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一般財団法人 住友病院

(大阪府 大阪市北区)

金倉 讓 院長

最終更新日:2021/05/28

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優しく質の高い医療の提供をめざす病院

大阪の歴史あるビジネス街、中之島にある「住友病院」。此花区で開設され、終戦以降は肥後橋や中之島界隈で診療規模を拡大し、大阪の発展とともに歴史を重ねてきた。明るく広々とした院内には医療を快適に受けられるような環境を整え、特に歴代院長の専門である神経内科、悪性腫瘍、内分泌代謝などの内科領域で高水準の診療を追求。「499床という病院規模、そして信頼性と社会貢献を重んじる病院文化が、まとまりのある質の高い医療を可能にしています」と語るのは、2019年より院長を務める金倉讓先生だ。さらに近年では外科領域の手術体制を拡充し、救急搬送を積極的に受け入れるなど、地域の医療ニーズにも応える。同院ならではの人間ドックや企業健診を通じて、疾病の予防や早期発見にも取り組む。「高齢社会で必要とされる医療を高いレベルで提供し、地域の皆さんからもっと気軽に頼っていただける病院をめざします」と語る金倉先生に、特徴的な診療内容や近年の取り組みについて、詳しく話を聞いた。(取材日2021年5月10日)

最初に、病院の歩みと、現在の診療理念をご紹介ください。

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1921年、此花区にできた「大阪住友病院」が当院のスタートです。住友グループの従業員だけでなく、地域の方々にも質の高い診療を提供すべく開設されました。その後、終戦を経て土佐堀へ、1960年に中之島へ、さらに2000年に現在のあみだ池筋へ新築移転し、「高水準で良質な医療」、「信頼性の高い医療で社会に貢献」を理念に掲げ診療を続けています。私自身も、当院には学生時代から「独自の文化やまとまりのある質の高い病院」という印象をもっていましたし、院長となった今、改めてその良さを感じています。一般的に、規模の大きな病院の中は診療科単位で動いていることが多いですが、当院では診療科や職種間の垣根が低く、今回の新型コロナウイルス感染症のような事態が生じても、すぐに病院全体で方向性を定めてまとまることができます。科を越えた連携や医師間の意見交換も活発で、真に「患者さんのための医療」が行われていると感じています。

特徴的な診療内容や領域を教えていただけますか。

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前院長の松澤佑次先生が、メタボリックシンドロームを提唱された内分泌代謝領域のエキスパートであった経緯もあり、内科診療は非常に充実しています。一般内科に加え、循環器や呼吸器、消化器、脳神経、さらに血液、内分泌代謝、腎臓・高血圧、膠原病・リウマチという8つの内科部門があり、それぞれに高い専門性と豊富な診療経験をもつ医師が在籍し、基本的には当院内で内科領域のすべての疾患に対応することが可能です。またそれぞれが専門性を高める一方で、一般内科がベースとなって統合を図っており、専門ごとの隔たりが少ない総合的な医療が提供できることも、当院の内科の強みだといえるでしょう。このような厚みのある内科医療は当院の人間ドックとも連携しており、検査項目はがんの早期発見とともに生活習慣病のチェックにも重点を置いた構成になっていますし、もし異常が見つかれば、すぐに診療科と連携して早期治療に入ることができます。

最近では、外科領域や救急にも力を入れているそうですね。

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地域からのニーズも踏まえ、外科診療の拡充に取り組んできました。腹腔や骨盤内で使用する手術支援ロボットに加え、2019年には膝・股関節の人工関節置換術を行うことができる手術支援ロボットを新たに導入しました。心血管造影術装置やMRI、CTなども性能にこだわった機器を活用しており、手術件数はこの数年で大幅に増えていますし、外部医療機関からの検査依頼も多数受け入れています。また、2018年には救急フロアを拡張し、さらに医師も増員して「断らない医療」を実践中です。なお、当院はがんの診療も得意としており、胃がんや乳がん、大腸がん、膵がんなどさまざまながんで、手術のほか化学療法や放射線治療を組み合わせた集学的治療を提供しています。高齢者医療に関しては、高齢者の骨折に多職種のチーム医療で対応したり、メンタルヘルス領域では認知症治療なども行っています。

外部との医療連携については、どのように取り組んでいますか。

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まず地域との連携ですが、当院では以前より近隣地域の診療所から多くの患者さんをご紹介いただいており、現在も増加傾向にあります。地域医療連携室が窓口となって、スムーズな受け入れに努めています。また、当院の発祥が企業設立の病院であることが影響しているのか、そうした医療機関や健診施設からのご紹介が多いことも特徴の一つです。ただ、イメージが先行し、「当院で行っている具体的な医療の内容が、診療所の先生方に十分に伝わっていないのでは」という懸念がありました。そこで数年前から診療科ごとにリーフレットを作成し、診療所への訪問時や各種の勉強会などでお渡しして、当院を有効にご活用いただくための情報発信に努めています。また、企業の健康づくりプログラムの一環として、当院スタッフが企業を訪問して講演会や血圧・骨密度測定などを行うような取り組みも始めています。当院の強みを生かした連携を、さらに深めていきたいですね。

今後の展望と、地域の方へ向けたメッセージをお願いします。

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地域に質の高い医療を提供する上で、今後さらに注力すべきは高齢者医療です。具体的には、がん、脳・心血管病変とその背景にある生活習慣病、骨・関節疾患、認知機能障害などですが、いずれも当院が高いレベルを追求して積極的な診療を行っている領域でもあります。また、治療をするだけでなく将来の病気を防ぐ予防医学の重要性も高まっていますが、当院には充実した健診システムや人間ドックがあります。「住友」という名にはやや敷居の高さを感じる、というお声も時折いただきますが、当院は、「断らない医療」そして「患者さんに優しい医療」をめざして、日々診療を行っています。些細な症状や、健康に関する将来的な不安でも構いませんので、どうか気軽にご相談いただき、患者さんや地域社会の健康に貢献できればと考えています。

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金倉 讓 院長

1979年大阪大学医学部卒業。同大学院を経て同医学部附属病院や大阪府立成人病センター(現・大阪国際がんセンター)にて勤務、1988年米国ハーバード大学医学部ダナ・ファーバー癌研究所へ留学。1997年より大阪大学医学部血液・腫瘍内科学教授、また2014~2016年には大阪大学医学部附属病院院長、大阪大学副学長も兼任。2019年より現職。専門は血液・腫瘍内科学。

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