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医療法人(社団)豊繁会 近藤病院

(兵庫県 尼崎市)

武田 昌生 院長

最終更新日:2020/11/26

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救急診療を軸に在宅まで一貫してサポート

70周年を迎えた「近藤病院」。ビルが建ち並ぶ国道2号沿いでもすぐにわかる、淡いピンクの外観が目印だ。消防による救急業務の開始から間もない1950年に開設された同院は、「救急病院たる地域社会への貢献」を理念に掲げ、当時から「決して断らない病院」に取り組む。現在も多くの救急搬送を受け入れ、昼夜を問わず検査・治療を行うほか、近隣の高次医療機関と連携して診療環境を整える。また同院内には療養型病棟もあり、回復期の患者を引き続き受け入れ、日常生活へのスムーズな復帰へとサポートする。さらに70年という時間の中で育まれた地域の医療・福祉施設との関係を生かし、在宅の患者も支援。そんな同院の最大の魅力を「アットホームな雰囲気をつくり最大のパフォーマンスを発揮してくれるスタッフ」だと語るのは、2018年から院長を務める武田昌生先生だ。大学病院での勤務を経て、尼崎の地域医療と向き合う先生に、同院の歴史や診療の特徴、病院運営への思いを聞いた。
(取材日2020年10月22日)

最初に、こちらの歴史と診療の特色をご紹介ください。

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当院は1950年に、今の近藤貴志理事長の祖父である近藤寅三郎氏によって開設されました。その少し前に法律が改正され、急病の患者さんが救急車で搬送されるようになりました。当院も当初から救急病院としてスタートしており、県内でもかなり早くにできた救急病院だと聞いています。それから今日まで、ずっと同じ場所で、尼崎地域の救急医療に関わってきました。また、社会の変化に合わせて療養病床や地域包括ケア病床も少しずつ拡充。現在は一次・二次救急を中心に、回復期や在宅医療も提供しているケアミックスの病院です。2020年の4月からは、病院近くでのクリニック診療も始めました。

迅速な検査による診断に力を入れているそうですね。

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尼崎地域は救急搬送の件数が多く、当院でも多くの救急搬送を受け入れています。今まで医療機関を受診したことがないというご高齢の患者さんもいて、大学病院でも診る機会が少ない、たいへん珍しい病気の方が搬送されることも。このように、幅広い疾患を受け入れる救急の現場でスピーディーに診断をつけるためには、画像検査が欠かせません。当院ではCT、MRI、超音波検査、心機図などの検査が可能で、検査をお待たせせず、とにかく早く受けていただくようにしているのが強みです。救急搬送でも、外来でも、必要になればすぐに検査をしています。検査をあえて予約制にせず、またスタッフがよく動いてくれることが、迅速な検査や診断につながっています。

回復期や訪問診療など、連続性のある医療を提供されています。

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骨折などで急性期病棟に入院し、そこからすぐに自宅や施設に戻れる患者さんはそう多くありません。現実的には看護やリハビリテーションがもう少し必要ですし、退院後の暮らしについて、早くから考えなければなりません。そこで、急性期と社会復帰の間をつなぐ1つの選択肢として、3階に療養型病棟を設けています。必要な方には急性期の治療が終われば3階へ移っていただき、治療を続けながら、常駐する社会福祉士が患者さんやご家族と退院後について相談していきます。当院は地域内の多くの医療福祉施設や開業医院と密に連携していますし、訪問診療も行っています。また看護師や医師、事務スタッフなどがもつ個々のつながりから、患者さんの退院先を紹介できることもよくあります。「急性期の治療をして終わり」ではなく、回復期から社会復帰までしっかりサポートすることが大事だと考えています。

迅速な検査や幅広いサポートを提供できるのはなぜですか。

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スタッフの働きと熱意は大きいですね。古くからのスタッフも、新しく入職したスタッフも、当院の昔からの立ち位置を理解して、「地元の医療を支えたい」という気持ちで働いてくれています。そしてよく動く。小ぢんまりとした病院ですが、それが功を奏してお互いの仕事がよく見えますので、テキパキと物事が進みます。また、忙しい中にもアットホームな雰囲気があり、スタッフ間だけでなく、患者さんや医師とのコミュニケーションがきちんととれていると思います。それから、24時間365日の診療を続ける上では非常勤の医師が担う役割もたいへん大きいのですが、「近藤病院は働きやすい」とよく言われ、長く働いてくれる医師が多いのです。患者さんと看護師の間にしっかりとしたコミュニケーションがあり、そのアットホームな雰囲気の輪に非常勤の医師も加わっていけるので、働きやすさややりがいを感じてもらえるのでしょうね。

今後の展望と、地域の皆さんへのメッセージをお願いします。

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何よりこれからも、この場所で変わらず地域の救急医療を守っていくこと。同時に、地域の高齢化や医療ニーズの変化に応じ、訪問診療のように院外で行う医療や、健診などの予防医療も重要になると考えています。同時に、当院ならではのアットホームな雰囲気、風通しの良さから生まれる患者さん本位の柔軟な対応は、地域の患者さんや働く医師に親しまれていますので、意識して守っていきたいですね。実は私自身も、当院のことは古くから知っており、尼崎の医療に携わりたいと望んできました。さまざまな背景をもつ幅広い疾患の患者さんと向き合い、病気だけでなくその人全体を診ることができる毎日に、手応えを感じています。これからも地域の方が気軽に受診できる環境を保ちながら、質の高い医療を届けていきたいですね。

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武田 昌生 院長

2003年兵庫医科大学を卒業後、循環器を専門としつつ総合的な内科診療ができる医師をめざして大阪大学医学部第4内科へ入局。関連病院での勤務を経て大阪大学医学部附属病院で臨床や研究に携わる。2018年4月より現職。同院の近藤貴志理事長とは小学生の頃からの幼なじみで、同院への思い入れは深い。日本循環器学会循環器専門医。

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