母と子を主役にして
自信を育む多様な出産方法
医療法人愛賛会 浜田病院
(大阪府 大阪市平野区)
最終更新日:2025/10/01


- 自由診療
- 妊娠高血圧症候群
少子高齢化が進み、出産が人生の一大イベントとなった今、産婦人科に求められるものは年々大きくなっている。平野区にある「浜田病院」は、1971年の開院以来、多くの分娩を取り扱い、地域に根差した診療を行ってきた。母親と赤ちゃんを主役と考え、「母親の産む力」と「妊婦の思い」を尊重した自然なお産を基本に、計画分娩や無痛分娩にも対応。助産師や保健師など専門職による産前・産後のサポートも含め、新たな命の誕生を喜ぶ体制を整えている。毎年数多くのお産に携わる室谷毅(むろたに・つよし)院長がめざすのは、母と子、家族をサポートし妊娠出産をポジティブな出来事として、平野区を子育てしやすいエリアにすることだという。今回はそんな同院が提供する分娩や産前・産後のサポートについて話を聞いた。(取材日2025年8月20日)
目次
母親が持つ新しい命を生み出す力をサポートし、出産をポジティブな体験に
- Qお産について漠然とした不安を持つ女性は多いようです。
- A
出産がポジティブな思い出になるようあらゆる不安解消に努める
当院では毎年数多くのお産に携わっていますが、どんなベテランのお母さんでもお産には不安を感じるものです。それが初めてのお産であれば、その不安はなおさら大きくなるのも自然なことです。一方で、お産は人類の誕生以来続く自然の営みでもあります。すべてのお母さんには新しい命を生み出す力が備わっており、たとえ医師の介入で吸引分娩や帝王切開が必要になったとしても、その力は変わりません。そこで、当院では妊娠から出産まで、助産師が親身になって寄り添い、「母親の産む力」と「妊婦の思い」を尊重した自然なお産を基本としています。不安があればその都度解消できるよう、精いっぱい努めますのでご安心ください。
- Q一般的な分娩方法について教えてください。
- A
分娩方法について解説する室谷毅院長
当院では、お母さんと赤ちゃんにとって最適なお産を実現するため、さまざまな分娩方法に対応しています。ただし基本は、母体の力を尊重し助産師が寄り添いながら進める自然分娩で、陣痛の始まりから出産までできるだけ医療的介入を抑え、自然の流れに沿って赤ちゃんを迎えます。子宮の収縮やお母さん自身の呼吸・息みのタイミングを大切にしながら進める出産方法ですから、陣痛の苦労や不安は感じます。それでも出産後には「自分の力で産んだ」というポジティブな体験として心に残る人が多い方法だと考えます。もちろん医師が母子の安全をきちんと見極めていますから、必要があれば適切な医療介入を行ってサポートしています。
- Q計画分娩ではどのようなことをするのですか?
- A
医師と相談し出産予定日に向けて準備を進める
計画分娩とは、出産の日程をあらかじめ医師と相談し、計画に沿って薬剤で陣痛を誘発して進める分娩方法です。妊娠高血圧症候群、胎児発育不全、予定日超過など、医学的な必要性がある場合はもちろん、家族の予定や上のお子さんの預け先の確保、立ち会い出産を希望する場合に、家族の都合に合わせて計画的に出産できるのが大きな特徴です。医療管理がしやすいため、無痛分娩や妊娠高血圧症候群などのハイリスク妊娠の分娩方法としても採用されます。ただし、自然な陣痛の始まりを待つ分娩とは異なるため、陣痛誘発に伴うトラブルの可能性や予定したとおりに進まない場合もあることを十分に理解した上で、医師と相談して計画することが大切です。
- Q無痛分娩についても教えてください。
- A
出産時の身体的負担を少しでも軽減できるようサポート
無痛分娩は、麻酔を使用して陣痛の痛みの緩和を図りながら出産する方法のことです。当院では2025年10月現在、経産婦の方のみを対象ですが、今後対象を拡大予定です。麻酔は、背中から細いチューブを留置し、腰の部分から細いカテーテルを入れて局所麻酔薬を持続的に注入する硬膜外麻酔という方法を用います。全身麻酔とは違って意識がはっきりと保たれた状態でお産を進めますので、無痛分娩でも「自分の力で赤ちゃんを迎える」ことに変わりはなく、出産後には達成感や充足感を味わうことができるでしょう。ただし、麻酔の使用に伴うリスクはゼロではありません。重篤な合併症はまれですが、事前に十分な説明を受け、慎重に検討しましょう。
- Q産前産後のケアも充実しているそうですね。
- A
同院では美容師によるシャンプーのサービスを実施
当院では妊娠中から出産、そして産後まで、母子の心と体をきめ細かくサポートする体制を整えています。妊娠中は助産師が親身になって寄り添い、日々の過ごし方から出産・育児への心構えまで丁寧にお伝えします。産後も母乳育児に関するアドバイスをはじめ、管理栄養士による食事サポートや保育士による育児相談など、多職種でお母さんを支え続けています。また、当院は大阪市・八尾市・松原市・羽曳野市・藤井寺市・東大阪市・柏原市が実施する「産後ケア事業」の対象施設でもあります。核家族化が進む現代において、地域のサポートは子育てに欠かせません。産後の入院延長も柔軟に対応していますので、どうぞお気軽にご相談ください。

室谷 毅 院長
京都府立医科大学を卒業後、大阪急性期・総合医療センターやベルランド総合病院、オーク住吉産婦人科、PL病院、聖バルナバ病院などに勤務。2019年4月には100年以上の歴史を持つ小川産婦人科を継承し、医療法人れんげ会を設立。2024年にはより深い病診連携をめざして浜田病院と経営を統合し、院長に就任。妊娠出産だけでなく、産前・産後の支援を通して、平野区を子育てしやすいエリアにするべく尽力している。