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えびえ記念病院

(大阪府 大阪市福島区)

岩崎 祐介 院長補佐

最終更新日:2023/11/14

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チーム一丸で変革に取り組みたい

大阪市福島区の中核病院として、長い歴史を誇る「えびえ記念病院」。救急医療を中心に、一般内科や循環器内科、脳神経外科、整形外科といった診療で地域医療の重要な役割を担ってきたが、2022年に医療法人が交代して名称変更とともに病院体制を一新。従来からの急性期医療はそのままに、患者の在宅復帰や社会福祉への橋渡しにも力を注ぎ、より親身で手厚い地域貢献を果たすべく生まれ変わろうとしている。こうした変革の中心人物として周囲の期待を担っているのが、循環器の専門家であり院長補佐・医局長を務める岩崎祐介先生。新体制の主眼をどこに置いているのか、その実現には何が必要となるのか、回復期のリハビリテーションや地域包括への取り組みを中心に、同院の新コンセプトや地域医療に寄せる思いなど、今後の方向性についても語ってもらった。(取材日2023年10月3日)

2022年に名称も変わり、新体制を迎えたとお聞きしました。

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当院は1938年に整形外科の診療所として開院以来、この福島区や此花区、西淀川区といった地域に密着した急性期病院としての役割を果たしてきました。2022年3月に運営する医療法人が変わって新体制がスタートし、将来を見据えた新たな目標をめざすことになりました。その現場に私も院長補佐として参画することになり、地域の皆さんのニーズに応えるべく、新たな変革に向けて病院全体で取り組んでいるところです。これまでどおり、24時間・365日体制で救急患者さんを受け入れていくことはもちろんですが、現在はそれぞれの病院が地域における役割を果たす時代です。中規模病院として大学病院や基幹病院の急性期を脱した患者さんを受け入れるとともに、今後は開業医や在宅医療の先生方との連携をさらに深め、患者さんの在宅復帰や退院後のサポートにも尽力していきたいと考えています。

具体的には、どのような部分を強化しましたか?

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当院には急性期の一般病棟のほか、回復期リハビリテーション病棟と地域包括ケア病棟がありますが、多様化する地域のニーズに応えるために、一般病棟の病床を地域包括ケアに少しずつ回しています。「地域のため」というのは当院が大切にしてきた最優先課題であり、新型コロナウイルス感染症の流行が始まった頃、当院は福島区でも早い時期からPCR検査を実施し、確保した専門病床に救急患者を受け入れて人工呼吸まで行いました。現在は新型コロナウイルスの感染拡大も収まってきましたから、普通の病棟としてリニューアルの内装工事をしているところです。回復期のリハビリと地域包括ケアは現在の当院の強化対象の2柱で、手術後のリハビリでどこまでADL(日常生活動作)を回復できるか、患者さんの自宅での生活に介護・福祉サービスをどう組み合わせるかなど、さまざまなテーマを掲げながら医療と日常との橋渡しを実現させるべく励んでいます。

リハビリには特に力を入れているそうですね。

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現在は超高齢社会となり、病院は手術や治療に専念していればいいという時代ではなくなってきました。医療の先にある退院後の生活まで見据えて道筋を立て、看護や介護、社会福祉へとつないでいくことも私たちの大切な役割です。当院では以前からリハビリを実施していましたが、どちらかといえば救急で運ばれて治療を行った患者さんに向けたものが中心でした。新体制になった現在は他院で手術や治療を終えた方を積極的に受け入れ、在宅復帰に主眼を置いたリハビリを強化するようになりました。当院のリハビリスタッフは理学療法士や作業療法士など40人以上が在籍しており、非常に頼れる存在です。また、院内には循環器内科や脳神経外科、整形外科などを専門とする医師や内視鏡やCT、MRIなどの設備が充実しており、リハビリ中の患者さんの急な病変などに対応できるのも強みではないかと思います。

スタッフなど、マンパワーでの変化はありましたか?

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私がここに赴任してつくづく感じたのは、医師の役割はほんの一部であって、医療はみんなで取り組むものだということ。看護師や理学療法士といったメディカルスタッフだけでなく、管理部門の事務職なども含めた多職種の連携があって、初めて医療は実現します。都心の病院ですからスタッフの多少の入れ替わりはありますが、リハビリのような強化部門ではしっかりと人材を確保し、年齢的にも若めのスタッフを採用してリフレッシュを図っています。その意味では活気があり、院内の雰囲気もずいぶん明るくなりました。またドクターも、40代の現役バリバリの先生の内定が何人か決まっています。何をするにもまず核となるマンパワーが必要ですが、決してトップダウンではなく、新体制では現場の意見も大切にしています。患者さんにとってベストな選択は何か、カンファレンスの中でみんなで協議しながら考えることも多いですね。

最後に、今後へ向けた展望をお聞かせください。

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現在の私たちがめざすのは、小回りの利く医療施設です。この福島区もタワーマンションが建つ一方で昔ながらの下町も数多く残っており、今後は高齢者の比率がさらに高まっていくでしょう。単なる衰弱であっても、入院が必要であれば喜んでその受け入れ先となる。そうやって地域の支えになることも病院としての社会的意義ではないかと思います。また、退院後の施設や介護保険のことまで、これからは病院から発信する時代と考えています。当院の地域連携室はパワフルで、他の病院に比べるとレスポンスが早いのが自慢です。フットワークの軽さを武器に、地域の皆さんとも連携しながら在宅復帰をサポートしていきたいですね。診療での私のモットーは、「親身になること」と「自分事として考えること」。患者さんにベストな選択を提案するためにも、こうした気持ちを常に忘れずに、チーム一丸で変革に取り組んでいきたいと思います。

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岩崎 祐介 院長補佐

2004年関西医科大学卒業。循環器内科を専門に大阪急性期・総合医療センターにて心臓カテーテル治療などを数多く経験。高度急性期医療の先鋒として研鑽を重ねる。2019年に現・えびえ記念病院へ入職。2022年から院長補佐・医局長・循環器内科部長として病院の中心的役割を果たし、新体制の構築と病院機能・地域連携の強化に全力で取り組んでいる。日本循環器学会循環器専門医。

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