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医療法人永寿会 福島病院

(大阪府 大阪市旭区)

南 有紀子 理事長

最終更新日:2024/08/21

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身近にあって頼れる病院であり続けたい

大阪メトロ谷町線の千林大宮駅から徒歩約1分、京阪本線の千林駅からも徒歩約10分に位置する「福島病院」は、1947年の設立以来、千林大宮の地で地域の健康を支えてきた。戦後間もない時期、初代院長は近隣住民の協力を得ながら診療を行っていたというエピソードも残り、74床の急性期病床を持つ大阪府二次救急告示医療機関として365日24時間体制で積極的に救急搬送を受け入れている。また、内科、外科、整形外科を中心に、高血圧症、糖尿病といった生活習慣病の予防・治療、消化器の内視鏡検査、肺炎、腸炎、脳梗塞など内科的治療にも対応。骨折、人工関節、肛門疾患、鼠径ヘルニア、胆石などの手術にも力を入れている。さらに、18床の地域包括ケア病棟やリハビリテーション施設、透析病床も備え、訪問リハビリ、訪問介護も提供するなど、急性期から退院後までをサポート。患者がさまざまな悩みや症状を気軽に相談できる、町の“よろず診療所”のような役割を担っている。気になることがあれば、些細なことでも遠慮なく相談してほしいと語る南有紀子理事長に、同院の診療理念や力を入れている診療などについて語ってもらった。(取材日2024年7月4日)

地域における病院の位置づけや役割を教えてください。

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大規模な病院に入院するほど重症ではないけれど、入院していただいて様子を診ていく必要がある患者さんをメインに受け入れています。地域のクリニックからのご紹介が多く、大きな病院で手術などをされ、ご自宅へ戻られる前にリハビリを行いたいというケースも少なくありません。内科、外科、整形外科では、外来受診の患者さんも多く、「何かあったら福島へ」といった感じで、気軽に受診できる地域のよろず診療所のような役割を担っていると思います。神経内科や呼吸器内科の先生は週に1回来てくださいますが、小規模なので診療科が細かく分かれているわけではなく、医師やスタッフが、診療科や職種の垣根を越えて患者さんに対応するのが当院の大きな特徴です。スタッフ同士の仲が良く、コミュニケーションも円滑で、スタッフから「この患者さんに対応していいですか?」と積極的に申し出があるくらいです。

どのような領域の診療に注力しておられますか?

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私が担当する大腸・肛門に特化した外来では、近隣はもちろん京都や神戸からも女性の患者さんが受診されるのが特徴です。皆さん、女性医師が痔の診療や手術、大腸内視鏡検査を行う病院を探して来られます。女性の患者さんは、恥ずかしさから受診をためらって、大腸がんなどの発見が遅くなる場合もあるので、そうしたケースを少しでも減らすべく、大腸・肛門を専門とする病院で学んだ知識、技術を生かして診療にあたっています。また、戦後間もない救急車のない時代から救急診療に対応してきた歴史があり、現在も年間に数多くの救急搬送を受け入れています。大阪大学医学部付属病院の救命救急センターの先生がローテーションでほぼ毎日来てくださるので、安心してお任せしています。血液検査、心電図、エコー、CT、MRIなどの検査を行い、専門的治療が必要な場合は、関西医科大学総合医療センターや大阪市立総合医療センターなど適した医療機関につなげます。

リハビリや透析治療にも特徴があると聞きました。

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整形外科では、手術を得意とするのに加えて人柄も良い2人の医師が診療にあたっています。リハビリに力を入れており、地域包括ケア病棟を備えているので、しっかりとリハビリを行った上でご自宅へ戻っていただけます。訪問リハビリにも対応しているので、退院後もしっかりフォローできます。なじみのある病院で継続的にリハビリが受けられるのは、患者さんの安心材料になるのではないでしょうか。理学療法士に加えて、言語聴覚士、作業療法士も常勤しており、整形外科疾患はもちろん脳梗塞や誤嚥性肺炎の後のリハビリについても積極的に取り組んでいます。透析治療については、院長の専門が糖尿病や透析で、16床の透析病床も用意の上で対応しています。透析中の患者さんが、骨折などでリハビリも必要となったような場合、透析とリハビリの両方に対応できる医療機関は少ないのです。そのため、他の医療機関からリハビリを希望して来られる方も多いです。

地域とのつながりが強い病院という印象を受けました。

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地域連携室には、経験豊富な看護師と社会福祉士が在籍し、入退院の調整などを担当しています。独居の方や認知症が急に進行して要介護の申請が難しい患者さんもおられ、介護関係のスタッフと対応を検討し、リハビリスタッフと社会福祉士がご自宅の様子を確認して段差の解消をアドバイスするなど、とても重要な役割を担っています。訪問看護、訪問リハビリも提供しているので、地域連携室を中心に各職種が協力して、ご自宅へスムーズに戻れるように、退院後も安心して過ごしていただけるように、途切れ目のない支援を提供できるのが強みです。また、病院からの患者さんの紹介は基本的に地域連携室を通して行われますが、地域のクリニックの先生方は私や各診療科の医師に直接電話で依頼されることも少なくありません。この辺りには長年地域密着型の診療を提供しておられるクリニックが多く、とても親密な病診連携が確立されています。

診療以外で力を入れていることがあれば教えてください。

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病院食を改善しました。武庫川女子大学の栄養科の先生の協力を得て、既製品や冷凍食品をできる限り使用せず、自然な素材を使って家庭的な料理を提供しています。栄養士さん、調理師さんが意欲的に取り組んでくれ、温かいものは温かい状態で提供しております。患者さんにも喜んでいただけるとうれしいですね。職員にも同じものを提供しており、改善に取り組む以前は1日20食程度だったのが、最近では60食ほどの利用があるんですよ。千林大宮は、商店街を歩いていると地域の方が気軽に声をかけてくださるような、昔ながらの大阪の下町の良さが残っています。人と人のつながりが強い地域にあって、私たちは身近に感じられる皆さまの病院として、これからも地域の健康を支えていきたいと考えています。なんだか少し体調が変だなと感じられるときは、どうぞ遠慮なくご相談にいらしてください。

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南 有紀子 理事長

大阪市立大学医学部卒業、大阪大学大学院修了。消化器外科の医師として、国立病院機構大阪医療センター、東葛辻仲病院、日本生命病院、市立川西病院で研鑽。2023年より現職。すべての患者に対し「自分の家族だったらどうするか?」を考えて診療にあたるのが医師としてのモットー。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医、日本大腸肛門病学会大腸肛門病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医。

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