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公益財団法人唐澤記念会 大阪脳神経外科病院

(大阪府 豊中市)

若山 暁 院長

最終更新日:2021/12/06

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脳・神経疾患に特化し地域医療に貢献

「大阪脳神経外科病院」では1985年から今日まで、24時間365日体制で脳神経疾患の救急搬送を受け入れ、ハイレベルの専門的な治療を追求している。手術後の全身管理は多職種からなるチームが担当し、さまざまなケースにも適切に対応。また2016年にはリハビリテーション部門を拡充し、患者の在宅復帰まで支える体制を整えた。2007年から院長を務める若山暁先生は「研究活動や医師の教育という開設当初からの使命を果たしつつ、地域の患者さんにベストなサービスを提供したい」と語り、先進の診療技術や医療機器の導入にも力を入れる。さらに、地域の医療ニーズにより応えるべく、脳疾患と関連が深い「神経の病気」へも診療範囲を拡大。脊椎疾患や神経疾患でもエキスパートによる治療が行われ、地域医療に貢献する。「救急搬送にも地域の皆さんの外来受診にも、高い専門性で応えていきます」と笑顔で話す若山先生に、同院ならではの診療内容やスタッフの役割、地域医療との連携などについて詳しく語ってもらった。(取材日2021年10月19日)

最初に、病院の歩みや主な取り組みについて教えてください。

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唐澤淳前理事長が1985年に脳神経外科の専門病院を創設し、翌年に財団法人、2013年に公益財団法人に移行して現病院名になりました。当初は、子どもでも脳血管障害を起こす「もやもや病」の手術治療に注力し、全国や海外から患者さんや医師の研修を受け入れていました。その後も大阪大学脳神経外科と連携し、先進的な治療法の普及や研究開発、医師教育に取り組んでいます。同時に、脳神経疾患の急性期治療も当院の重要な使命であり、豊能医療圏と大阪市北部からの救急搬送に24時間365日体制で対応しています。搬送で多いのは脳卒中、てんかんや外傷の患者さんです。特に脳梗塞は発症からなるべく短時間で治療を始められるよう、夜間も3人の医師が診療にあたり、病院到着後15~30分で手術を開始できる体制を整えています。また医師と救急隊はホットラインで情報共有するほか、講習などで日頃から関係を深め、迅速かつ適切な搬送が行えています。

脳神経疾患の急性期治療では、どんな点を重視していますか。

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この領域では最近20年間で治療法が飛躍的に進歩し、点滴だけで治療を行う血栓溶解療法や、主幹動脈閉塞においてカテーテルを用いる血管内治療が普及しました。当院でも私が赴任した2007年から血管内治療部門を開設し、先進的な技術や、新たに開発された治療機器を率先して導入。医師やスタッフは新技術を順次習得し、日々の治療に反映して良好な治療結果へとつなげています。また開頭手術が必要な場合でも、ごく小さな切開で手術が行える鍵穴(キーホール)手術を積極的に実施しています。体への負担が少ない低侵襲な各種の治療技術を院内に備え、ミスなく適切に提供すること。また、そのような治療ができる医師を育てることも、当院の重要な役割です。なお、循環器疾患の合併症では桜橋渡辺病院と、また消化器疾患では近隣の病院と相互に連携し、得意領域を補い合うことで安全重視の診療を維持しています。

間脳下垂体や脊椎領域の診療も行われています。

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2021年に、間脳下垂体腫瘍に対する内視鏡手術のエキスパートが着任しました。内視鏡を鼻孔から頭蓋底へ通し、下垂体腺腫や頭蓋咽頭腫、髄膜腫などの手術を行っています。これら間脳下垂体腫瘍は頭部以外で症状が出ることも多く、専門的な診断が必要ですが、頭皮や頭蓋骨を切開する必要がなく良好な治療成績も望めるので、脳神経外科の中でも今後さらに発展していくものと期待しています。また、腰痛や手足のしびれなどの神経症状を診る脳脊髄外科では、この領域を専門とする医師が、ブロック注射から内視鏡手術まで幅広い治療を行っています。地域に密着した外科診療を行う上で欠かせない分野であり、結果が見えやすいので患者さんにも喜んでいただけると思います。なお、これらの分野でも低侵襲な内視鏡手術を行いますが、スタッフも経験を重ねることで医師の手技を素早く適切にサポートできるようになり、治療成績の向上にも貢献しています。

術後サポートやリハビリではどんな工夫がありますか。

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当院はハイレベルの治療を追求しています。医師は手術や診察に注力し、術後のケアは各専門職の経験と知識が生かされるように多職種チームで取り組んでいます。例えば脳卒中の術後には適切な栄養管理や嚥下機能の回復、口腔ケア、呼吸管理、排泄ケアなどが必要です。そこで看護師や薬剤師に加え、理学療法士や言語聴覚士、管理栄養士、歯科衛生士、さらに診療放射線技師や臨床検査技師、臨床工学技士、社会福祉士、事務職員などがチームに加わって、取りこぼしのない評価とケアを心がけています。またリハビリについては以前より手術直後からの早期離床リハビリを行っていましたが、2016年に回復期リハビリテーション病棟を開設。「あと少しリハビリをしたら在宅復帰できそう」という方を、当院で一貫してサポートできるようになりました。最近は一人暮らしの高齢患者さんも増えており、日常生活を目標に機能回復をめざしたいと考えています。

今後の展望と地域の方へのメッセージをお願いします。

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何よりも24時間365日体制の救急診療を維持することが、これからも重要な使命です。当院が担当する医療圏内では、急性期脳卒中の患者さんが確実に治療を受けられるよう、院内の診療体制を維持し、救急隊や地域の医療機関との密な連携を保ちます。それから、ハイレベルの医療を追求し続けるためには、専門的な研究や教育の充実が不可欠ですし、治療結果を左右する検査・治療機器の導入にも力を入れています。ただ、高い専門性を持つ病院ではありますが、紹介状などは不要で気軽に受診できる点も良さだと思っています。脳ドックも実施していますので、脳や神経に関わるような気がかりな症状があれば、ぜひご相談ください。病気の予防から治療、リハビリまで、脳・神経疾患領域では「ここ」と頼りにされる病院でありたいですね。

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若山 暁 院長

1979年大阪大学医学部を卒業後、同附属病院や関連病院で研鑽を積み、1986年より西ドイツのマックス・プランク神経学研究所へ留学。帰国後は若草第一病院、府立母子保健総合医療センター(現・大阪母子医療センター)などを経て市立堺病院では脳神経外科部長、中央部長を務める。2006年に大阪脳神経外科病院へ着任、2007年より現職。日本脳神経外科学会脳神経外科専門医、大阪大学医学部臨床教授。

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