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独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター

(大阪府 大阪市中央区)

松村 泰志 院長

最終更新日:2021/08/18

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幅広く専門性の高い診療で多様な患者に対応

大阪メトロの谷町四丁目駅から歩いてすぐのところにある「独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター」。長年「国立大阪病院」の名称で親しまれてきた同院は、2004年4月に厚生労働省から独立行政法人国立病院機構に移管され、現院名に改称された。政策医療分野におけるがん、循環器病(脳・心臓血管疾患)の基幹医療施設、消化器疾患、呼吸器疾患、腎疾患、糖尿病、感覚器疾患、骨・運動器疾患、血液・造血器疾患、皮膚疾患、泌尿器疾患、婦人科疾患、生育医療、感染症、精神疾患、血友病の専門医療施設であり、3次救急にも対応する。583床のベッドと30を超える診療科、20近い部門を備え、幅広い分野で安全で安心な医療を提供することをめざしている。2021年4月、そんな同院の院⻑に就任した松村泰志先生は、循環器内科を専門としながら、医療情報学の分野で病院情報システムの開発・導入に尽力してきたエキスパートでもある。「当院の魅力を発信して、広く地域に愛される病院にしていきたい」と話す松村院⻑に、病院の特徴や今後の抱負について話を聞いた。(取材日2021年6月30日)

貴院が地域で担う役割を教えてください。

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当院は、583床の病床と幅広い診療科を有する大規模病院です。救急では2次および3次救急にも対応しており、国立病院機構運営の病院として、政策医療分野におけるがん、心臓や脳血管などの循環器病をはじめ幅広い分野において専門性の高い医療を提供しています。地域がん診療連携拠点病院、地域災害拠点病院、地域医療支援病院、近畿ブロックのエイズ治療拠点病院ともなっています。特に、災害医療に関しては広域や局所災害に対応することに加え、原子力災害のような特殊な災害にも備える役割を担っているほか、院内にはDMAT事務局が配置されており、災害時の司令塔、隊員の研修までを担っています。臨床研究でも古くから医療発展に貢献し、臨床研究センターでは、新薬等の新しい医療を評価する治験に積極的に取り組んでいます。大阪市内はもちろん、広く関西圏の医療を担う病院の1つです。

貴院の強みは、どういったところでしょうか?

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当院の強みは、幅広くかつ専門性の高い医療を提供できることにより、さまざまな病気やケガはもちろん、複数の疾患を併せ持つ患者さんの対応までできるところです。例えば、心不全がありながらがんになった方や、HIVや血友病の方が大きな外傷を負った場合などには、それぞれの分野の専門知識が必要になりますが、各部門とのスムーズな連携で急な手術にも対応することが可能です。2021年からは血友病診療も開始し、さらに治療領域を広げています。また術後に認知症の症状が表れたり、メンタルが弱まったりする方はたくさんおられます。そういった場合にも、精神科が術後管理やケアに入って、早期のリカバリーに努めるなど、あらゆる場面において総合的に診療へと取り組む体制がしっかりと備わっております。問題を持ちながらも手術が必要な人に対して、アプローチできる手段を持ち合わせていますので、安心して手術に臨んでいただくことができるでしょう。

具体的に、病院の特色となる診療分野を教えてください。

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地域の急性期病院という位置づけからも、当院では長年、脳血管、心血管の血管内治療を得意としてきました。脳血管障害では、血管内治療など先進の治療を提供し、狭心症・心筋梗塞、不整脈、心臓弁膜症などの心臓疾患に関する特殊治療にも対応しています。また、チームとなって1型糖尿病患者さんのトータルサポートを行っており、インスリンポンプ療法などの導入にも力を注いでいます。2型糖尿病に関しても、血糖コントロール不良例には強化インスリン療法を積極的に導入し、日本人の特性を考慮した治療を施行するようにしています。ほかには、緑内障手術に関しては大阪でも多数の手術件数を誇っているほか、乳がんの分野においては他病院やクリニックと共同で抗がん剤治療に関する研究を実施し、日本の医療の発展につなげています。外科手術はもちろん、内科的な緻密な治療や患者さんの生活を考慮したサポートまで行っています。

先進的な医療機器の導入も積極的に行っているそうですね。

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医療全体の流れとして、低侵襲な治療が重視されています。そのため当院でも常に新しい医療設備を取り入れ、先進の治療提供をめざしています。例えば、狭心症や心筋梗塞における心臓バイパス手術・カテーテル手術をはじめ、内視鏡手術、腹腔鏡手術のほか、ロボット支援手術も導入しています。特にロボット支援手術は細かな手術に対応できることから、前立腺がんなどの泌尿器科以外に、婦人科腫瘍、食道がん、胃がん、結腸がん、心臓疾患などにも汎用性があるとされ、今後が期待される分野です。このような技術や機器の進歩で予後の良い手術が望めることから、体力が心配されるご高齢の方も手術を受けることができるようになりました。今後、多くの人が心臓病にかかる時代「心不全パンデミック」が来ると懸念されますが、その時代に備えて、心臓弁膜症や冠動脈疾患の早期発見・早期治療に努め、健康寿命の延伸に向け取り組んでいきたいと思っています。

今後の展望と、読者の方へメッセージをお願いいたします。

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私の当院の第一印象は、皆が真面目で熱心ということでした。また、非常に機動力が高い面にも驚きました。例えば、顔面損傷の外傷で患者さんが運ばれてきた時には、救急の先生のみならず口腔外科、形成外科の先生も入って臨機応変に対応するのです。組織が大き過ぎず、かといって小さ過ぎないことで、お互いの顔を見ながら連携し、かつそれぞれの専門性をしっかり発揮することができるのだと思います。そのほか当院では眼瞼下垂の手術や難聴の治療・相談といった、QOL向上を目的とした診療も得意としていますが、まだまだ大きな手術をメインとした病院といったイメージがあるようです。今後は、当院の強みや特徴をしっかりお伝えしていきたいですね。建て替えも予定していますので、地域の方々のニーズや領域を広げた診療にも応えながら、長く愛される病院をめざしていきたいと思います。

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松村 泰志 院長

1985年大阪大学医学部卒業。臨床経験を積んだ後、同大学大学院にて循環器内科分野研究に打ち込み、学位を取得。病院移転を機に、院内設備やシステム導入による効率化、情報の共有化をめざすインテリジェントホスピタル構想に携わり、以後、長年にわたり情報システム領域を担当。医療情報とバイオインフォマティクスを連携させた次世代の医療研究基盤の構築に尽力する。2021年4月より現職。愛読書は歴史小説。

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