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株式会社互恵会 大阪回生病院

(大阪府 大阪市淀川区)

土居 布加志 病院長

最終更新日:2020/08/26

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幅広い日常診療と救急対応で地域に貢献

大阪の玄関口である各線新大阪駅のすぐ北側、新幹線のホームからも見える13階建てのビルが「大阪回生病院」だ。この場所へ移転して15年、今日では地元の淀川区をはじめ大阪メトロ御堂筋線沿線からも多くの患者が同院を受診する。日常生活に密接な内科系・外科系の各種診療科に加え、睡眠医療センターや眼形成手術センター、めまいの診療など、特徴ある診療部門が多いのも同院の特徴だ。創立120周年を迎えた2020年、12代目の病院長に就任した土居布加志(どい・ふかし)先生は、救急を含め地域を支える医療の実践を重視している。「院是に『一視同仁、博愛慈善』を掲げているからこそ、当院を選んで来てくださる患者さんや救急搬送に、しっかりと向き合っていきたい」と語る。さらに、地域に貢献する医療を継続していくためには、近隣のクリニックや病院など、同じ地域内にある医療機関と助け合える関係が欠かせないという。同院の歴史を踏まえた現在の診療内容やこれからの展望について、土居病院長に詳しく聞いた。
(取材日2020年6月10日)

長い歴史がある病院だそうですね。

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当院は、大阪府内でも歴史のある私立の病院です。ちょうど1900年に佐賀県出身で軍医であった菊池篤忠によって開設されました。当初は大阪市北区、今の大阪高等裁判所あたりにあったそうですが、その後1966年には大淀区豊崎へ移転し、さらに2005年には現在の場所へ新築移転して、今年で創立120周年を迎えます。クリスチャンであった菊池は、「一視同仁、博愛慈善」、つまりすべての人を平等に慈しみ愛するという院是を定めました。どんな人も、等しく医療を受ける権利があるという意味で、医療のあるべき姿を表していると思います。なお、現在の院是は、正式には「我回生病院は之を永遠に維持し人類の疾患を救療し一視同仁博愛慈善をもって院是とす」となっています。冒頭の、「我回生病院は之を永遠に維持し」という部分は、北区にあった時代に病院が火災に2回見舞われ、そのたびに復興を遂げた歴史を反映しているそうです。

現在の診療の状況を教えてください。

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当院には、消化器や循環器、糖尿病内分泌、呼吸器など内科系の診療科と、外科、整形外科、脳神経外科、形成外科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、頭頚部外科、歯科口腔外科などの外科系診療科があります。内科系、外科系の病気やけがは日常での頻度が高いため、救急対応も含めてしっかりとした医療が提供できるように努めています。さらに精神神経科、皮膚科、麻酔科、それから睡眠医療センター、消化器センター、眼形成手術センター、めまいセンターなど、特定の疾患や検査を行う窓口もあります。検診センターでは、オーストラリアとニュージーランドのビザを取得するための海外渡航健診も実施。患者さんの多くは淀川区の方ですが、御堂筋線沿線にお住まいの方もよく受診されており、地域の医療機関からの紹介も多くいただいています。一方、専門性の高い診療科やセンターに関しては、当院ならではの治療を必要とする方が、時に遠方からも来院されています。

では、特徴あるセンターや診療科についてご紹介ください。

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睡眠医療センターは、日本で睡眠時無呼吸症候群が今ほど認知されていなかった1998年にスタートし、現在も多く方が受診されています。眼形成手術センターも国内では珍しく、眼瞼下垂や斜視、骨折など、目の周囲の手術は形成手術を含めてほぼ実施しています。さらに当院には歯科口腔外科もあり、小さな切除術から、移植を必要とする大がかりな舌がんの手術にも対応しています。当院の形成外科や大学病院の先生が協力して施術を行うこともあります。その他に、ヘリコバクターや炎症性腸疾患、慢性頭痛などの診療も行っていますし、この4月からはめまいの診療を開始しました。これらの特徴あるセンターや診療は、医師のほうから「取り組みたい」という希望があって始める場合が多く、どの医療機関を受診すればよいのか迷っている患者さんにとってアクセスしやすいようですね。

地域との連携の状況は、いかがですか。

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当院が掲げるキャッチフレーズの1つに、「地域と歩む急性期病院」があります。淀川区は大阪市の中で平野区に次いで人口が多く、転入される若い世代も多いのですね。このため、近隣にお住まいのあらゆる年齢層の方が日常で遭遇しやすい内科や外科疾患に、しっかりと対応できる診療体制を重視しています。同時に、救急医療にも力を入れて取り組み、搬送に対応しています。またベッド数300床のうち46床は地域包括ケア病床で、普段はご自宅で過ごしている患者さんのレスパイト入院も受け入れています。先ほどお話ししたように地域の開業医の先生方との病診連携も活発です。地域医療連携室が窓口となって、クリニック訪問や各種の勉強会などを通じて、地域の先生方との顔の見える連携を深めています。

現在の課題と、今後の展望をお聞かせください。

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たいへんありがたいことに多くの患者さんに受診いただいており、予約制を導入してはいますが、外来での待ち時間や、初診までの待機期間が長くなりがちです。医師の増員が急務であると考えていますし、その一環として、女性の医師やスタッフが働きやすい労働環境の整備に努めています。また、当院で治療した患者さんの症状が安定すれば、かかりつけの先生にお戻しすることも必要でしょう。それから、今回の新型コロナウイルス感染症や自然災害のような状況下で、病院の果たす役割は非常に大きいです。幸いにも、近隣にある同規模の病院とは、医師の手配や検査機器の利用など日頃から助け合える関係がありますので、それぞれの医療機関の強みを生かしながら、継続的に地域医療を支えていきたいと思います。

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土居 布加志 病院長

福岡県北九州市出身。1986年高知医科大学(現・高知大学医学部)を卒業後、九州大学第一外科に入局。同科の関連病院で研修、勤務を重ねる。関連病院の1つである大阪回生病院では1995〜1997年、その後2001年から再び勤務し、2006年より副院長を務め、2020年4月より現職。専門は消化器外科、内視鏡外科。

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