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医療法人徳洲会 岸和田徳洲会病院

(大阪府 岸和田市)

畔栁 智司 病院長

最終更新日:2025/11/10

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救命と心臓血管外科を強みに地域を支える

大阪府泉州地域において三次救急を担う「岸和田徳洲会病院」。救命救急センターを擁し、重篤な患者を断らず受け入れる最後の砦として地域医療を支えてきた。循環器、消化器、脳神経外科など幅広い専門領域に医師がそろい、ECU、ICU、HCUを備えた体制で24時間365日対応。加えて、手術支援ロボットやハイブリッド手術室を駆使した低侵襲治療、消化器領域で導入した先進の内視鏡システムによる胆管・膵管治療、早期がんに対する精密な内視鏡治療など、新しい医療技術も積極的に展開している。心臓血管外科も強みで、約40年にわたり豊富な手術実績を有し、経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)など先端のカテーテル治療も導入。さらに脳卒中センターのコア施設として24時間オンコール体制を整え、急性期対応にも力を注ぐ。同院の特徴は「ワンチーム医療」。医師・看護師・薬剤師などのスタッフが毎朝の回診をともにし、現場で治療方針を議論しながら最善を追求。「断らない医療」を掲げ急性期医療に注力する一方で、地域住民に親しまれる病院祭や健康イベントにも積極的に取り組む同院について、畔栁智司病院長に話を聞いた。(取材日2025年9月10日)

こちらの病院の成り立ちについて教えてください。

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当院は、1977年5月に徳洲会グループの3番目の病院として岸和田市磯上町に開設しました。その後、2002年に現在の場所に新築移転し、400床の病床を備える総合病院として地域医療に力を注いでいます。2012年には大阪府から救命救急センターの指定を受け、いわゆる三次救急医療機関として重篤な救急患者さんも受け入れる体制を整えてきました。徳洲会の理念である「生命を安心して預けられる病院」を掲げ、年中無休・24時間体制で、患者さんを断らない医療を実践してきた歴史があります。私たちは、地域の皆さんの健康と生活を守ることを第一に、幅広い診療科を有する強みを生かしながら、医療技術と診療態度の向上に努めてまいりました。もうすぐ50年を迎える歴史ある病院として、これからも安心と信頼を提供できるよう尽力していきたいと思っております。

地域での役割はどのように考えられていますか?

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当院は救命救急センターを擁し、泉州地域における最後の砦として急性期診療に力を注いでいます。多くの医師が在籍し、循環器・消化器・脳神経外科など幅広い領域で365日緊急処置に対応可能です。高度集中治療室(ECU)、集中治療室(ICU)、高度治療室(HCU)を備え、重症疾患にも対応できる体制を整えています。加えて、手術支援ロボットやハイブリッド手術室を含む手術室を備え、先進的な外科治療を積極的に導入しているのも特色です。また、がん治療にも手術・放射線治療・化学療法などの良質な医療を提供していますし、PET/CT、胃・大腸内視鏡、マンモグラフィ、MRI、CTなど各種検査装置を備え、英語での診療にも対応しています。地域医療の面では、開業医の先生からの検査依頼には可能な限り即日で応え、術後も地域かかりつけ医の先生と連携して患者さんをフォローするなど、地域の方が安心して暮らせる体制づくりに努めています。

心臓血管外科診療に注力されていますね。

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1985年9月の開設以来、心臓血管外科には約40年の歴史があり、これまでに1万2000件超の手術を行ってきました。直近1年間でも開心術310例を含む年間700件ほどの実績があります(2023年4月1日~2024年3月31日)。特徴は、MICSと呼ばれる低侵襲心臓手術に力を入れていること。私の得意とする内視鏡を用いた完全鏡下MICSもその一つで、一般的なMICSよりもさらに負担の少ない治療につなげています。また、心臓のカテーテル治療では、大動弁をカテーテルで置き換えるTAVIや、増帽弁をクリップで接合し血液の逆流の軽減を図る経皮的僧帽弁クリップ術などの選択肢を用意することで、従来なら開胸手術が必要な方の治療の幅を広げ、個々に合った治療の提供に努めています。さらに、当院は「待ち時間をつくらない」ことを大切にしていますので、可能なら1週間以内に手術を行えるようにしていることも強みだと思います。

低侵襲な治療に尽力されているのですね。

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当院では、多くの診療科で低侵襲な治療を積極的に導入しています。例えば消化器領域では、早期から先進の内視鏡システムによる胆管・膵管治療を導入しています。これにより、従来は開腹が必要だった胆管・膵管の結石や腫瘍の治療を、内視鏡で直接観察・処置することが可能になり、患者さんの負担を大幅に減らすことが期待できます。消化器疾患に関しても胃や大腸の内視鏡検査から当院が得意とする早期がんに対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)などの経験に基づく技術を必要とする内視鏡治療まで、さまざまな治療を提供しています。さらに当院は脳卒中治療にも力を入れ、脳外科では24時間オンコール体制で緊急手術に対応しています。外科や泌尿器科でもロボット支援手術を取り入れ、幅広い領域で精密で低侵襲な医療を実現しています。

今後の展望と読者へメッセージをお願いします。

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当院はすべての医療において「ワンチーム」であることをめざしており、実際、外科や心臓血管外科ではチーム制を取り入れています。その中では、医師一人の判断に頼るのではなく、スタッフ全員が入院患者さんを把握し、いつ誰に何を聞かれても答えられるようにしています。そのために、毎朝の回診では医師とともに看護師、薬剤師、リハビリテーションスタッフ、退院調整スタッフも病室を回り、意見を交わしながら治療方針を決定します。スタッフ間のコミュニケーションも活発で、その風通しの良さが迅速かつ柔軟な医療を支えているのではないでしょうか。今後も、こうした風土を伝統として守り続けるとともに、地域の方々に親しみを持っていただけるよう、病院祭や健康イベント、出張講演なども積極的に行っていきます。これからも「断らない医療」を信念に、地域の頼れる存在としてチーム一丸となって患者さんに最善の医療を届けてまいります。

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畔栁 智司 病院長

2002年滋賀医科大学卒業、2004年同大学大学院修了。岸和田徳洲会病院心臓血管外科に勤務し、金沢循環器病院や滋賀医科大学医学部附属病院で経験を積む。2013年再び岸和田徳洲会病院に戻り心臓血管外科部長に就任。2024年より現職。豊富な手術経験を生かし心臓血管手術全般に精通するエキスパートとして診療にあたる。日本心臓血管外科学会心臓血管外科専門医、日本外科学会外科専門医。

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