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医療法人財団華林会 村上華林堂病院

(福岡県 福岡市西区)

山田 猛 病院長

最終更新日:2025/03/06

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地域住民の生活を支え、一生涯のサポートを

福岡市西区の地域医療を支える「村上華林堂病院」は、総合診療を基盤としながら、内科、整形外科、眼科を中心に、幅広い診療体制を整えている。その中でも特に、神経難病や透析、在宅医療に注力し、複雑な合併症を抱える患者についても、各科の医師と協力しながら、生活の質を落とすことなく治療に取り組むための工夫に力を入れている。地域の診療所や専門病院と連携し、患者の状態やライフスタイルに応じた医療を提供。高齢化が進む中、訪問診療や訪問看護を強化し、通院が難しい患者への支援にも積極的に取り組んでいる。「どんな病気でも諦めず、できることをきちんと提供していきたいんです」と強く語る病院長の山田猛先生は、脳神経内科が専門。その上で、同院の総合診療の姿勢を推し進めている。また、医療と介護を一体化させた支援にも力を入れ、同グループ内の居宅介護支援事業所やサービス付き高齢者向け住宅とも連携し、患者の生活そのものを支えることをめざしている。「地域に根差した病院として、身近な存在であり続けたい」という思いを語る山田病院長に、同院の診療方針や特徴、今後の展望について話を聞いた。(取材日2025年2月6日)

病院の成り立ちから、地域における役割について教えてください。

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村上華林堂病院は、江戸時代の1640年に中津で開業した村上医院をルーツとしており、その後1957年に「村上記念病院」が設立、1982年にその分院として「村上華林堂病院」が開院しました。福岡市西区エリアのかかりつけ病院として、診療所や専門病院との連携を強化し、総合診療の視点を大切にしています。特に神経難病や終末期の緩和ケアの提供のほか、同じグループ内の居宅介護支援事業所との連携などを通して医療と介護の両面から地域を支える体制を整え、総合的な医療・介護支援を軸としています。当院の理念は「医療の公共性を重んじ、信頼される医療を提供することで地域社会に貢献する」というものです。医療は電気・水道・交通などと同じく、人々の生活に不可欠な社会基盤の一つです。特に高齢化が進む現代において、住み慣れた地域で安心して医療を受けられる環境を整え、地域に根づいた病院をめざしています。

こちらでは、総合診療という考えを大切にされているんですよね。

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特定の臓器や疾患に限定することなく幅広い視野で患者さんを診る医師こそが、現代では必要という考えのもと、総合診療を大切にしています。例えば、高血圧や糖尿病を抱えながら、認知症や神経難病を発症する患者さんも多く、各専門の医師が協力し、一人ひとりに適した治療計画を立てています。患者さんが「どこの病院に行けばいいかわからない」と悩むことなく、何でも相談できる地域の病院、ということですね。さらに、当院では看護師や薬剤師、リハビリテーションスタッフなど、多職種が連携してチーム医療を推進。リハビリスタッフと医師が連携し、適切な機能回復プログラムを実施するなど、安心して治療を受けられる環境を提供し、患者さんがどの段階にあっても切れ目のない支援を受けられるよう努めています。「何かあればまず相談できる」病院として、今後も地域の皆さんの健康を支えていきます。

総合診療を基盤としながら、各専門科にも強い病院なんですね。

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当院では、総合診療を大切にしているからこそ、各科では専門性の高い医師がそれぞれの診療に力強く取り組んでいます。内科では、脳神経内科、循環器内科、消化器・肝臓内科、糖尿病・内分泌内科、血液・腫瘍内科、腎臓内科、呼吸器科などの各分野を専門とする医師が在籍しており、高血圧や糖尿病、消化器系疾患などの慢性疾患を総合的に診ています。また、整形外科では、骨折や関節疾患、腰痛などに対する診療を行っており、リハビリと組み合わせることで、日常生活への早期復帰をめざします。特に、高齢者の骨粗しょう症による骨折や変形性関節症に対する治療には力を入れており、患者さんが快適で自立できる生活を重視しています。眼科では、高齢の患者さんが白内障や緑内障などの手術が必要になることも多いので、総合診療の観点から各科と連携して、全身の状態が悪い難度の高い患者さんにも対応しています。

特に、神経難病や人工透析等に力を入れられていると伺いました。

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神経難病は特に、遠方からお越しいただく患者さんも多くいらっしゃいます。パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症などの慢性疾患に対し、診断初期から積極的に関わり、定期的評価に基づいて機能維持や代償手段の確立を図ります。さらに、介護者の負担を軽減するレスパイト入院中の集中的リハビリ、外来通院のリハビリ、ご自宅で実施する訪問リハビリを通じて、すべての病期に対応できる体制を整えています。これらの専門的な診療を可能にしているのは、長年の診療実績と、専門性の高い医療スタッフの存在です。高度な知識を持つ医師とリハビリスタッフが協力し、患者さんの生活の質(QOL)を維持するための医療を提供しています。また、人工透析に関しては「血液浄化療法センター」を設置し、透析患者さんが快適に治療を受けられる環境を整えています。患者さんの生活リズムを考慮した計画を立てることで、より良いQOLを維持できるよう努めています。

今後の展望、そして地域の方へのメッセージをお願いします。

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これまで地域医療の充実に力を注いできましたが、今後もさらに進化し、安心して医療を受けられる環境をめざします。特に、高齢化が進む現代において、医療と介護の連携によって、住み慣れた地域で適切な医療や介護を提供することが重要です。当院は「生活を支える医療」を念頭に、病院内での診療だけでなく、在宅医療の充実を図り、訪問診療や訪問看護の体制を強化し、通院が難しい方への支援にも力を入れます。そして何より、「どんな病気でも諦めない」という姿勢を大切に、たとえ完治が難しくても、治療・緩和ケア・生活支援を組み合わせ、最適なご提案のできる病院でありたいですね。「どんなことでも相談できる病院」として、もっと地域の皆さんにお越しいただきやすい体制にしていきます。これからも地域の皆さんとともに歩み、信頼される医療機関でありたいですね。

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山田 猛 病院長

1982年に岐阜大学医学部を卒業。九州大学医学部助教授を務め、神経内科領域の研究と臨床に従事。多くの難治性神経疾患の診療に携わる。慢性期の神経疾患から、急性期診療、先進的な治療の取り組みや、合併症の治療を数多く経験。その後、福岡県済生会福岡総合病院脳神経内科主任部長を経て、2023年より村上華林堂病院脳神経センター長・同院病院長に就任し、神経難病の診療や総合診療の推進に尽力している。

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