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医療法人渡辺医学会 桜橋渡辺未来医療病院

(大阪府 大阪市北区)

渡辺 平太郎 病院長

最終更新日:2024/09/09

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歴史ある循環器専門病院が中之島へ移転

西梅田の地で50年以上にわたり高水準の循環器診療を実践し、その名を広く知られた「桜橋渡辺病院」。かねてから施設の老朽化に直面していたが、2024年4月には再開発が進む中之島に新設された医療系複合ビル内へ移転し、「桜橋渡辺未来医療病院」として新たなスタートを切った。新病院ではゆとりある診療スペースの中に先進の検査・診療機器を導入し、診療環境が格段に向上。24時間体制での循環器三次救急も継続する。また外来の待合や病室からは中之島周辺の風景が一望できるなど、居住性も大きく高まった。そんな新病院のトップに就任したのが、渡辺平太郎病院長だ。祖父や父が育んできた同院ならではの診療水準や病院運営を受け継ぎ、循環器領域での「未来医療」にも取り組みたいと展望する。「各領域に職人や師匠と呼べる医師がいて、熱意あるスタッフとともに、患者さんへ最高の医療を提供したいとチャレンジするのが当院の強みです。これからも、患者さんに安心と満足のある医療を届けていきたいですね」と爽やかに語る渡辺病院長に、新病院の特色や診療への思いをじっくりと聞いた。(取材日2024年6月10日)

最初に、病院の歴史や移転の経緯をご紹介ください。

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初代病院長で祖父である渡辺修二が、「大阪大学医学部附属病院で診ていたがん末期患者さんを最期まで診てあげたい」との思いから1967年に当院を開院。続いて循環器の診療も開始し、CCU(冠疾患集中治療室)や心臓カテーテル血管造影を導入、虚血性心疾患の急性期事例を多数受け入れるなど、早くから循環器の急性期・重症治療に取り組んできました。父である渡辺真一郎が病院長に就任してからは、カテーテル治療や心臓血管外科にも注力し、循環器領域では関西一円で広く認知される病院になったと思います。ただ西梅田の旧病院は、周囲の商業開発が進んだりスペースの面で不都合もあり、以前から移転先を探していました。そこへ「未来医療」を推進する拠点ができるとのご紹介をいただいたのです。この中之島は、当院とのつながりが深い大阪大学医学部附属病院のゆかりの地でもあり、2024年4月に「桜橋渡辺未来医療病院」の新名称で移転開院しました。

新病院はビルの上階にあり環境や設備が大きく変わりました。

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当院の入るビルへは中之島通りから導入路があり、周囲には美術館や科学館が立ち並びます。ビルは2つの建物で構成され、西側にあるビルの7~11階が当院で、8階が総合受付、10~11階が一般病床です。手術室は3室、そのうち1室では検査と手術が同時に行えるハイブリッド手術室ですので、従来からの開胸・開心術や低侵襲心臓手術、大動脈ステントグラフト内挿術などに加え、新たにTAVI(経カテーテル大動脈弁留置術)などの心臓弁膜症治療や心筋疾患にも取り組みます。また「血管造影室」いわゆるカテーテル室も3室、さらに高性能の心臓MRIを導入したことで、確定診断を含めた診断レベルの向上が期待できます。病院へのアクセスがわかりにくいかもしれませんが、エレベーターで上がっていただければ、広々とした清潔な院内から中之島周辺を一望してもらえます。旧病院を知る患者さんからは好評で、スタッフのモチベーションも高まっています。

各分野の専門の医師が診療にあたる体制ですね。

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先進の循環器診療を行う病院が増えている中で、当院の強みは、やはり「人」であろうと思っています。他院からの紹介例では複雑病変や治療のリトライを担うことも多いのですが、医師やスタッフは「以前にうまく行かなかったのなら違う方法を考えよう」「ここで対応できないのなら他でもできないだろう」という熱意と覚悟を持ち、時に職人気質を感じさせるこだわりやチャレンジ精神を発揮しながら診療にあたっています。また各分野には医師の師匠と呼べる方がいます。心臓血管外科であれば仲村輝也先生や関谷直純先生、カテーテル治療では岡村篤徳先生、アブレーションでは田中宣暁先生、画像診断では小山靖史先生、さらに心不全領域では私自身の師匠でもある岩永善高先生に加わっていただきました。もちろん安全性やエビデンスを踏まえつつ、祖父や父が大事にしてきた当院ならではのチャレンジ精神を尊重して、本当に患者さんのためになる治療を追求しています。

地域との連携については、どのようにお考えですか?

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当院は循環器の専門病院であるため、他院からの紹介症例や、地域のクリニックの先生方からのご紹介が多くなっています。移転に伴って、近隣のクリニックとも新たなつながりを深めていきたいですね。循環器疾患に関しては重症度を問わず診療していますので、先生方が診ている患者さんで気になることがありましたら、どうかお気軽にご相談、ご紹介ください。なお、CTやMRIに関しては、整形外科や脳神経内科など他科クリニックからの検査依頼もお受けしたいと考えています。それから地域医療との連携という点では、救急搬送も以前と同様に受け入れています。ビルの1階に救急隊専用の入り口があり、医師が同行して専用のエレベーターで9階の救急の外来まで移動しますので、安心していただきたいですね。なお、旧病院は回復期リハビリテーション病院にリニューアルの予定です。当院と連携し、急性期から在宅復帰まで患者さんを継続的に支えていきます。

「未来医療」への取り組みや今後の展望をお聞かせください。

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医療技術の進歩は著しく、「未来」という言葉からイメージすれば、ロボット支援下手術は一部の診療科では日常的な手術法ですし、実用化に向けて研究が急速に進む治療法や治療薬もあります。ただより安全性が高く高度な技術が求められる循環器疾患では、「未来医療」へ一歩を踏み出すことが容易ではなく、実装化とはやや距離もあります。それでもチャレンジ精神を大事にしてきた当院だからこそ、いずれは「循環器領域の未来医療」を担うべく、先進の医療に取り組む企業や研究機関が集まるこの場所で視野を広げ、開発や実用化の糸口を模索していきたいと考えています。最後になりますが、当院は高度な医療技術の追求とともに、患者さんの意見をお聞きしながら日々改善を重ねて満足してもらえる診療を、これからも大事にしていきます。中之島の地でも患者さんにより良い治療を職員が一丸となって提供し「安心、安全、信頼」を感じてもらえる病院でありたいですね。

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渡辺 平太郎 病院長

2004年近畿大学医学部を卒業後、近畿大学附属病院循環器内科入局。同院や関連病院で幅広く臨床経験を積む。心不全の基礎研究や冠動脈疾患の臨床・研究にも携わった後、桜橋渡辺病院へ入職。2020年より院長補佐を務め2024年4月より現職。幼少期からサッカーに打ち込み、大学合格と同時にプロテストにも合格した経歴を持つ。現在はSWH西宮 Futsal Clubの男子チーム監督を務める。

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