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医療法人財団 春日野会 春日野会病院

(兵庫県 神戸市中央区)

吉田 泰昭 理事長

最終更新日:2021/11/17

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技術と温かさを併せ持った病院をめざす

神戸市中央区、六甲山系の麓に広がる閑静な住宅地にある「春日野会病院」。神戸の名建築として知られた邸宅の跡地にあり、新築された同院北館前の羊の彫像がその歴史を伝える。吉田泰昭理事長が2004年に開設した同院では、高齢の住民が多いという地域の医療ニーズをくみ、内科と整形外科、リハビリテーションを中心とした診療を展開。同時に訪問診療・看護・リハビリの各部門による在宅医療にも力を入れており、中央区や灘区では同院の訪問車を目にすることも多いという。周辺に規模の大きい急性期病院が多数存在するという地域の特性を踏まえ、吉田理事長は同院の役割を「医療の最初の窓口」、また「もう少し医療を必要とする方の、在宅までの架け橋」だと穏やかに語る。そこで、同院の具体的な診療内容や、糖尿病を専門とする理事長の診療方針、さらに高齢者医療への思いをじっくりと聞いてみた。(取材日2021年10月7日)

最初に、貴院の成り立ちと診療内容をお聞かせください。

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かつて、ここには美術品収集家の邸宅がありました。スパニッシュ様式の名建築で、社交場として多くの文化人も集ったようです。石造りであったので戦時中の空襲でも大きな被害に遭わず、戦後は長く病院として使われてきたものを引き継いで、2004年3月に当院を開設。2018年には老朽化のため建て替えました。近隣にはご高齢の方が多いことから、当院では内科と整形外科、リハビリテーション科を設けています。内科では、風邪などの日常的な内科疾患、そして私の専門である糖尿病と生活習慣病の診療に注力しています。また消化器内科では、消化器がんや肝疾患などを早期に発見できるよう、専門的な技術を持つ医師が内視鏡検査や画像検査を行っています。それからご高齢になるとどうしても足腰の痛みが増え、またこの地域は坂が多く足腰の不調が生活に直結しますので、整形外科では痛みや骨粗しょう症への対応に力を入れています。

糖尿病の診療で、重視している点を教えてください。

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健康の基本は食事ですが、糖尿病では食べ過ぎも原因になるので、食事の指導が欠かせません。そこでお話しするのが栄養のバランスです。甘みばかり求めるのではなく、素材自体のおいしさを感じながら、いろんな食品をバランス良く食べてほしい。高齢者では特にお肉のタンパク質が不足しがちです。若い頃よりも吸収が落ちるので、多めに食べてほしいですね。必要な栄養が取れていれば手術を受けても回復が早いことが多いですし、リハビリで筋肉を増やしやすいです。それから患者さんは、インスリン投与や血糖値の測定で1日に何回も針を刺し、痛みを感じています。ですので毎回の診察では症状の変化を細かくお聞きし、可能であればインスリンから内服薬に切り換えたり、内服薬も必要ないと判断できたものは減らすようにしています。逐一確認するのは時間も手間もかかりますが、日々の針の痛みや多剤併用を、少しでも改善していきたいのです。

新たに、健康寿命サポートのための外来を始めたそうですね。

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日本人の平均寿命は男女ともに80歳を大きく超えていますが、健康寿命はそれより10年ほど短い方が多く、その間は誰かの手を借りなければ生活できません。元気で長生きして、寝たきりの期間を短くするためには、栄養状態を良くして足腰を鍛えることが大事です。そこで、健康寿命を損なう不調や弱点を早期に見つけ、治療や予防につなげることを目的に、健康サポートのための外来を始めました。対象は介助が不要な50歳以上の自力で歩ける方で、ご夫婦やお友達などペアでの受診もできます。診察や各種検査で運動器を中心とした健康状態を調べ、その結果から問題点と改善方法をお示しし、必要な治療やリハビリ、栄養指導などを行います。50歳というとまだ若いように思えますが、私の経験では50を過ぎると体力は急激に低下しますし、女性では60歳を過ぎると足腰の痛みが増えますので、それらに早くから備えていただくきっかけになればと思います。

訪問診療や転院の受け入れなど、院外とも密な連携があります。

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訪問診療では医師がご自宅や高齢者施設に伺い、治療や注射などの医学的な処置を行います。訪問診療を受けている方が来院される際には車での送迎を行いますし、急に体調を崩した場合には、24時間365日体制で往診や救急搬送などの対応も行っています。訪問看護や訪問リハビリとも組み合わせて、患者さんの自宅療養を総合的に支援します。それから、対応の難しい病気を急性期病院へ依頼したり、あるいは中核病院で急性期治療を終えたものの自宅へ帰るにはまだ不安がある患者さんを受け入れ、リハビリや療養を行う。このような橋渡しも当院の重要な役割で、地域医療連携室が窓口になって、密な連携や患者さんのサポートを行っています。当院には現在16人の理学療法士が在籍し、手厚いリハビリが特徴です。またリハビリ病院は郊外にある場合も多いのですが、当院は街中にあるので通いやすく、ご家族から喜ばれていますね。

最後に、地域の皆さんへメッセージをお願いします。

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当院はコンパクトな病院ですが、だからこそ「患者さんが来られたらすぐに診察する」ことをめざしています。お薬の処方も院内ですので、移動の負担がありません。また、内視鏡やCTといった検査機器を備えており、急な症状に対しても、当院で治療するのか、自宅で様子を見ても良いのか、あるいは急性期病院につなげるのか、適切な診断をつけることができます。この規模ならではのスピーディーな対応と、細部までの目配りを大事にしています。実は、私自身がさまざまな病気で入退院を繰り返しており、患者さんの苦しみやつらさ、また医療者が発する言葉が患者さんにどれほど響くのかを痛感しています。ですので、今後はスタッフの待遇や接遇の向上にも務めながら、技術と優しさの両方を持ち合わせた病院でありたいと考えています。急な症状や、医療や介護で困ったことがあれば、ぜひ気軽にご相談ください。

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吉田 泰昭 理事長

1970年神戸大学医学部卒業。同第2内科(現:糖尿病・内分泌内科)に入局、同医学部附属病院や関連病院にて22年にわたり勤務。1991年三木自由が丘病院院長を経て1996年三木山陽病院院長就任。2004年春日野会病院を開設し法人理事長兼院長に就任、2019年より理事長専任。糖尿病内科外来のほか訪問診療も行うなど現在も精力的に診療。自らも罹患や入院を経験し、患者目線を尊重した診療や病院運営に注力する。

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