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医療法人回生会 宝塚病院

(兵庫県 宝塚市)

馬殿 正人 院長

最終更新日:2020/11/18

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急性期を中心に地域住民の生命と健康を守る

逆瀬川に面する「宝塚病院」は、馬殿(ばでん)正人院長の父が1956年に開設。結核の診療からスタートした同院は地域のニーズに応えて診療分野を広げ、現在は循環器内科、消化器内科、消化器外科、脳神経外科、整形外科などに幅広く対応し、131床を有する地域の中核病院になっている。同院では以前から専門性の高い治療技術・医療機器を積極的に導入しており、現在は256列マルチスライスCTや血管造影装置を活用して循環器科や脳神経外科の3次救急にも対応。また人工透析部門や心臓の総合検診、訪問看護ステーションなど、時代の変化に合わせた診療体制の構築にも柔軟に取り組む。「大病院に引けを取らないくらいの診療機器と技術で、当院の規模ならではの小回りがきいた、患者さんの利便性に配慮した医療を提供しています」と人情味あふれる笑顔を見せる院長に、診療の特徴や地域への思い、今後の展望を聞いた。(取材日2020年10月8日)

最初に、病院の歴史と地域とのつながりをご紹介ください。

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1956年、私が6歳のときに父が69床の病院を開設したのが始まりです。何もないところからのスタートで、父は苦労したでしょうね。当時は結核の致死率が高く、結核急性期の患者さんを積極的に診ていたそうですが、地域の要望もあり徐々に診療科目を増やしてきました。1965年からは救急告示病院として市内や近隣自治体からの救急搬送を受け入れています。1978年には人工透析を開始し、また私は大学卒業後、循環器と透析の臨床経験を積んで1985年に入職したので、1992年に建設した新館には血管造影室を設け、心臓カテーテル検査を始めました。その後も新たな治療技術や先進の医療機器を積極的に導入し、現在、循環器や脳神経領域では2次・3次救急にも対応しています。一方で、最近では地域の高齢化に合わせて、訪問看護など在宅医療にも取り組み始めています。

先進の医療機器を積極的に導入していますが、背景にある思いは?

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循環器では心臓カテーテル検査を積極的に行うほか、心臓CTを活用しています。CTは侵襲が少なく、外来で検査ができます。2006年には64列の、2016年には256列のマルチスライスCTを導入したので、ごく短時間で撮影ができますし、心臓とともに肺や腹部、足の血管なども同時に撮影できます。いくつもの部位を1回で撮影して、3次元データで詳細な検討ができるのは、患者さんにもわれわれにも大きなメリットです。この心臓CTは、虚血性心疾患による突然死を防ぎたいと始めた心臓の総合検診でも活躍しています。それから、脳神経外科でもカテーテル治療が増えていることから、2018年には血管造影装置を2台に増やしました。256列のマルチスライスCTも2台の血管造影装置も、当院のような規模の病院では珍しいと思いますが、患者さんの体への負担を減らし、必要なタイミングで治療を行うためには欠かせないと考え、導入しました。

人工透析でも、独自の取り組みをされています。

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1978年に10床で人工透析を始めた当時は、腎炎が原因で透析になる方が多かったのですが、2000年頃には糖尿病から透析になる方が増え、そして今は高齢に伴う腎硬化症で透析を始める患者さんが増えています。歩いて通院していた90歳を過ぎた方が透析を始めることもあり、現在は45床に増床しています。それから、2014年からオーバーナイト透析を始めました。1回4時間の透析を週3回行う施設が多いと思いますが、当院ではもともと1回5時間以上と、少し時間をかけていました。ゆっくりと血液から毒素を抜いていくことで、体の負担が軽くなりますし、よりしっかりと浄化が図れるのです。さらにオーバーナイト透析なら、夜眠っている間に8時間かけて透析をしますので、働いている方も仕事を休まず透析を続けられます。夕食後に来院して透析を受け、翌朝当院から出勤するようなことも可能ですので、ぜひ多くの方に利用してほしいですね。

貴院ならではの診療の良さや、大事にしていることはありますか。

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コンパクトな規模の中に専門性の高い設備があるからこそ可能な診療が特徴ですね。例えばふらつきがあって受診された患者さんなら、血液検査の結果から必要に応じてその日のうちにCTやMRIなどの画像検査を受けてもらいます。他にも、循環器のカテーテル治療、脳血管の血栓回収療法、上部消化管の内視鏡などの検査や治療は、できるだけその場で行うスピーディーさと柔軟性があります。救急医療に取り組んできたこともあり、診療科の区別なく医師やスタッフの距離が近く、相談しながら動ける空気がありますね。また、受診しやすい地域の病院ですので患者さんからはさまざまな相談があり、精神疾患など診療部門を設けていない領域についてもまずはお話を聞いて他の医療機関と連携するなど、しなやかさと広がりのある姿勢を大事にしています。

今後の取り組みと、地域の方へのメッセージをお願いします。

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ベッドタウンとして発展してきた宝塚市でも高齢化が進み、お年寄りの2人暮らしや独居が増えています。当院は急性期病院ですので、治療後はなるべくご自宅近くの開業医院の先生に引き継いできましたが、ずっと当院へ通われている方からは、「通院がつらくなってきたけれど最期まで診てほしい」という声も聞こえるようになりました。私自身も地元出身で、最期は自宅で迎えたいという気持ちはよくわかるのです。そこで在宅医療の必要性を感じ、2015年には訪問看護ステーションを立ち上げました。地域の先生方や訪問看護、介護の事業所などとも連携しながら、当院らしい地域包括ケアシステムを築いていきたいと考えています。それから、高齢化の時代だからこそ病気の予防が大事になります。当院では心臓の総合検診や脳ドックなどを手軽に受けてもらえるような仕組みがありますので、ぜひ活用していただき、健康を見直す機会にしてほしいと思います。

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馬殿 正人 院長

1975年関西医科大学を卒業後、同大学附属病院第2内科入局。1984年同大学附属病院第2内科助手を経て1985年より当院内科へ入職し、2009年より院長、2017年からは理事長を兼任。内科、循環器科などで臨床の先頭に立つほか、ユニークなアイデアも取り入れながら地域に親しまれる病院運営に努める。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会循環器専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医。

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