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社会福祉法人恩賜財団 大阪府済生会吹田病院

(大阪府 吹田市)

島 俊英 院長

最終更新日:2021/03/08

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総合的かつきめ細かな医療サービスを提供

2020年に創立75周年を迎えた「大阪府済生会吹田病院」は多くの診療科を有し、総合的な医療を提供する中核病院。地域のかかりつけ医と同病院で患者の診療内容をネットワーク上で相互に確認できるICTシステムを導入するなど、地域医療支援病院・在宅療養後方支援病院として病病・病診連携に力を入れるほか、高齢者が安心して地域で暮らし続けるため医療と介護の連携に重きを置き、地域包括ケアシステムを推進している。患者に対する「心」を大切に、病院の基本理念である「やすらぎの医療」の提供に努める島俊英院長に、病院の特色や注力している診療、島院長が専門とする肝疾患治療、同院の特色の一つともいえる入退院時サポートなどについて話を聞いた。(取材日2021年2月9日)

病院の診療理念を教えてください。

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当院は「やすらぎの医療」を基本理念としていますが、私はこの非常に理解しやすいと思われる理念を「実際にどう言動に表すことができるか」が大切だと考えています。私が常に意識している格言の一節に『思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから』というものがあります。日々の業務に追われる中で、流れ作業になっていないか、効率化だけを優先していないか、表面的な接遇・サービスの提供ではなく、本質的なところで患者さんに接することができているかを全職員に考えてほしいと伝えています。生活困窮者救済を掲げ明治時代に発足した済生会では、窮境にある方々へ向けた、無料低額診療事業を実施していますが、今もなお、その精神を受け継いで経済的な窮境以外にも家庭環境や患者さんの持つ不安・悩みなどに思いを馳せ、サポートしていける病院でありたいですね。

病院の特色と、特に力を入れている診療について教えてください。

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2020年に75周年を迎えた当院は30を超える診療科があり、幅広い疾患に対応しています。中でも歴史的に周産期医療に力を入れてきた経緯があり、1998年に現在地に移転した際にはNICU(新生児集中治療室)を設置し、大阪府地域周産期母子医療センターとしての役割も担っています。この他、前立腺がん、ヘルニア、IVR、化学療法、呼吸器病、消化器肝臓病など各専門の診療部門を立ち上げ、先進の手術支援ロボットなどの医療機器も導入し、より高度な医療の提供ができるよう取り組んでいます。消化器疾患と呼吸器疾患に強みを持つ病院として周辺の皆さまに認知いただいていると思いますが、2020年にヘルニア診療において豊富な経験を積む医師が入職しましたので、今後は、ヘルニア診療も当院の強みの一つになっていくと考えています。

消化器内科、特に肝疾患は院長先生のご専門でもありますね。

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以前よりNASH(非アルコール性脂肪肝炎)の診療に注力し、多くの患者さんのデータを集め臨床研究に取り組み、論文発表も定期的に行ってきました。NASH、脂肪肝という言葉は広く知られるようになってきましたが、未だ治療薬のない疾患です。しかし世界中で肥満人口が増加していることもあり、欧米の製薬会社を中心に新薬の開発競争が進んでいます。当院はNASH診療の発展に貢献できるよう、また病院の活性化のための取り組みとして治験に協力しているのも特色の一つです。私がこの分野で専門性を追究できたのは、これまで指導くださった先生あってのこと。医師として病院長として、今度は私が若い医師をサポートし後進を育てていきたいですね。

入退院時のサポートにも力を入れていると伺いました。

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社会福祉法人恩賜財団大阪府済生会吹田医療福祉センターは、当院を含め、特別養護老人ホームや訪問看護ステーション、看護小規模多機能型居宅介護事業など計8施設からなり、病院と介護、福祉事業をうまく融合させて、地域完結型で総合的に地域の皆さまを支援していくことをめざしています。例えば高齢患者さんが急性期治療を終えた直後は、まだご自宅での生活が困難であるというケースも少なくありません。そこで大切なのが入退院時のサポートです。当院ではソーシャルワーカーを配置し、薬剤師や管理栄養士ら多職種が連携しながら、入院時から退院後まで一貫してサポートし、訪問リハビリテーションや訪問栄養指導の提供も行っています。またケアマネジャーさんら地域の介護・福祉関係者とのスムーズな連携を実現するため、定期的にセミナーを開催するなど情報交換も大切にしています。

今後の展望とメッセージをお願いします。

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当院では2020年4月、急性期病院としての機能の向上・効率化・充実化をめざして500床あった病床を440床にダウンサイズしました。背景には地域の医療環境の変化や国の方針変更が挙げられますが、当院の基本理念の一つに「社会の構造変化、医療ニーズに的確に対応する病院」という言葉があり、職員が一体感を持ってさまざまな変化に対応しながら、臨機応変にウエイトを変えていくことも大切だと考えます。今後も住民の皆さまがさらに安心してこの地域で暮らしていけるよう入退院サポートをはじめとしたきめ細かな医療サービスを提供し、地域包括ケアシステムが円滑に機能するよう貢献していきたいと考えています。

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島 俊英 院長

1983年京都府立医科大学卒業。同大附属病院・京都市立病院での研修、大阪府済生会吹田病院内科勤務を経て、アメリカ・ダートマス大学EPR研究所研究員を経験。帰国後は星ヶ丘厚生年金病院内科医長、大阪府済生会吹田病院内科医長、同院消化器内科部長・副院長を歴任。2020年4月より現職。職員が前向きに仕事に取り組めるよう「公平」をモットーとし、自身の強みである「調整力」を生かした病院運営に努める。

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