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国立大学法人 京都大学医学部附属病院

(京都府 京都市左京区)

宮本 享 病院長

最終更新日:2022/10/03

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革新的医療開発と地域医療への貢献をめざす

医学研究に積極的に力を⼊れながら、京都府の地域医療の中核でもある「京都⼤学医学部附属病院」。iPS細胞を用いた再生医療などを筆頭に、革新的な医療技術を1日でも早く必要とする患者に届けるための研究に力を注ぐ一方で、がん診療連携拠点病院、災害拠点病院、総合周産期母子医療センターとして多数の救急搬送や⼿術の受け⼊れを⾏い、京都府⺠をはじめ全国の患者の命と健康を守るべく急性期医療を提供している。2019年4⽉に就任した宮本享病院⻑は「For the patient(すべては患者さんのために)」を病院運営の中⼼に置き、医師、看護師、薬剤師、栄養⼠、検査技師、理学療法⼠、事務部⾨などの多くの職種がチームとなって患者に寄り添う医療を⾏う体制を強化している。地域における同院の役割や未来につながる先端医療の現状などをわかりやすく話してもらった。(情報更新⽇2022年9⽉15⽇)

京都大学医学部附属病院が担う役割について教えてください。

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当院の基本理念は、「患者さん中心の安全で質の高い医療提供」、「新しい医療の研究開発を通した社会貢献」、「⼈間性豊かな医療⼈の育成」。京大病院といえば、先進的な医療の研究開発をご存じの方も多いかと思いますが、当院は京都の地域医療の中核でもありますので、多くの手術や救急にも対応している病院です。2019年に認定となった総合周産期母子医療センターでは、妊娠・分娩管理から産後の危機的出血の治療まで妊娠に関わるすべての疾患に対応するとともに新生児の手術・管理も行っています。断らない産科救急をめざし地域医療に貢献するためNICUも増床し、今では京都府下最大規模。そして2015年以降は、災害拠点病院としてのヘリポート整備や重症処置室を備えた救急科外来の整備、集中治療病床を集約配置した急性期疾患専用病棟の新設、モデル病床の設置など病院機能の拡充を図る整備を次々と進めてきました。

地域の中核病院として、救急医療や手術も重視しているのですね。

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先端医療を研究・実践するだけではなく、救急医療や地域医療において有病率の高い疾患にしっかりと向き合う必要があると思っています。集中治療室は合計90床あり、高難度の救急患者も受け入れる体制ができています。救急搬送の受け入れ台数は2021年4月〜2022年3月の間で6000台以上。手術では、手術支援ロボットや高磁場術中MRI装置、ポータブルCTなどの新技術も活用して低侵襲かつ安全性に配慮した治療を追求。ハイブリッド手術室やバイオクリーン手術室などさまざまな24の手術室があり、陰圧室化装置の設置を進めることで、コロナ禍でも手術を止めることなく実施できています。

がん医療やその他医療への取り組みについてお聞かせください。

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2007年に施⾏された「がん対策基本法」と同じ年に、「がんセンター」を設⽴しました。それまでの⼤学病院は縦割りで、各診療科が個別に診療するのが当たり前だったのですが、がんセンターを設⽴したことで、各診療科、各職種を横断してがん診療に取り組むようになりました。標準治療がない患者さんに対して、多数のがん関連遺伝子を同時に調べ、その人に合った治療薬を探すなど、がんゲノム医療中核拠点病院としての取り組みも行っています。また、てんかん、もやもや病、脳卒中、VHL(フォン・ヒッペル・リンドウ)病、高度摂食嚥下障害などの疾患についても、それぞれ診療科横断的に診察を行う組織を設置するなど、多診療科、多職種が一体となって診療にあたっています。

次世代医療への取り組みについてお聞かせください。

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京都⼤学iPS細胞研究所と連携して、iPS細胞を実際に病気の患者さんへ応⽤する研究を進めています。2017年に、前臨床段階において患者さんまたは健常者由来のヒト生体試料、いわゆるクリニカルバイオリソースを効率よく収集、管理、活用する「クリニカルバイオリソースセンター」を設置し、2020年には治験等を行う専用病棟として「次世代医療・iPS細胞治療研究センター」も開設しました。実際に、iPS細胞を⽤いた治験としては、脳神経内科ではパーキンソン病に、整形外科では関節軟骨損傷に対して医師主導治験を、⾎液内科では血小板減少症患者に対する企業主導治験を行っています。

病院長として、何を大切に病院を運営していますか?

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病院は「病を治し患う⼈を癒やす」ために存在しています。すなわち、病院運営の基軸はいつも「For the patient(すべては患者さんのために)」なのです。医師やスタッフ全員がこの意識を持ち、チーム⼀丸となって医療を提供するよう訴え続けています。2022年には「PFM(Patient Flow Management)センター」を開設しました。外来から入院、退院後に地域の医療機関や介護施設等につなぐまでを一貫して支援することで、患者さんとその家族へ切れ⽬のない医療を提供します。京都府⽴医科⼤学附属病院をはじめ、近隣の医療機関や、京都府医師会とも良い連携が取れています。また、保険診療の範囲では治療⼿段のない疾患の患者さんには、先進医療、治験などを紹介する「臨床研究相談窓口」も設けていますので、お困りの⽅は気軽に相談してください。

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宮本 享 病院長

1982年京都大学医学部卒業。国立循環器病センター(現・国立循環器病研究センター)脳神経外科で卒後臨床研修を経験。同センター脳神経外科部長を経て、2009年京都大学大学院医学研究科脳神経外科学教室教授、同大学医学部附属病院副病院長。2019年4月から現職。専門は脳神経外科全般。日本脳卒中学会理事、日本脳神経外科学会理事長。

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