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医療法人社団広仁会 広瀬病院

(福岡県 福岡市中央区)

古賀 稔啓 院長

最終更新日:2022/01/14

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高い専門性でがん患者を総合的にサポート

乳がんを中心としたがんに専門性を持つ「広瀬病院」は、「がん診療」「終末期医療」「健診」の3つを柱に、患者との心のつながりを大切にした病院づくりに取り組んでいる。院長を務める古賀稔啓先生は、これまで多くの手術も手がけてきた乳腺外科のエキスパート。以前は365日24時間体制の急性期医療機関として救急医療にも対応していたが、2016年よりがん患者への総合的なサポートに注力すべく、専門性に特化した病院として再始動した。入院施設62床のうち13床が緩和ケア病床。終末期医療は男女問わず、乳がん以外のがん患者にも対応しているという。福岡市中央区の渡辺通り沿いというアクセスの良い場所にあることから「遠方にいる家族が会いに来やすいことも患者さんの安心感につながっていると思います」と古賀院長。乳がんに限らず早期発見が患者のその後の人生を左右する。それが健診にも力を注ぐ理由なのだそう。消化器、糖尿病、循環器を専門とする医師による診断に加え、麻酔科の医師がペインクリニックの診療を担当するなど、専門性に長けた診療体制を展開する同院。古賀院長に柱とする取り組みを中心に話を聞いた。(取材日2021年11月19日)

病院の成り立ちについてお聞かせください。

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この病院は先代の院長が1963年に、主に救急二次医療機関としての役割を担う「広瀬外科医院」を開院したのが始まりです。その後、徐々に規模が大きくなり、一時は100床を超える病床を持つ急性期病院として24時間体制の救急医療にも対応していました。しかし、時代が進むにつれて医療のかたちも変わっていき、ずいぶんと細分化されていったんですね。正直、365日24時間対応するための体制づくり、特にマンパワーを確保するのは難しく、大きな病院のような設備を整えるには規模的にも限界がありました。そのため、救急医療の役目を終え、より専門性に特化した病院づくりへと方向転換することにしたのです。私は2001年に院長へと就任しました。長らくがん医療に携わっていた経験を生かし、少しずつがん医療の強化を図る中、2005年に福岡の中心地も大きな被害を受けた福岡県西方沖地震が発生。当院も建て替えを余儀なくされました。

さまざまな出来事が重なり、病院の再構築をされたのですね。

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この辺り一帯が再開発に入り、当院も2008年に当地へ移転。面積の問題もあり、病床を縮小せざるを得ませんでした。そこで、得意分野である乳がんを中心としたがん専門病院として、2016年からは「がん診療」「終末期医療」「健診」の3つを柱としています。がん患者を総合的にサポートする、62床の入院施設を備えた病院へと再構築しました。乳がんについては診断、手術、化学療法、その後のフォローまでカバー。私自身多くの乳がん手術も手がけてきましたし、もともと地域密着型でやってきた病院ですので、より専門性に特化した地域の方が利用しやすい病院づくりに取り組みました。そうした中、アクセスが良いこともあってか県外からの方も増え、福岡から近い韓国や中国からも患者さんが来院されるようになったんです。今は新型コロナウイルスの影響で外国からの患者さんは少ないですが、手軽に情報が入手できる時代になったことを実感しましたね。

がんの診断と緩和ケアについても詳しく教えていただけますか。

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診断後、乳がん以外のがん患者さんに関しては適した機関へご紹介しています。また、当院の特徴から緩和ケア病棟は乳がんの患者さんのためと思われがちですが、男女問わず他のがん患者さんもご利用いただけます。乳がんの患者さんと他のがん患者さんとの割合でいうと半々くらいです。専門のスタッフを配置し、院内コンサートなど患者さんに喜んでいただけるようなイベントを企画したり、時にはご家族と一緒に楽しんでいただくことも。当院は非常にアクセスの良い場所にありますので、遠方に住んでおられるご家族が通いやすいことも患者さんの安心感につながっていると思います。そして2017年には地域包括ケア病床も開設しました。これは急性期の治療を終了し、病状が安定している患者さんに対して、在宅復帰に向けて医療管理、リハビリテーション、退院支援などを行うための病床です。こういった支援があることも多くの方にお伝えしたいですね。

健診は一般に加え、企業健診にも注力されているそうですね。

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乳がんだけでなく、すべてのがんにおいて早期発見が患者さんのその後の人生を左右することから、一般健診に加え、企業健診にも力を入れています。早期に治療できれば再発リスクの軽減も期待できるため、人間ドックや健康診断などを実施し、消化器、糖尿病、循環器を専門とする医師による診断も行っています。また、乳がんの方の中には、循環器疾患も患っておられる方も多く、当院で手術を行う際は場合によっては専門の医師に介入いただきます。また、麻酔科の女性医師によるペインクリニックの診療も当院の特徴と言えるでしょう。今の時代、われわれのような規模の病院の在り方として、各分野に長けた病院との連携が不可欠です。超高齢化社会になり、地域医療が担う役割というのも大きな割合を占めていますし、いかにそこを充実させ、一人でも多くの方の人生を豊かなものにできるかが重要だと考えています。各施設との連携力。チーム医療に重きを置いています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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特に乳がんは早期に発見できれば決して悲観されるような病気ではないと思います。手術に関しても講じる手立ては数多くあります。なぜがんになるのかという前駆体に関しては、まだ解明されていないことが多いものの、今後少しずつ明らかになってくれば、最初になくなるがんは乳がんであるだろうと大いに期待しています。それだけ乳がんというのは他のがんに比べ予後が良いのが特徴。患者さんに喜んでもらえるのが医療人の根本であると考えています。そのためには気持ちが通じ合わなければなりません。患者さんの心だけでなく体にも触れるのが私たちの仕事。がんの早期発見に努め、各分野と連携し、乳がんに関しては専門性の高さを生かした診断、手術治療、化学療法、緩和ケアまで長期フォローを担う。そんな「がんの診断」「終末期医療」「健診」の3本柱を今後も強化し、より患者さんと心が通い合う病院づくりに取り組んでまいりたいと思います。

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古賀 稔啓 院長

1982年久留米大学医学部卒業後、同大学医学部第一外科講座入局。久留米大学医学部外科学助手、久留米大学医学部外科学講師などを経て2001年広瀬病院院長に就任。乳がんの総合的診療に取り組み、2016年より乳がんを主としたがんに特化した病院として「がん診療」「終末期医療」「健診」の3つの柱を強化。心のつながりを大切に未来へ向けた病院づくりに力を注ぐ。日本乳癌学会乳腺専門医。日本外科学会外科専門医。

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