医療法人愛賛会 浜田病院
(大阪府 大阪市平野区)
室谷 毅 院長
最終更新日:2025/10/01


妊娠・出産・子育てをトータルでサポート
大阪メトロ谷町線・喜連瓜破駅より徒歩6分。住宅街の中にある「浜田病院」は、開院から50年以上にわたって地域に根差す産婦人科病院。現在は産科・婦人科・小児科を備え、薬剤師、検査技師、管理栄養士、保育士、ソーシャルワーカーなど多彩なスタッフが在籍。妊娠・出産・産後のサポートを中心に、女性の一生を通じた健康を支える医療を提供している。2024年には更なる医療サービスの向上をめざし、小川産婦人科との経営統合で病診連携体制を強化。周産期医療に豊富な経験を持ち「どこまでもHAPPYな病院をめざす」と明言する室谷毅(むろたに・つよし)院長を中心に大きな一歩を踏み出した。核家族化、少子化が進む時代のニーズに合わせ無痛分娩や計画出産にも対応し、同伴分娩や赤ちゃんのきょうだい児を連れての滞在など、出産をポジティブな思い出にするべく誠心誠意取り組む同院の特徴と、診療にかける思いについて話を聞いた。(取材日2025年8月20日)
まずは病院の成り立ちから聞かせてください。

当院は1971年に開院し、半世紀にわたって女性の妊娠・出産に向き合ってきた産婦人科病院です。すべての母子とご家族を支えることを目標として、これまで数多くの「新しい命」の誕生をサポートしてきました。しかし、開院当時に比べると生活様式・食生活・家族の在り方など、産婦人科に求められる医療のかたちも変化を遂げています。少子高齢化が進む現代において、命を育む女性たちにより良い医療サービスを届けるためには、私たちも変わり続けなければなりません。そこで、2024年11月に平野区で100年以上の歴史を持つ医療法人れんげ会「小川産婦人科」と経営統合し、れんげ会グループとして新たに運営を開始。病診連携体制をさらに強化し、新たなスタートを切ったところです。
診療の特徴についても聞かせてください。

当院は、妊娠・出産・産後のサポートを中心に、女性の一生を通じた健康を支える医療の提供をめざしています。産科では、無痛分娩・計画分娩・帝王切開など多様な分娩方法に対応するだけでなく、出産の立ち会いや、中学生以下のお子さまと一緒に入院できる「チャイルドステイ」など、ライフスタイルやご希望に合わせた選択ができる体制を整えており、お母さんと赤ちゃんが主役の出産の実現に向けて最大限のサポートを行っています。また、助産師による母乳育児支援や産後ケア、小児科との連携による新生児サポート、管理栄養士による栄養指導や保育士による育児相談に加え、心療内科の医師やソーシャルワーカーも在籍。出産前後の安心をトータルでサポートできることも、当院の大きな強みだと考えています。
病診連携についてはいかがですか?

私は、女性たちが安心して妊娠期間を過ごし、子どもを産み、わが子を育てていくためには、地域全体でお母さんと赤ちゃんの健康を支える必要があると考えています。そこで、同グループ内の「小川産婦人科」との連携はもちろん、地域の産婦人科クリニックとも積極的に連携しており、妊婦健診を提携クリニックや当院以外で受けている方も、夜間や休診日に受診が必要になれば、当院で必要な医療ケアを受けていただける体制を整えています。また必要に応じて、歯科、内科、泌尿器科、循環器内科、呼吸器内科、消化器内科をはじめとする幅広い専門科と連携し、安心して妊娠・出産に臨めるよう、全身の健康管理をサポートしています。ハイリスク妊娠や緊急時など、当グループで対応が困難な際は、高次医療機関とシームレスにつながれる病病連携体制も確立していますので、どうぞご安心ください。
人材育成への取り組みはいかがでしょうか?

妊娠・出産が当たり前でなくなった現代だからこそ、私たちは、妊娠・出産の時間をその人らしくかけがえのない時間にしてほしいと願っています。妊娠・出産は決して楽なものではありませんが、だからこそ得られる大きな喜びや幸せがある。その幸せを存分に受け取ってほしい。われわれの使命はそのためのサポートをすることです。そこで、重要になるのが当院で働くスタッフ全員が幸せな気持ちでいること。幸せにはいろいろなかたちがあるので、「休みがたくさんあってお給料が高ければ幸せ」という人もいるでしょう。もちろん、それは間違いではないのですが、それ以上に成長や自己実現を幸せとして働いてほしい。誰かのありがとうに満たされた時、人は本当の意味で優しくなれるのではないかと思います。当院をご利用くださる方々に本当の意味で安心と幸せを届けられるよう、まずは当院を「人が育つ場所」にすることを目標としています。
最後に今後の展望と、地域の方々へのメッセージをお願いします。

私は平野区を、そして大阪を、どこよりも子育てしやすい場所にしていきたいと考えています。その夢を実現するために、すべての母子とご家族を支え、1ヵ月健診では終わらないサポートと、新しい家族をつくるお手伝いをしていきたい。医療面でのサポートはもちろんですが、れんげ会グループ内の助産院はぐくみとママ向け学習・交流サロンとも連携し、悩みや不安に寄り添って孤独感を和らげること、妊娠・出産・育児を通して「自分にもできるんだ」という自信を持っていただくこと、そしてすべてのお母さんと赤ちゃんが「生まれてきて良かった」と感じられる社会の実現に向けて、誠心誠意取り組んでまいります。快適なアメニティーと真心のこもったサービスを提供できるよう、スタッフ一同が成長していくことをお約束するとともに、これからも地域の皆さま、医療機関の先生方と手を取り合って歩んでいけたらと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

室谷 毅 院長
京都府立医科大学を卒業後、大阪急性期・総合医療センターやベルランド総合病院、オーク住吉産婦人科、PL病院、聖バルナバ病院などに勤務。2019年4月には100年以上の歴史を持つ小川産婦人科を継承し、医療法人れんげ会を設立。2024年にはより深い病診連携をめざして浜田病院を経営統合し、院長に就任。妊娠出産だけでなく、産前・産後の支援を通して、平野区を子育てしやすいエリアにするべく尽力している。