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医療法人社団研英会 林眼科病院

(福岡県 福岡市博多区)

林 研 院長

最終更新日:2021/12/28

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安全性の高い眼科手術をめざし日々まい進

1965年に開業し、福岡エリアの眼科医療をけん引してきた「林眼科病院」。白内障をはじめ、緑内障、網膜剥離、糖尿病と関連した目の病気など幅広い疾患に対応している。さらに月に数回、大学病院から医師を招き、白内障や緑内障の難症例を専門に診る外来も設置。地域の人々に「眼科の悩みなら林眼科病院に聞けば大丈夫」と認知してもらうための体制をじっくりとつくり上げてきた。そんな同院の特徴の一つに、院内でのセカンドオピニオン体制がある。一つの疾患に対し2〜3人の医師を配置し、多角的な意見を出し合うことで、患者の疑問や不安を払拭し、疾患への理解を深めていくという。「1日がかりになることもありますが、複数の意見を聞くことで安心して手術に臨んでほしいと思っています」と語るのは、院長も兼務する林研(はやし・けん)院長。同院の医師は、いずれも大学病院や基幹病院などで研鑽したベテランばかり。その中心にあるのは「安全な手術を提供したい」という、開業時から継承される揺るぎない信念だ。眼科医療に貢献していきたいという強い思いを具現化する同院の診療について、林院長に詳しく話を聞いた。(取材日2021年11月16日)

歴史ある病院と伺いましたが、成り立ちや特徴を教えてください。

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当院は1965年、博多駅前4丁目に父が20床の眼科診療所を開業したことから始まりました。当時から新しい技術の導入や検査体制の充実化に注力しており、それは現在も「安全第一の手術をめざす」というポリシーとして受け継がれています。2007年に現在の場所に移転し、病床もさらに増えました。前述したとおり、当院が最も力を入れているのは手術です。近隣の方だけではなく、佐賀、大分、長崎、山口など県をまたいで来院される方もおられます。手技や機器も新しいものを随時取り入れているため、角膜移植などの非常に難しい手術にも対応できるのが当院の最大の特徴でしょう。当院で対応が難しいのはぶどう膜炎など、服薬による強い副作用などが懸念される疾患です。これらは内科などの専門的な知識が必要になるため、大学病院などにご紹介しています。そういった特殊なケース以外は、当院で検査や診察、手術まで一貫して対応できる体制を整えています。

その手術を支えているのが、医師の皆さんなのですね。

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当院に在籍する医師は常勤だけでも20人ほど。いずれも大学病院などに10年から20年ほど勤め、各々の専門分野を身につけている精鋭ばかりです。例えば白内障でも2〜3人、緑内障でも同等の人数を配置しており、さらにその各分野の医師にセカンドオピニオンができる体制になっています。一度の診察で、患者さんが複数の医師による異なる視点での意見が聞けるようになっているのです。そのため患者さんには多くの時間を割いていただくことにはなりますが、情報を咀嚼し、納得された上で手術などを選択できるようになっている点は、患者さんにとっても安心につながる環境なのではないかと考えます。また月に数回、白内障や緑内障などの中でも、さらにまれな症状がある方に向けた外来を設けています。専門性をより極めた先生方を大学病院などからお呼びし、院内の医師よりもさらに専門性に特化した診察を行っています。

先生方はどのようにして研鑽を積んでおられるのですか?

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院内で行う手術はすべて録画し、院内の医師はいつでも見られるようにしています。自分が得意とする分野はもちろん、ほかの専門分野の医師がどんな診療をしているかを学ぶことで、院内での知識・技術の循環が生まれます。その循環があるからこそ、医師が提供する医療の質も維持できるのだと思います。また視能訓練士の専門性が非常に高い点も、当院の特徴の一つです。精度の高い手術を行うには正確な診断が不可欠で、その診断の正確性を裏づけるには精密な検査が必要なのです。視能訓練士は比較的若く20代もいますが、どの視能訓練士も「当院に数年勤務すれば、どの病院に行っても恥ずかしくない力を身につけられるようにしよう」という意識で、日々仕事にあたっています。これは看護師も同様です。当院の看護師はベテランばかりなので、手術を担当する際もスムーズに対応ができるため、先生方も力を存分に発揮できているのです。

病院内だけでも学びを得られる機会がとても多いのですね。

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縦割りの構造になっていないことも、学びやすい環境づくりにつながっているのかもしれませんね。私もまだ現役で診療に出ていますが、「自分よりも若い医師の意見がこの症例には合っている」と理解すれば、当然ながらその医師の意見をメインに意見を集約させていきます。あえて医師全員の意見を統一しようという働きかけはしていないため、院内でもあらゆる意見が聞けるのです。だからこそ患者さんも遠慮なく質問ができるのではないでしょうか。また当院では論文発表にも力を入れています。当院の中だけで知識を循環させるのではなく、眼科医療全体の底上げにも寄与したいという考えは、昔から変わっていません。治験の依頼もありますし、病院同士の連携、病診連携、そして若手医師の育成も、今後はさらに力を入れていきたいと考えています。特に当院は手術教育がしやすい環境とも言えますから、後進の育成はこれからの大きな課題の一つだと考えています。

今後の展望や、読者へのメッセージなどをお聞かせください。

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眼科に限らず、手術の技術は日々向上しています。「この症状は白内障かもしれない、でも手術になったら怖い」と思うのは当然のことですが、早めの治療であればあるほど視機能の維持をめざせる可能性は高いですし、当院の医師も、体への負担の少ない低侵襲な手術の実践、視機能の維持という点はかなり重視しています。また、患者さんには過度な緊張なく、楽に手術を受けてほしいと常々考えており、手術内容や患者さんの緊張度に応じて笑気麻酔、全身麻酔にも柔軟に対応しています。手術前には模擬の手術台に横になっていただき、その際の緊張度合いを把握して麻酔の種類を決めるなど、さまざまな工夫も取り入れています。いずれにせよ「安全第一の手術をめざす」というポリシーは変わりません。これからも地域の病院、クリニックと密に連携しつつ、地域患者さんの目を守っていく最前線の場所でありたいですね。

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林 研 院長

1982年に九州大学医学部を卒業。その後は米国ハーバード大学で角膜創傷治療の研究に携わり、帰国後は九州大学大学院、九州大学医学部の非常勤講師などを経て、1991年に林眼科病院副院長に就任。先代院長である父とともに臨床経験を積み、院長を経て2010年より理事長職を兼務。専門性の高い医師らによるチーム医療を実現。今もなお外来診療にも精力的に取り組んでいる。日本白内障屈折矯正手術学会理事。

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