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医療法人社団偕生会 偕生病院

(兵庫県 神戸市西区)

横井 峰人 理事長

最終更新日:2026/01/19

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在宅復帰を目的とした医療サービスを提供

神戸市西区にある「医療法人社団偕生会 偕生病院」は、全国的にも数少ない地域包括ケア病床のみの単機能型病院だ。現在、高齢者人口の増加とともに高齢者医療や介護の需要の増加が見込まれる中で、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、地域包括的な支援・サービスを提供する体制の構築が推進されている。そんな中、同院は2014年より地域包括ケア病床に特化。地域包括ケアシステムを構築する役割を担い、患者一人ひとりが住み慣れた地域で在宅復帰をめざすためのサポートを行っている。今回、理事長である横井峰人先生に、病院の歴史や地域包括ケア病床に行き着いた理由、同院の取り組みなどについて、詳しく話を聞いた。(取材日2025年11月17日)

病院の歴史を教えてください。

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当院は外科と整形外科を主とする岸本外科を前身として1980年に開設され、2007年に医療法人社団偕生会偕生病院に。私は長年の研究生活を経て、妻の父が運営する当院に勤務することとなり、2009年に承継いたしました。就任以来、“地域密着病院”として、地域の皆さんの健康を支える病院をめざし、救急患者の受け入れを当番で行う二次救急の輪番制にも参加していました。しかし、地域だけではなく国全体の高齢化に伴い、今後は急性期の救急をやっていくというよりは、皆さんが安心して暮らせる町・地域づくりのためにも高齢者の生活支援を視野に入れた医療体制の構築が必要だと考えるように。ちょうどその頃、国からも生活支援型医療への転換が推進されていたこともあり、一般病床の一部を亜急性期病床として使っていました。国が今後推進していく方向性と私の思いが一致したことから、2014年に地域包括ケア病床に特化することとなりました。

地域包括ケア病床ではどんな人を受け入れるのですか?

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地域包括ケア病床は患者さんが住み慣れた地域で、在宅・高齢者施設への復帰をめざすためにあります。当院は全75床を地域包括ケア病床としています。具体的には普段在宅で生活されている方や高齢者施設で過ごされている方が、感染症や肺炎などになったり、腰椎や胸椎の圧迫骨折で動けなくなってしまったり、何らかの体の不調で生活できなくなった場合に、当病院で入院対応をしています。さらに中核病院で急性期の治療を終えたけれども、もう少し経過観察が必要な方も受け入れています。また精神科の病院とも密な連携を取っています。最近は認知症の周辺症状で精神科に入院される方も増えていますが、認知症の患者さんは肺炎になっても病院で受け入れてもらえないことも多いので、当院では精神科の先生から相談を受けると対応しています。退院の時期は、身体的状況やリハビリテーションの進捗状況、介護者や施設側の状況を見ながら個別に検討しています。

地域包括ケア病床はどういう場合に使えるのでしょうか?

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当院の地域包括ケア病床はハードルが低いことをまず知ってほしいですね。例えば開業医の先生の中には、「風邪をちょっとひいただけの患者さんなのに、入院させて良いのかな?」と感じる先生も多いと思います。しかし、その患者さんが高齢で独居の場合だと、食事もできないですし、誰も薬を飲ませてあげることはできませんよね。そのような場合は当院に入院して、風邪が良くなれば退院してご自宅に帰っていただくといったように、気軽に活用していただければと思います。また独居の場合だけではなく、熱が出てデイサービスに行けないなど、ご家族だけでのケアが難しい場合などにもご相談いただければと思います。実際の診断がどうかというよりも、患者さんや介護者の状況によって入院対応が必要かどうかは決まると思います。家にいるのがちょっと不安というときに相談をしていただければ、当院がベッドを提供してサポートいたします。

リハビリについて教えてください。

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入院後は医師、看護師、薬剤師、リハビリスタッフ、管理栄養士など多職種が協力して、リハビリや在宅支援を行います。当院のリハビリテーション科は理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がそろっているところが強み。各スタッフが連携しながら専門性に合わせたリハビリを提供して、今後ご自宅や施設に戻った時に、より良い生活を送れるようになることを目標に取り組んでいます。さらに在宅で行う訪問リハビリにも注力しています。退院後も入院時から取り組んでいたリハビリを継続して行える体制を取っています。これにより患者さんの変化を連続して見ていけることが地域密着病院の良いところではないでしょうか。今後の課題としては、在宅での栄養指導が挙げられます。生きていく上で食べることは大事ですが、年齢とともに皆さん食べられなくなってきますので、食べ物や食べ方のサポートができるようにしていきたいと考えています。

今後の課題とメッセージをお願いします。

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今後の課題は、患者さんを最期まで診られるような医療サービスの形を検討していくこと。地域包括ケア病床はどうしても患者さんを診る期限が決まっているため、期限が来た時に別の医療機関にお願いすることもあります。しかし外来や在宅でずっと診てきて、家族ともすごく良い関係を築いてきた患者さんが、最期だけ別のところに行ってしまうのは寂しい気持ちがあります。もちろん、どこで最期を迎えるのが一番その人にとって良いのかはそれぞれ異なりますが、最期まで診られるような受け皿がないかと模索しています。私たちは、地域密着生活支援病院として、職員一同、地域の安心、安全のためにより良い医療サービスを続けていきたいと思っております。どのようなことでも一度相談していただけたら、できる限り対応していきたいと思っていますし、職員全員がそういう方向で頑張っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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横井 峰人 理事長

京都大学医学部を卒業後、京都大学医学部附属病院内科、兵庫県立塚口病院内科で研鑽。その後、京都大学大学院医学研究科博士課程生理系専攻に進学、分子生物学、分子遺伝学、神経科学の研究に没頭。米国コロンビア大学へ留学し、マウス分子遺伝学を用いた嗅覚神経回路の研究を行う。2003年に帰国。京都大学大学院医学研究科先端領域融合医学研究機構にて、神経回路の可視化研究に従事した後、2009年1月より現職。

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