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医療法人回生会 宝塚病院

(兵庫県 宝塚市)

馬殿 徹也 理事長

最終更新日:2026/02/20

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宝塚の医療を長く支える病院が新時代へ

阪急今津線の逆瀬川駅から橋を渡ってすぐ、地域のシンボルとして歴史を重ねてきた「宝塚病院」。宝塚市の急性期医療を長く支え、2026年には開設70周年を迎える。心臓カテーテル治療や脳卒中治療を中心に救急対応や急性期治療に注力。また人工透析にも早くから取り組み現在は腎臓保存期の外来も開設するなど、腎機能に対しては病初期から一貫したサポート体制が強みだ。そんな同院では、2023年に馬殿徹也先生が新理事長に就任。地域の今日の医療ニーズを踏まえつつ従来からの特色をさらに強化するとともに、医療安全や感染対策、地域連携などの分野では新たに拡充を図り、病院全体のレベルアップにも着手。「風通しの良い組織を構築して、立地の良さに加え質の高さからも患者さんに選ばれる病院をめざしたい」と馬殿理事長は未来を見据える。取材では、新時代を迎えた同院の取り組みや、病院運営に対する馬殿理事長の思いをじっくりと聞いた。(取材日2025年12月24日)

この場所で長く親しまれてきた病院だそうですね。

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宝塚南口で祖父が開業した医院が現在の場所へ移り、病院になったのが1956年のこと。その後、逆瀬川駅からすぐという恵まれた立地で現在まで診療を続けてきました。診療面では、地域の病院にまず求められる役割である、救急医療に継続的に力を入れています。透析にも早くから取り組み、現在は休止中ですが夜間に行うオーバーナイト透析も実施。さらに心臓カテーテルでは、平成の半ば頃から血管造影装置を導入するなど医療設備や人材を整え診療力を高めてきましたし、脳神経外科でも脳卒中に対して血管内治療と開頭手術を実施。救命救急に欠かせない心臓や脳の領域を強化し、近年では外傷や消化器疾患などでも対応可能なものは積極的に受け入れ、初療や高次の病院への転送につなげています。このため地域からは「通いやすく、困ったときに頼れる」病院として親しまれていますが、今後はそこに新たな魅力や強みを加えていきたいと、取り組んでいるところです。

腎臓領域では透析に加え、腎機能維持にも注力されているとか。

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当院の透析では従来、除水量を意識した管理を行っていましたが、2025年の春からは腎臓内科の医師が着任。微量元素やイオンバランスに注目し、疲労感が少なくQOLにも配慮した透析に取り組んでいます。また現在は休止しているオーバーナイト透析も、早い再開をめざしています。なお腎臓領域では今日、透析に至る人を極力減らす、あるいは透析の開始時期をなるべく遅らせることも重要視されています。そこで当院でもCKDや腎臓保存期を専門に診る外来をスタート。医師の問診や、BUN、クレアチニン、尿蛋白などを定期的に検査し、管理栄養士からの食事指導や、看護師によるフットケアなども交えながら、腎機能の低下ができるだけ緩やかになるようサポートしています。他院からのご紹介患者さんが増えていて、明らかな腎機能低下例だけでなく、BUN、クレアチニンが正常で蛋白尿だけが続くような場合でも、診断や評価を含め対応しています。

救急医療や急性期治療ではどのような変化がありますか?

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これまでも救急搬送は積極的に受け入れてきましたが、救急隊や患者さんから信頼される応対や、質の高い治療へとスムーズにつなげる仕組みをめざし、2026年春から院内に救急救命士を配置します。原則として日中は2人、夜間も1人の救急救命士が常駐し、救急隊との連絡を担当したり、現在は看護師が担うことの多い受け入れ時の処置にも対応。救急全体の質を上げていきたいと考えています。また脳卒中での開頭手術や血管内治療、冠動脈疾患での心臓カテーテルは従来どおり提供していきますし、外傷や急性腹症などでも診療レベルを高めていきたいと考えています。現在、地域の中小規模の病院には「治し支える」機能が求められていますが、当院は歴史や既存の強み、病床規模などから、「治す」ための機能がより高い病院をめざしています。ですので今後は、現在あるHCUからICUへの格上げや、看護師の専門性の向上なども視野に入れて動いていきたいですね。

新たに患者サポートセンターを開設したそうですね。

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これまで、入院手続きと退院後の連携を担う部署は別々に設けていましたが、情報共有や一体感において課題もありました。そこで2025年8月に地域サポートセンターを設置。入退院時のサポートや、地域の先生方との連携、さらに医療福祉関連のご相談もすべて同センターで行います。MSW、看護師、事務職員などを配置し、データも含めてさまざまな情報を部署内で日常的に共有。ご紹介による受診から患者さんの入退院、在宅復帰まで円滑に進むよう、環境整備を進めているところです。実際に、スタッフは以前より時間をかけて患者さんのお話を伺い、入院時から退院後の生活を展望して調整を進めるようになりつつあります。また、当院で急性期治療を終えた患者さんは、なるべく地域の先生方へ引き継いでいきたいと考えています。同センターが当院の医師と地域の先生方の間をつなぎ、より円滑なコミュニケーションを担うことも期待しています。

理事長がめざす次世代の「宝塚病院」についてお聞かせください。

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医療ニーズの多様化やコロナ禍の経験を踏まえ、これからの病院組織では、トップダウンに依存するのではなく、各職種、各部門が積極的に意見を出し合って自らの専門性を発揮する、病院全体がいわば「チーム」という意識で動ける組織づくりが必要だと考えています。その一例として当院では、感染管理、医療安全、皮膚・排泄ケアなどを専門に学んだ看護師を増員。院内の課題を横断的な視点で検討し、改善を進めています。同時に、スポットライトが当たる職種や部署、それを支えるスタッフや部門、その両方が適切に評価されることで、皆で知恵を集めて一緒に汗をかける、風通しの良い関係を構築していきたいですね。その積み重ねで育まれる強靭な組織からこそ、質の高い医療が生まれると考えています。当院ならではの地の利や歴史に加え、患者さんに魅力だと感じてもらえるより高い医療水準や、病院としての質を実現できるよう、病院全体で頑張っていきたいですね。

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馬殿 徹也 理事長

1997年関西医科大学卒業後、同第2外科入局。1999年からは関西医科大学大学院外科学研究室に所属。市立岸和田病院外科、神戸百年記念病院外科での勤務を経て2008年より医療法人回生会宝塚病院外科へ入職、2012年より副院長、2023年より院長と兼任で理事長に就任。新たなタームを迎えた同院の運営に取り組み、兵庫県民間病院協会では理事を務め、地域との関係性づくりにも注力。趣味のスキーを家族と楽しむ。

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