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膝・股関節の人工関節手術
早期回復をめざすリハビリテーション

医療法人高遼会 高遼会病院

(大阪府 大阪市平野区)

最終更新日:2022/08/24

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  • 保険診療
  • 関節リウマチ
  • 変形性膝関節症
  • 変形性股関節症

超高齢社会を背景に、変形性膝関節症などで歩行に障害を抱える高齢者は増加傾向にある昨今。悪くなった膝・股関節を人工関節に置き換えることで痛みを軽減し、歩行や日常動作の回復をめざす人工関節手術のニーズは高まってきているそう。「高遼会病院」の飯田高広理事長は、膝・股関節の人工関節手術に20年以上携わってきたドクターだ。同院では経験豊富な医師や看護師、コメディカルスタッフがそろい、侵襲の少ない人工関節手術に取り組んでいる。手術の成果を最大限に発揮させるべく、術前・術後のリハビリテーションにも注力。「歩ける喜びをたくさんの患者さんに与え続けたい」と語る飯田理事長に、人工関節手術について詳しく聞いた。(取材日2020年8月7日)

検査・治療前の素朴な疑問を聞きました!

Qどのような症状に対して、人工関節手術は行われますか?
A

代表的な疾患は、変形性膝関節症ですね。加齢とともに膝の軟骨がすり減り、関節が変形する病気です。変形が進行すると膝を動かす度に痛みが起こり、膝の曲げ伸ばしがつらくなってしまいます。階段の上り下りや歩行に困難が生じるなど、日常生活に支障を来すようになることも少なくありません。高齢者が寝たきりになる原因の一つです。保存療法としては、ヒアルロン酸の関節内注射や関節にかかる負担を軽くするための装具の着用などが行われます。関節全体に重度の変形が見られ、日常生活が大きく制限されるような場合には、人工関節手術が検討されます。なお、変形性股関節症や関節リウマチも人工関節手術の適応となる疾患です。

Q手術のメリット・デメリットは何でしょう?
A

最大のメリットは、動きに伴う痛みの軽減が期待できることです。関節の動きが改善されれば、歩行や生活動作もスムーズになります。人によっては自転車に乗れたり、旅行に行けるようになったりすることも望めます。痛みを理由に諦めていたことができるようになれば、高い満足感が得られるでしょう。一方、デメリットは、手術時の出血による貧血のリスクがあること、術後の膝屈曲角が120~135度と限られてしまうことです。それ以上の膝深屈曲を要する正座は難しくなり、和式の生活から椅子を使う洋式の生活へ見直す患者さんも珍しくありません。また、手術に伴う傷の痛みは1~2週間ほどで治まります。

Q術前・術後のリハビリテーションについて教えてください。
A

人工関節の機能を最大限に引き出すためには、リハビリが欠かせません。当院では術前から退院後まで365日切れ目のないリハビリを提供しています。術後のリハビリが円滑に進むように、術前から外来でのリハビリに取り組んでいるのが特徴です。正しい歩行姿勢の訓練や筋力トレーニングを理学療法士がマンツーマンで指導していきます。そして、術後は翌日から起き上がり動作やトイレ動作などの練習を開始し、痛みに問題がなければ術後2~3日目から歩行訓練や筋トレを行います。歩き方が崩れていると膝以外の箇所が痛くなることもあるため、姿勢の改善を図りながら、屋外でも歩行訓練をします。実際の生活に踏み込んだ動きも練習していきます。

検査・治療START!ステップで紹介します

1問診票に記入後、看護師によるヒアリング

医師の診察を受ける前に、問診票に沿って症状の確認、既往歴、生活背景などについて看護師がヒアリング。痛みの程度や歩ける距離、階段の昇降の様子のほか、生活での困り事があれば伝えておく。初期情報をもとに医師による診察やエックス線検査を行い、関節の動きや角度を確認する。

2術前検査と各種説明

医師による診察と手術についての説明の後、術前検査を経て治療開始。手術の目的や手術によってめざすゴールをはじめ、人工関節を使い続けるために行う術前・術後の筋力トレーニングや体重管理について情報を共有する。事務スタッフから入院までのスケジュールや入院生活に関する説明もなされる。患者が納得して手術を選択できるように、意思決定支援も行う。

3術前リハビリテーションを開始

術後のスムーズな回復に向けて、筋力をつけておく術前リハビリを実施。手術前日まで外来でのリハビリに通い、理学療法士による筋トレや歩行訓練を行う。少しでも筋肉をやわらかくしておくことで、術後の動きもスムーズになることが期待できるとか。入院後は、食事などの制限はなく、下剤で排便をコントロールして手術に備える。手術当日のみ、尿道カテーテルが使用される。

4人工関節手術を実施

手術の準備が整えば、クリーンルームと呼ばれる感染対策が徹底的に施された手術室へ。全身麻酔をかけた後、手術開始。できるだけ皮膚切開を小さくする最小侵襲手技(MIS)という方法を採用しているため、痛みが少なく術後の回復が早いという。手術は1時間半~2時間程度で終了。血圧や体温、足の動きなど、看護師が適宜チェックする。手術当日と翌日は、鎮痛薬で痛みの緩和を図る。

5術後のリハビリテーションで早期回復をめざす

入院時より早期離床や積極的な運動を行うことで、スムーズな回復が期待できることから、手術翌日からベッドを離れ、車いすや歩行器を使った訓練を開始。まずは痛みの緩和から、回復状況に応じて、メニューを変えながらリハビリを継続。日常動作の注意点など細かく教えてくれる。退院までの期間は平均3週間~1ヵ月。1日2~3時間の動作訓練を集中的に行う。退院後も、外来や訪問、通所リハビリを継続的に続けていく。

患者さんへのメッセージ

飯田 高広 理事長

2002年滋賀医科大学卒業。大阪市立大学医学部付属病院整形外科での研修を経て、大阪市立総合医療センター、大阪府済生会中津病院、中河内救急救命センター、白浜はまゆう病院などで勤務。関節外科を専門とし、多くの人工関節手術を執刀。学生時代はサッカーに打ち込み、自身が膝のケガで苦しんだことも整形外科をめざした理由。

一昔前なら術後1ヵ月間はベッドの上で安静に過ごさなければなりませんでしたが、今は手術をした翌日には体を動かすことができ、術後の痛みも少なくなりました。使われる金属製の人工関節は、20年程度の耐久性があるとされていますが、技術進歩によりさらに長期的に使用できるものも出てくると思われます。何歳になっても自分の足で歩ける自立した生活を送るためにも、ぜひ多くの人に人工関節手術が有用性の高い治療であることを知ってもらいたいと思います。これから先も痛みを我慢しながら暮らすのか、10年、20年後の生活をイメージして、治療の選択肢の一つとして人工関節手術を検討してみてください。

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