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社会福祉法人恩賜財団済生会支部 大阪府済生会千里病院

(大阪府 吹田市)

中谷 敏 院長

最終更新日:2024/02/26

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救急から専門性の高い医療まで幅広く提供

阪急千里線南千里駅を降りてすぐ。住宅地の中に立つ「大阪府済生会千里病院」は、「心のこもったチーム医療を行う」を行動規範に掲げ、前身となる大阪府保健医療財団新千里病院の時代から50年以上にわたって地元の医療ニーズに応えるべく、診療体制の充実を図ってきた総合病院だ。外科や内科などのさまざまな診療科をはじめ、329床の病床を有し、千里救命救急センターを併合してからは三次救急医療機関としての役割にも重点を置き、ICUやSCU、ドクターカーの運用など機能を整えてきた。地域医療との連携や、患者や家族への支援といった独自の取り組みも積極的に行う。院内の救急と一般診療との連携も強固で、コロナ禍に際してはPCR検査に対して院長も含めたすべてのスタッフで対応するなど、意思統一が取れたチーム医療も大きな強みとなっている。「下駄履きで来れる一流病院」をめざし、身近でありながら先進の医療を届ける同院について、中谷敏院長に、その特徴や力を入れている診療、将来の展望などについて聞いた。(取材日2020年12月9日/情報更新日2024年2月19日)

病院の成り立ちについて教えてください。

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当病院は1967年に医師会、歯科医師会、薬剤師会の大阪府三師会により設立された大阪府保健医療財団新千里病院を前身とする病院です。2003年に大阪府済生会千里病院となり、さらに2006年から千里救命救急センターを併合し、地域医療支援病院、災害拠点病院として、長きにわたって千里地区の皆さまの健康を支え続けてきました。医師や看護師が現場に向かうドクターカーの出動回数も多く、また災害派遣医療チームの大阪DMATとしても活動しています。三次救急を受け入れる病院として幅広い症状に対応し、救急患者の受け入れから、検査、手術、リハビリテーション、その後の社会復帰・自宅復帰のサポートまで幅広く対応しています。

病院に対する課題をお聞かせください。

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そもそも「済生会」は明治天皇が「恵まれない人々のために施薬救療し、済生の道を弘めるように」と与えられた御下賜金を基金として設立されました。生活困窮者、高齢者、小児、障害者など、さまざまな境遇の方がおられますが、すべての方に等しく適切な医療を提供していくのが当院の務めです。また、当院は三次救急医療機関であり、さらには地震や台風などの大規模災害時の医療活動も使命に掲げる災害拠点病院の1つでありますから、政治・経済・社会情勢の変化に伴い、存廃の窮地があったとしても、それを乗り越えて医療の充実・発展・提供に取り組んでいくことが課題であると思っています。社会の変化に柔軟に対応しながら、すべてのスタッフと力を合わせ、どんな時でも安心して頼ってもらえる病院づくりへの歩みを止めないということが重要であると考えています。

具体的には、どのような取り組みを行っているのですか?

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例えば、ソーシャルワーカーによる無料低額診療事業など福祉サービスの相談や、セカンドオピニオン相談の窓口開設などの設置がそうです。ほかにも、当院はがん診療にも力を入れており、がん患者診療に対して多職種で行うカンファレンスを積極的に行ったり、専門の知識を持つ看護師によるがん相談窓口なども設けたりしています。そのほかにも、がん患者サロンや地域住民を対象とした健康教室、コミュニティーFMラジオの定期的出演といった場を活用して、患者さんだけでなく、そのご家族との関係強化も推進しています。私も院長就任と同時に患者医療支援部門の長を兼任しました。周辺地域のクリニックや近隣病院に何度も赴き、紹介や逆紹介など医療におけるアライアンス体制の構築に注力しています。これからもお一人お一人に適切な医療を提供するべく、さまざまな取り組みを進めていきたいと思います。

力を入れている診療はありますか?

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すべての分野が必要で、特に注力している科というのはありません。しかし、千里地区も高齢化が進み、救急出動件数は増加しているため、救急分野などはニーズが高くなっています。できるだけ「断らない救急」を目標とし、受け入れを続けています。それに伴い、循環器内科および脳神経外科の24時間カテーテル治療、消化器外科の消化管がんや疾患治療、泌尿器科の前立腺肥大や膀胱がん手術など、専門性の高い治療にも対応しています。また脳卒中ケアユニット(SCU)を開設し、24時間365日での受け入れ体制を確立。整形外科でも、寝たきりにさせないよう高齢者にも積極的に手術を行い、術後リハビリまでサポートしています。患者さんの負担に配慮したカテーテル治療や内視鏡手術を取り入れることで、社会や自宅に戻れるような医療の提供に尽力しています。2024年からは手術支援ロボットも導入し低侵襲治療の一層の普及に努めています。

最後に、今後の展望についてお聞かせください。

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「済生会千里病院に行ったら、なんとかなる」と地域の皆さまに頼ってもらえる病院が目標です。救命救急の維持と安心安全な医療レベルの保持継続に努めることについては、今後も引き継いでいかなくてはと思っています。また、高齢社会となり骨折や誤飲性肺炎などからの寝たきり予防、自宅復帰できないといった人をなくすための健康寿命を延ばしていくような支援に関しては、地域連携も含めさらに充実を図っていきたいと思います。院長に就任し、当病院に対して感じたことは「一人ひとりのスタッフの熱意と真面目さが光っている」という点。よくある縦割りを取っ払い、診療科ごとの横のつながりを強化することで、包括的にサポートできるようなチーム医療体制が今まで以上にできあがってきています。私自身も週に1回の外来や定期的な病院内巡回をしています。すべてのスタッフが患者さんと身近に接し、寄り添った治療を提供できる病院で在り続けたいと思います。

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中谷 敏 院長

1983年大阪大学医学部卒業後、同大学附属病院にて研修、第一内科入局。その後、アメリカ留学や国立循環器病研究センターなどを経て、2008年から大阪大学大学院教授に就任。特に心臓弁膜症や心不全など心臓疾患治療における心エコー図学領域の発展に尽力し、循環器内科診療へ貢献してきた。2020年4月から大阪大学医学部名誉教授となり、大阪府済生会千里病院の院長に着任する。最近始めた趣味はイタリア語と合気道。

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