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独立行政法人地域医療機能推進機構 大阪みなと中央病院

(大阪府 大阪市港区)

細川 亙 院長

最終更新日:2020/11/25

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2019年9月に移転し診療科や体制を充実

「大阪みなと中央病院」は、1949年に開設された「船員保険大阪診療所」を母体としている。その名の通り、船員保険の加入者を対象にした診療所としてスタートしたが、現在の利用者はほとんどが地域在住の一般患者。病床数も当初の9床から2018年には275床に増え、19の診療科を持つ総合病院として、また、内科・整形外科に24時間スタッフが常駐する二次救急指定病院として、地域医療の一翼を担っている。さらに、2019年9月にはJR大阪環状線及び大阪メトロ中央線の弁天町駅に直結した新病院へ移転し、総合病院の診療科としては特徴的な美容外科、大阪西エリアで不足しているという歯科口腔外科を新設して、地元はもとより、アクセスの良さを生かして広いエリアの患者にとって魅力のある病院づくりをめざしていく予定だ。日本美容外科学会理事で、美容外科の健全化のために長年尽力してきた院長の細川亙(こう)先生に、新拠点への移転にかける思いや、新設の診療科について話を聞いた。
(取材日2019年8月9日)

病院の歴史や特徴、移転の概要について教えてください。

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当院は1949年に船員保険組合が運営する「船員保険大阪診療所」として、病床数9の小規模で始まりました。当初は船舶関係者の受診が主でしたが、次第に一般の患者さんも受診されるようになり、現在ではほとんどが一般の方です。2014年には独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)の運営となり「大阪みなと中央病院」に改称し、地域密着型の医療を提供してきました。2019年9月に弁天町へ移転しましたら、JR大阪環状線の弁天町駅直結という利便性を生かして、地域の方々はもちろんより広いエリアの患者さんにもご利用いただける病院をめざします。既存の診療科は基本的にはそのまま新病院に引き継ぎ、現在受診されている患者さんには引き続きご利用いただけます。さらに、美容外科、歯科口腔外科という周辺で必要とされている診療科を新設して、地域医療の一層の充実に貢献するとともに、エリアの枠を越えた医療の提供を実践してまいります。

歯科口腔外科を新設されるのはなぜでしょう?

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新たな場所となる弁天町の周囲には規模の大きな病院が多く、当院の独自性が求められます。また、利便性を生かして遠方からの受診も見込めるエリアでもあります。現在、大阪の西エリアには口腔がんの手術まで対応できる口腔外科が多くなく、新設する歯科口腔外科は幅広いエリアから受診していただける診療科、歯科クリニックの先生方をサポートできる診療科になると考えています。歯科口腔外科には、大阪大学から第1口腔外科学教室の松岡裕大先生、和田剛信先生をお迎えします。専門性の高い技術を持ち、人格的にも魅力ある先生をお迎えすることで、単に地域の歯科というレベルを超えて、広い地域から患者さんが訪れ、質の高い医療を提供できる口腔外科に育っていくことと期待しています。さらに、顔面骨形成など自由診療での治療となる症例についても、形成外科と協力して対応することでより充実した医療を実現できるようになると考えています。

総合病院で美容外科があるところは珍しいですね。

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多くの美容医療は個人のクリニックで自由診療として行われています。保険診療では厚生労働省が効果と安全性を認めた診療以外は行えませんが、自由診療にはこうした縛りはありません。費用について患者さんが判断するのも難しく、病院内の診療科と違って個人クリニックでは周囲のチェック機能も働きにくいのが現状です。私自身これまで、美容医療の健全化ために厚生労働省などに働きかけ、美容医療の改善やルール整備に取り組んできました。新設の美容外科ではそれを自ら実践していきます。美容外科は形成外科の一領域と考えられていますが、形成外科の医療とは異なる部分が多くあります。このため、形成外科医師の兼任ではなく、美容外科領域で豊富な経験を積んだ医師による新体制でスタートしていきます。美容医療を継続して提供するための経営の安定を図りながら、美容医療が総合病院で行われるモデルケースとして安心安全に努めた美容医療を提供したいです。

訪問看護室も新病院に継続されるのですね。

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2017年に開設した「訪問看護室」では、これまで当院の退院患者さんを対象にしてきました。移転に伴い「訪問看護ステーション」に変更し、開業医の先生からのご紹介をはじめ広く地域の患者さんに対応していきたいと考えています。地域のドクターから「早く開設してほしい」という声も頂戴しており、入院設備を持つ病院の訪問看護ステーションとして、安心と高い水準の訪問看護を提供できるよう努めていきます。訪問看護室の常勤看護師は精神疾患にも対応できますし、さらに看護師を増員して対応力を向上させる予定です。院内にはがんや褥瘡(じょくそう)、胃ろうの器具交換などに対応できる看護師もおり、訪問看護ステーションとなることで、訪問看護師との同行訪問が可能になります。

新拠点での地域医療連携について教えてください。

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地域連携室、訪問看護室、患者相談の3セクションから成る「地域医療包括ケア推進室」があります。このうち、地域連携室の業務は前方支援と後方支援に大別されます。前方支援とは、関連病院をはじめとする地域の医療機関からの患者さんを受け入れて、受診の調整などを行います。後方支援は、退院のサポートが主な業務です。前方支援では、地域の診療所とのスムーズな連携が求められます。患者さんを紹介していただきやすいように、当院の医師や検査などについての新しい情報を、年に何度かは提供するようにしています。地域医師会の先生の講演会などにも参加していきます。さらに、当院が開催するセミナーには、地域の医療関係者をお招きして、情報交換の場としても活用します。病院の移転に伴って、診療科が増え、医療機関の範囲が広がります。登録医として連携が可能になるドクターの範囲も広がるので、登録していただきやすい関係づくりにも努めていきます。

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細川 亙 院長

1979年大阪大学医学部医学科卒業。 住友病院形成外科医長などを経て、大阪大学大学院の形成外科学教授を務める。豊富な治療経験をもとに多数の手術法を公表。形成外科学の発展に貢献してきた。2018年大阪みなと中央病院院長就任。患者の声に寄り添う診療に力を注いでいる。

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