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国家公務員共済組合連合会 大手前病院

(大阪府 大阪市中央区)

宮本 裕治 病院長

最終更新日:2020/11/25

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専門医療と温かい人情で地域医療へ貢献

大阪メトロや京阪本線の天満橋駅から歩いて5分ほど、大阪城を正面に望むロケーションにあるのが「国家公務員共済組合連合会 大手前病院」。1951年、陸軍病院の跡地に建設された木造の小さな病院は、今や400床を擁する総合病院となり、大阪市東部の地域医療を支える存在となっている。早くから循環器診療に取り組んできた同院では、2019年4月より不整脈治療部門を立ち上げ、心房細動などの診療拡充にも注力。また、二次救急を中心に救急搬送を積極的に受け入れ、常時3人の当直体制で対応する。さらに、近隣に移転・開院した大阪国際がんセンターとは総合病院ならではの強みを生かした連携を展開し、地域住民にがん診療を提供。病診連携では地域連携センターが軸となり、地域のクリニックと密な関係を築いている。「当院の診療を支えるのは、医師やスタッフの熱意と、この規模ならではの顔の見える関係性です」と語るのは、2018年より病院長となった宮本裕治院長。同院らしさを生かした病院運営に取り組む院長に、診療の特徴や今後の展望について聞いた。
(取材日2019年8月7日)

貴院の歴史と診療の特色についてご紹介ください。

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1951年、大阪陸軍病院があったこの場所で当院が開院しました。木造の小さな建物でスタートし、1955年には鉄筋6階建のビルへ、さらに現在の建物は2004年に竣工されたものです。国家公務員共済組合連合会の病院ではありますが、地域の皆さんにも利用していただけます。当院は大阪大学の関連病院でもあり、戦後早い時期から先進的な診療に取り組んできました。心臓外科の手術は1956年から、また消化器の腹腔鏡手術は1991年から実施していますが、いずれも当時の市中病院では珍しかったようです。現在、ロボット手術支援システムなどはスペースの都合があり導入できていませんが、各科では標準的な治療を高いレベルで提供できるよう取り組んでいます。特に特徴的な診療を行っているのは循環器に加えて整形外科、脳神経外科の脳深部刺激療法、呼吸器内科の中皮腫などですね。大腸CT検査にも、早い時期から取り組んでいます。

院長のご専門でもある循環器の診療についてご紹介ください。

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心臓血管外科と循環器内科が連携する部門を設け、最適な治療を選択、提供できるように取り組んでいます。心臓血管外科では狭心症や心筋梗塞、弁膜症等の冠動脈疾患に対する手術を実施しています。また、社会の高齢化に伴って心房細動などの不整脈に悩む患者さんが増えていますが、心房細動でもカテーテル治療の発達は著しく、有用な治療選択肢になってきています。そこで2019年4月からは不整脈治療部門を新たに設置し、先進の医療機器を導入してスタッフの技術向上に取り組むなど、治療体制の拡充を進めています。さらに、近い将来には血管造影室をもう1室増やして、機を逃さず循環器治療が行える環境を整えたいと考えています。救急に関しても、一般救急とは独立した循環器救急の診療体制を整備し、また夜間救急には循環器の医師が必ず1人は当直しています。急性期の病院として、目の前にいる患者さんに的確な治療を行っていくことを重視しています。

近隣の大阪国際がんセンターとは協力関係にあるそうですね。

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大阪国際がんセンターはがんに特化した医療を行う病院で、先進の設備が整い、全国や世界を見据えた診療をされています。一方、当院は地域と連携しつつ、初期から緩和医療まで連続性のあるがん医療に取り組んできました。また総合病院として、糖尿病や腎不全といったがん患者さんの合併症も日常的に診療しています。ですから、当院のがん患者さんで、特殊な治療が必要な方は一時的に大阪国際がんセンターへお願いする、あるいは逆に、がんセンターの患者さんで合併症の管理が必要な方はこちらで診療するなど、それぞれの強みを生かした連携を行っています。両院の医師が合同して行う検討会や勉強会も盛んですし、必要な患者さんには共通の診察券を発行していて、1枚で両院を受診できるようにもしています。このような環境によって、地域の患者さんには、より手厚くがん治療を受けていただけるようになりました。

地域連携においては、どのような取り組みをされていますか?

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地域医療連携センターが窓口となって、地域の医院・クリニックとの連携を行っています。センターの職員はもちろん、都合が合えば当院の医師も、定期的に開業医の先生方を訪問することで、顔の見える関係を大事にしています。また登録制の医療連携システムがあり、当院での検査結果や処方などを開業医の先生方に閲覧していただけるようにしています。さらに地域包括ケア病棟では、当院で急性期の治療を終えた患者さんが安心して自宅に戻れるようにリハビリテーションや療養を行っています。在宅で過ごしている患者さんの短期入院も、事情に応じてお引き受けしています。これらの取り組みを通して、文字通り地域に密着した立ち位置で地域医療に貢献できているのではないかと考えています。

最後に、今後の展望についてお聞かせください。

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今後は循環器の診療体制の拡充とともに、救命救急にもより注力していきたいと考えています。救急医療への地域のニーズは高く、特に腹痛、発熱、胸の痛みといった二次救急はできるだけお断りせず受け入れられるよう、循環器、外科、内科の医師3人での当直体制を取っています。現在でも多くの救急車の受け入れをしていますが、これからも可能な限り対策を講じていくつもりです。このような地域のニーズに柔軟に応えらえるのは、中規模病院ならではの小回りの良さ、院内のコミュニケーションの良さも大きいと感じています。先生方は熱意をもって診療にあたっていますし、スタッフは皆顔見知りで、良い意味での身内意識があります。当院のモットーでもある「高度な医療とあたたかい人情の調和」で診療やホスピタリティーの向上を図り、これからも患者さんに必要とされる病院であり続けたいですね。

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宮本 裕治 病院長

1978年大阪大学医学部卒業。同大学第一外科に入局、心臓外科の道へ進む。1986年に医学博士号取得。1987年より米国へ留学、バッファロー総合病院、マイアミ小児病院、ピッツバーグ大学で心臓手術の幅広い臨床経験を積む。帰国後は大阪大学を経て2004年より兵庫医科大学心臓血管外科主任教授を14年間務めたのち、2018年より国家公務員共済組合連合会 大手前病院病院長に就任。

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