた時に、医療には何より理念が必要であること、そして医療は結果ではなくプロセスが大事だということを学びました。人間は、最後は死んでしまう存在です。治療をする医師からすれば、結果はすべて負けということになります。だからこそ、その過程をいかに納得できるものにするかを大事にするようになりました。北摂総合病院は、医師と患者の互いの顔が見られる規模の病院ですが、さらにスタッフが誇りをもって働き、患者さんが安らげる場所にしていくため、病棟のスペースを拡大したいと考えています。地域の子どもたちが集まれるようなスペースもつくりたいですね。そして、既に基幹型臨床研修指定病院として多くの若い医師の教育を積極的に行っていますが、今後の医療の発展のためにも、教育研究機能を持った病院として貢献していきたいと思っています。

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木野 昌也 理事長

1971年大阪医科大学卒業後、同大第三内科学教室入局。1973年には米国・タフツ大学医学部、米国・ハーバード大学医学部で、研究に携わる。その後、大阪医科大学第三内科医局長を経て1986年に北摂総合病院病院長、2014年から理事長に就任。高齢化社会に向けて地域包括ケアシステムの構築にも尽力している。

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